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第八回 ウェブカメラとライティング

高価なカメラを買うまえに

多くのものはお金をかければ性能があがります。わたしたちがリモートワークなどで使用するウェブカメラも、安価なものと高価なものでは大きな性能差があります。だからカメラにはお金をかけ、いいものを入手しましょう……と言うのは簡単ですが、現実的ではありません。そんなにたやすく高価な買い物ができるはずがないからです。

「高いカメラを買うまえに、試してみてほしいことがあります」

そう語るのは、TENTO教務のリーダー、倉本大資先生です。

「カメラは基本的に、わたしたちの顔に当たった光の反射をとりこんで撮影します。カメラがよくなれば、レンズが大きくなり、センサーの性能が向上しますから、光をとりこむ力はより強くなります。ただし、それをするにはお金がかかります。誰もにオススメできる方法ではありません」

「カメラを変える前に試して欲しいのは、ライティングです」

「部屋に設置された蛍光灯などの照明だけではなく、顔に光を当てるだけで、顔はずいぶん明るく、きれいに写るようになるんです。リモートだと顔が暗くうつっちゃって嫌だと感じてる人も多いと思いますが、照明を増やすだけでまったくちがいます。デスクライトとか懐中電灯とか、ありあわせの照明でいいんです。それらを顔にあてるだけで、ずいぶん明るくなるはずです。あまり強く当てすぎると白飛びしちゃったり、俳優さんがよく言うようにまぶしくて眼をあけてられない状態になっちゃいますから、加減は必要ですが(笑)」

撮影用の照明は高価なのですか。

「そんなことはありません。たとえば100円ショップのダイソーには、『ラウンドスタンドライト』が売っています。残念ながら100円というわけではありませんが、払えない額ではないと思います。パソコン専門店や家電量販店などに行くと、さまざまな照明が売っていますよ」

照明も沼、カメラも沼

「照明の次にそろえたいのは、撮影用の背景パネルでしょうか」

どのようなものですか。

「撮影スタジオなどにあるものの簡易版です。これがあると家の様子が写らず済みますよね。証明写真のような無背景のものから、シックなグラデーションや模様のあるものもあります」

「ただし、このあたりから沼になってくるので注意が必要です」

沼とは?

「背景のパネルも椅子の背もたれに設置するようなものから、スタンドを用いて壁を覆うようなものもあります。気づけば撮影部屋のようになってしまうなんてこともありますよ」

「カメラもそうです。ミラーレス一眼レフのカメラがいいとされていますし、レンズもいろいろ変えることができますが、変わったことはわかっても、よくなってるか悪くなってるか判断がつかない。まさに沼です。……僕も沼にはまってます。友達になりたい人はぜひどうぞ(笑)」

遠慮させていただきます(笑)。沼に至らない撮影機材でオススメはありますか。

「パソコン内蔵のカメラや、安価なウェブカメラよりも、スマホのカメラのほうがずっと性能がいい場合が多いんです。もし使っていないスマホがあるなら、ウェブカメラとして利用するといいのではないでしょうか。そのためのアプリもあります」


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