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第三回 分割キーボード、正しい姿勢でタイピング!

キーボード選びは大切だ

「オススメしたいのは、分割キーボードです」
そう語るのは、TENTO教務のリーダー、倉本大資先生です。

どういうものですか。

「キーボードはふつう、一体になっているものです。ノートPCは本体にドッキングされていますし、デスクトップなら板状のものが装備されているのがふつうです。分割キーボードはこれを半分にセパレートして、ふたつにしたものです」

どんなメリットがあるのですか。

「もっとも大きいのは、姿勢がよくなることでしょうね」

「作業をするとき、人はキーボードの大きさに合わせているんです。とくに、ノートPCを使うときには、キーボードが小さいですから、ちぢこまったり前屈みになったりしてしまいます。キーボードが左右に分割されていれば、そんなことにはなりません。自分の置きたいところに腕が置けて、胸をひらいたもっとも自然な姿勢で作業をすることができます」

Ultimate Hacking Keyboard

矯正されるタッチタイピング

「それとね、分割キーボードを使うと、タッチタイピングが矯正されるんですよ」

キーボードの形状とタイピング技術はあまり関係ないような気がしますが。

「アルファベットキーはたいがいの人が正しい方法で入力をしているでしょう。でも、数字キーはそうでもないという人は多いと思います。たとえば数字の『6』は、キーボードがくっついていたら右手で打つ人も左手で打つ人もきっといますよね」

「6」とかだと、セオリーよりもクセが優先されそうですね。

「キーボードがまんなかで切り離されていて、左右にわかれていれば、まちがったクセで入力することはできないんです。左右それぞれ正しいかたちで打鍵せざるを得ない。……まあ、あまり大きな副産物ではありませんが(笑)」

ErgoDox EZ: An Incredible Mechanical Ergonomic Keyboard

キーボードという深い沼

「この世界って、すごーく深いんですよ」

深い?

「沼です。こだわっている人は、キーボードを自作したりします」

PC本体の自作はわりと一般的なように思いますが、キーボードはできあいのものを使うものじゃないんですか。

「キーボードの自作専門のショップがあるんです。分割タイプばかりではなく、さまざまなタイプの自作キットを売っています。自作最大のメリットはなんといっても『自分に合ったものを作り出す』ことです。形状はもちろん、キー配列も自分に合った、まさに自分専用にカスタマイズされたキーボードを生み出すことができるんです。……ただねえ、これって終わりがないんですよ。クルマとかなら経済の問題でカスタマイズにも限界があるけど、キーボードはそれないし」

「私はそこまではやってません。この世界って本当に沼なんですよ。ハマったら抜け出せない。そこに踏み込む勇気はなくて(笑)」


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