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近況

気づいたら1週間以上noteを開いていなかった。今日はちょっと近況を書いてみます。

得体の知れない行き詰まりをずいぶん長いこと感じていた。
それは、地方でフリーランスのデザイナーをすることへの壁と、親業との両立と、これから先どんな風に生きていきたいのか、という大きく三つの部分だと思う。

1週間のうちに、数人の女性と密な会話をすることができた。

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一人は、おなじ宮崎で遠からずな業種にお勤めの方。たまたま県外出張の折に高速バスで席が隣になり、怖いくらいの縁を感じると道中会話をたくさんした。

年齢も近く、娘さんが一人、旦那さんが多忙な業界で働いている。子供が小学校にあがると、保育園のように6時まで見てもらうことができない。お迎えの時間を気にしながら日々働く。また、実家に預けて出張に行くにも「日・月」「金・土」のどちらか一日が休日にかからないと厳しい。実家から朝小学校に通うには遠すぎるからだ。両親が元気だから出張ができるけど、いつまで続くだろう。わかる、わかる。

でも、子供の成長と同時に、あと数年経てばかなり自由度が増すことも予測している。40代、50代に何をしたいか、そんな希望を話せるのが嬉しかった。がむしゃらだった20代のころ、今に至る自分、そしてこれからについて聞けて、多忙ながら夢を持つ彼女に力を分けてもらった。

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半年ぶりの県外出張で、二人の女性と同行。熊本在住の広告や制作畑でバリバリに働く二人と同じ案件で客先へ。移動時間も長く、食事や宿泊の時間でたっぷり話すことができた。

一度、宮崎でフリーランスを続けることの弱音をぽつりと吐いた。地元企業がそもそも少なく、資金も無いため、九州の中でもとりわけ予算が少ないこと。予算が少ないので、チームに人を巻き込むことができず、クリエイティブに力を注げないこと。自分が良いと思うことが、この土地では求められていないと感じること。

県外の仕事もすればいいじゃない、と、すごく真っ当な言葉をもらった。そりゃそうだ。幸い、県外からの問い合わせも定期的にある。これまでは、家庭と感染症のため出張ができないという理由で、積極的になれなかったけれど、あと数年すれば私が平日の一晩家を空けても、どうにかなるだろう。

彼女たちと、出張先の某半島のスナックに出かけた。たまたまお客さんが女性ばかり。ママと、高齢のお姉様方、そして私たち。常連の女性たちは驚くほどカラオケが上手で、ママのおつまみは全部手作りで美味しい。この土地で、困難も笑い飛ばしながら強かにいきる姿勢に、こうでなくちゃ、と思わされた。県外にいながら、仲間として加えてくれる二人にもとても救われた。

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今一緒に企画を進めている女性。小学生男子二人の母でもあり、作家さんでもある。海外歴も長く、自由な雰囲気を身にまとう彼女は、頭でっかちになりがちな私から見れば、うらやましい感覚の人だった。

ランチに誘って、いろいろな話をする。カリスマ性、作家性のある人に強い憧れを感じる。遅刻しても、連絡がとれなくても、まあしょうがないよね、あの人にしか作れないから、という突き抜けたクリエイターがうらやましいと話した。すると、

私たちは母親だから、突き抜けたくても毎朝毎晩「日常」に引き戻される。でもそんな「普通の生活」を知っていることは私たちの強みだ。

表現は違ったかもしれないけれど、そんな言葉をもらった。なんだかハッとした。そうか「普通であること」って実は強みなのだ。

毎日ちゃんと起きること、洗濯や掃除をして食事を用意すること。それを変わらず続けること。そんな誰もがやっている普通の日常も、簡単ではないことを知っている。だから、お客さんとの共通言語が多く相手に合わせた提案ができる。

そうか、普通って強みだったんだ。同時に、まだ好き勝手やっていた若かりし頃の「作る衝動や幸せ」を覚えているので、その欲望がたまに顔を出す。そうやって、私たちは生活してるんだねと、妙に腑に落ちた会話だった。

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小さな悩みは尽きない。けども、それは話のネタにもなる。世代の近い女性とたくさん話した1週間だった。

わたしはとても普通の人間だ。普通であることを誇りに思いつつ、少し先の未来で変化が起こるかもしれないことを楽しみにしよう。毎日のおだやかな日々を存分に味わおう。