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梅雨はどこに

「あれ?今って例年でいうと梅雨の季節だよね。なのに今年はあんまり雨の日ばっかりじゃないなあ。これは一体どうゆうことなのかな?」
と、6月のある日、いぬうた市の、きゅん君は、
こんなことに気付きました。
おっ、きゅん君、分かっちゃいましたか。
今年の、いぬうた市はまだ梅雨が訪れていないことに。
でも、日頃の散歩が欠かせない、きゅん君や、
ぐーちゃんにはその方がいいんじゃないですか。
だって梅雨に入ったら、なんだかんだで、
散歩の回数が減りますよ。
それでいいんですか?きゅん君。
「いいことはないけど、それはそれでしょうがないじゃないか。それよりもこの時期ちゃんと雨が降らなかったら、いぬうた市だっていろいろと困るでしょ。まあ、あんまりひどい雨も困るけど」
おや、きゅん君、ずいぶんと物分かりがいいではないですか。
確かに雨が降らなかったら、農作物とかにも、
影響があるでしょうからね。
「そうだよ。分かっているじゃん。だから雨で散歩に行けないのは、ぐーと家でわんプロするとかしてストレスを発散して何とか、しのぐつもりなんだけど、それにしてもその肝心の雨が降らないことにはなあ」
と、いぬうた市にまだ梅雨が来ないことを危惧する、
きゅん君ですが、こればっかりは、
どうしようもないですよね。
何しろ自然のことですから。
あっ、そういえば、おふたりの故郷である沖縄は、
梅雨明けしたらしいですよ。
全く、こちらはまだ来てもないのにおかしなことですね。
「じゃあ、沖縄さんはもう用はないんだったら、その梅雨さんを、いぬうた市に連れて来ればいいんじゃない」
とは、突然会話に加わった、ぐーちゃんです。
いやいや、ぐーちゃん、
それはいくらなんでも無理じゃないですかね。
「そうかしら?だって梅雨さんもこのままじゃ行く場所なくて困っていらっしゃるのでは?それだったら、いぬうた市に来てもらうのが1番だと、ぐーは思うわ」
と、そんなことを言う、ぐーちゃんの横で、
きゅん君はふと想像します。
梅雨が飛行機に乗って、いぬうた市にやって来る光景を。
よく雨の中を飛行機が飛んでいるのは、
テレビとかでもよく見ますが、
飛行機の中に雨が降っているのは見たことがありません。
なのでちょっとそんな場面は見てみたいと、
一瞬思った、きゅん君ですが、
「まあ、でも何でもいいから早く来て、
それでなるべく早く去って欲しいなあ」
と、家の窓から外を見上げた瞬間、
雨がぽつりぽつりと降ってきたではありませんか。
これは、いぬうた市も梅雨入りではありませんかね。
ちょっと、ホッとしたのと同時に、
「やっぱり沖縄から飛行機で来たのかも」
と再びその光景を頭に描く、きゅん君なのでありました。

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