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第三者のための契約について - 深掘り解説

 皆さん、「第三者のための契約」という言葉を耳にしたことはありますか?一部の人が使う「3為(さんため)」というスラング、これに違和感を覚える方も多いのではないでしょうか。私も、その曖昧で軽薄な響きに違和感を感じ、スタッフや同僚には使用を避けるよう伝えています。しかし、この言葉の背景には、不動産取引における重要な手法が存在します。それが、第三者のための契約です。


第三者のための契約とは?

 第三者のための契約とは、当事者の一方が第三者に対して特定の給付をすることを約束する契約形態です。この契約において、第三者が受益の意思を示した時点で、その者に権利が生じることとなります。不動産業界では、この手法が特に重要です。知らない方や地方ではあまり利用されないため司法書士ですら行ったことが無い方もうがいに多く私は都内で行われている文言を伝え管轄法務局で事前に打ち合わせをお勧めしますと司法書士に伝えることが稀にあります。こうしないと不信感を抱かれたり金融機関の指定の司法書士がOK出しにくいのを避けるために事前に伝えております。

 特に、「中間省略登記」の手法としてよく利用されています。中間省略登記とは、ある不動産がAからB、BからCへと取引される際、通常であれば2回の登記が必要なところを、Bを省略してAから直接Cへと登記することを意味します。このようにして、第三者(C)に直接所有権を移すことが可能となります。


中間省略登記の実例と効果

具体的な取引の流れとしては、以下のようなステップが含まれます。

  1. 第三者のためにする売買契約:A(売主)とB(中間者)が契約を結び、所有権をC(最終的な購入者)に直接移転する特約を設定します。

  2. 他人物売買契約:BがCに対して売買契約を結び、Aの所有権をCに移転するという形を取ります。

この結果、AからCへと直接所有権が移ることになります。従来であれば、AからB、BからCという2段階で登記を行うところが、1回の登記に省略されるわけです。

節税メリット

中間省略登記の主なメリットは、何と言っても節税効果です。通常、所有権移転登記を2回行うと、その都度登録免許税不動産取得税が発生します。しかし、これを1回にまとめることで、登記費用を抑えることができるのです。

 たとえば、物件の価格が2,500万円の場合、2回の登記には約70万円のコストがかかることがあります。この費用が1回分で済むため、取引のコスト削減が可能となり、Y(中間者)は無駄な費用を避けることができます。結果的に、C(購入者)も安く物件を手に入れる可能性があるというメリットがあります。1棟の場合は数百万単位で費用加算がされます。1日も保有していないのにです。であれば第三者のための契約にして幾分何か不具合が生じたときに修理費にまわす方が効果的と私は思ってしまいます。
 保有が目的であれば通常の支払いをするのが普通ではございますが。


中間省略登記のデメリットとリスク

 一方で、この手法にはいくつかの問題点も存在します。まず、不動産取引においては、権利の移転を正しく反映することが求められます。中間省略は、その点で問題視されることが多く、かつて法務局ではこれを認めていませんでした。

 しかし、判例により一定の条件下で中間省略登記が認められるケースもありました。ただし、2005年の不動産登記法の改正により、従来の手法は基本的に使えなくなっています。

 また、中間者(B)が登記を行わないことで、不透明な取引が生じるリスクもあります。具体的には、売買価格が外部に知られないため、Bが利益をどの程度得ているのかが不明瞭になる場合があるのです。このため、不動産業者が絡む取引では、売買価格や利益構造が隠されることがあるという懸念も指摘されています。


中間者の利益と責任

 「中間者(B)」の役割について詳しく見てみましょう。Bは取引の中心となる存在ですが、必ずしも利益を得るわけではありません。多くの人が、Bが利益を抜いていると思い込んでいますが、実際にはそうでないケースもあります。

 中間者が最も得をするのは、Bが低価格で不動産を仕入れ、それを高価格でCに転売した場合です。しかし、この利益は保証されたものではなく、取引の条件や市場状況に大きく左右されます。また、Bは取引の責任を負うことになります。特に、不動産の契約不適合責任は2年間存在し、その間に何か問題が発生すれば、Bが対応しなければなりません。

 そのため、中間者の利益は一時的であり、リスクも伴います。特に、小さな利益を得るために大きなリスクを背負うというのは、Bにとって大きな負担です。この点を理解せず、「Bが常に儲かる」と考えるのは、非常に浅はかな見解です。業者間でも儲かる取引してるねと何の根拠を持って言っているかわからない時もあります。つまり知らないんです。会計上では決算時には利益計上してしまえば課税対象になりさらに利益は減りますため前者の考え方が理解できても簿記場と申しますか会計のルールまでもわからないと話にならないです(失礼なのを承知で話せば話の土台にも乗って無く学んでから話してと言いたいところではございますが不愉快になるため申しません)


業界における3為の実態

 さて、「3為」という言葉について改めて考えてみましょう。この言葉を使う業者や取引の多くは、押し売り業者や利益優先の取引を行う傾向が強いと言われています。彼らは、第三者のための契約を表面的に利用し、利益を得ようとすることが多いのです。

 ただし、個人間取引で第三者のための契約を使うことは合法的であり、全てが悪いわけではありません。特に、個人間では責任を免責できるケースもあるため、業者が間に入ることで取引がスムーズに進むこともあります。しかし、その際には、売主または買主に一定の負担がかかることを理解する必要があります。


まとめ

 第三者のための契約は、不動産取引において有効な手法の一つですが、リスクやメリットを理解した上で行うことが重要です。また、誤った認識で取引を進めると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。特に、中間省略登記は、節税効果がある一方で、不透明な取引や法的リスクを伴うことを忘れてはなりません。

次回の不動産取引においては、これらの点をしっかりと把握し、適切な契約形態を選ぶことが求められます。

 ちなみに第四者のための契約なんて言葉は存在しませんが
 A→B→C→D間での取引も可能性はあります。
 ただし間が入れば入るだけ最後まで着金できない可能性もあがるためABCまでに留める方が様々な取引を見ている中ではまともに見えます。

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