「第三の男」(実写映画)

視聴環境:Amazon prime video

【内容】
第二次世界大戦後、友人に呼ばれてウィーンに訪れたアメリカ人作家ホリーが、友人の家に訪れると友人は交通事故で死んでいたと告げられる。
不審に思ったホリーは、事件の真相に迫るため、真相究明を始めるのだが…

※ネタバレします。

【感想】
タイトルは聴いたことがあったのですが、今まで観たことなかったのですが…
YouTubeの映画紹介番組『ホイチョイ的映画生活』で紹介されていて面白そうなので、観てみることにしました。

テンポが速く、展開が早いので古い映画なのに、飽きずに観ることが出来ました。
古い映画なので、それほど期待せずに見始めたのですが、面白く観れました。
サウペンスと意外な展開につぐ展開。
ペニシリン不足の問題など、当時の時事問題を取り込みながらも、きちんとエンターテイメント映画に仕上げていました。
マンションや酒場、公演会場、ドナウ川に続く下水道や墓場と駅構内、ウィーンの様々な場所を巡りながら、事件の真相に迫っていく。
カンヌ国際映画祭でグランプリを取ったというだけあって、わかりやすく無駄なシーンがないなあと…
今の映画では出すことが出来ない独特の雰囲気があると感じました。
それから、構図がどれも決まっていて、観ていて気持ちのいい作品だと感じました。
それから、最後のハリーの地下の逃走シーンは、よく出来ているなあと感じました。

第三の男にして行方不明の友人ハリー役を演じたオーソン・ウェールズの不適な面構えや表情、存在感は格別なものがあると感じました。
脚本が優れているということもあるのでしょうが、すごく現代的なキャラクターであると感じました。
本当に憎たらしい悪役ぷりで、今なら彼が主役になるんだろうなあと…
というか、ビランを主役にするような悪役のネタもとの一つだったりするのかなあと思ったりもしました。

ラストシーンは、本当に1940年代の映画ってくらいカラッとした感じで終わっていたのも、今の映画ぽかったです。
というか、今、このラストをてらいなく出来る娯楽映画はないかもとも思ったりもしました。

エビスビールのCMで使われている陽気で呑気なあの曲がメインテーマとして使われていました。内容と全然合わない、逆に深刻な事件をこうした軽快な音楽で演出することで、映画にテンポの良さと軽快さを演出しているとも感じました。

配信などで映画を随分と観やすくなって、映画評など観た後、すぐに映画本編を観れるようになった今の状況は悪くないなあと思ったりしました。

https://eiga.com/movie/46413/

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