「悪魔のような女」

視聴環境:U-NEXT

【内容】
妻の前で公然と愛人関係にある女性と付き合うドメスティックバイオレンスな夫。
妻と愛人は、共謀して夫を殺す。
1955年のフランスのスリラー映画。

【感想】
シナリオ、よく考えられた構成になっていました。
冒頭、愛人が夫から振るわれた暴力のアザを隠すために、サングラスをかけて出てくるというのも、無駄がないなと…
夫の睡眠薬入りの酒を飲む寸前、夫が妻へ暴力と暴言を振るうことで、まあこの夫殺されても仕方ないなあと思わせる。
無駄のないセリフのやりとりや、小道具の使い方、キャラクター造形。
黒髪の心臓の弱いスレンダーな大人しい妻と、金髪で外交的で背が高いグラマラスな愛人とか…
妻の心臓の悪いという巧な設定で、感情が昂ったシーンや死体を運ぶシーンでのハラハラさせるには絶好の演出効果を発揮していました。
後の映画や小説に影響を与えた作品とのことで、今回初めて観てみたのですが、それほぼ飽きずに観ることが出来ました。
途中、ハラハラするようなシーンの効果的な入れ方も効いてたりする…まあ、今の人間としてみると定型的な感じも否めない点もありますが。
途中から登場する元警察官で探偵を名乗る老人による勝手な調査とか…
死んだはずの夫の影…
ラストのオチまで、よく出来ているなあと…

2時間弱くらいの尺で、巧にドラマを構成する感じはこのくらいの感じが最適なのかなあといったことも感じられたりもしました。
物語冒頭、既にいろんな事態が進行していて、途中からの展開が変わってスリラーになって行き、そして、更にどんでん返しが…
エンタメ作品として、飽きさせない要素が盛り沢山…
自分がこれを今の時代のエンターテーメント作品として作り直すなら、どうすれば良いんだろうということを考えたりしました。
カメラのカット割やオーソドックスだし、映像的な面では特別なことは全くしていないのに、白と黒の映像で巧に見せていく。

この映画を観ていて、ここら辺の古典と呼ばれている作品、ちゃんと見直したいなあと思ったりしました。

https://eiga.com/movie/41999/

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