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FLASH終了のCM見て泣いた話

まずはこの動画を貼っておきます。
サントリー公式がアップしている動画です。


インターネット、その中でも動画サイトに十年以上の思い出があり、かつ未視聴の方は是非見ましょう。

そしてタイトル通りです。FLASH終了のCM見て、泣きました。
平日ですが僕はシフト的に休日なので、休みの真っ昼間にぼろぼろと。
涙ですこし塩辛くなったカップ焼きそば、美味しかったです。
牛丼だったらもっとよかったのですが。

そしてもう一度見返してみました。その時は泣きはしませんでしたが、やはり素晴らしいCMです。心の奥がじん、とあったまるような、でもどこか寂しいような、そんな感覚に包まれます。

長年しんしんと降り積もり、今もまた新たなものが舞い踊るインターネットとの記憶。様々思うことはあれど、今回はその一部だけ語らせてください。

僕が動画サイトに触れたのは、中学入ってすぐの時期でした。
当時の友達が、兄弟の影響でおもしろFLASHを見ていたため、友人の家に行き、千葉滋賀佐賀だったり冷蔵庫にカレーがあたかもしれないだったりを見て、ゲラゲラ笑っておりました。

実はその前の小学校時代、もすかうが同学年で爆発的ブームを起こし、皆が踊って空耳を歌えるような大惨事も起こったわけですが、それは伝道師であるとある男子がその身一つで布教した成果でしたので、おもしろFLASHは見ていなかったのです。

さて、その後まもなく人生で一番の転機になった中学二年時の不登校が発生します。思い出したくないこと、抉りたくない傷、過ぎってほしくない風景。それがまだたくさんあるので、今回は自分で傷に塩を塗らない程度に言語化したいと思います。

よく泣いていたことを覚えています。色々な理由が合わさって学校に行きたくなかった。様々な人の期待を裏切りました。そして、そんな自分に数え切れないくらい失望し、絶望しました。普通をやれない。嗚咽と共に、何度も何度も泣き言を零しました。

でも、その中でも。動画を見ている時は笑顔になれたんです。
今よりよっぽどおうち時間を過ごしていて、身体の調子は良くなかったけど、なんとなく動画は眺められました。
当時は英語ばっかりのようつべから入ったことを覚えています。
某ゲームの手描きMADから入って、やがて「コメ付き」、みたいなタイトルの動画は文字が大量に流れて面白いぞ、と気づき。やがてニコニコ動画の会員登録に踏み切ったのです。当時は無料とはいえ、動画サイトはアングラな場所、という偏見があったので、かなりの勇気が必要でした。

そしてニコニコに参入すればもう当時は楽園が広がっていました。ドナルド・修造・遊戯王……ネタMADが好きだったので、無限に見ていられました。やがてニコニコRPGというシリーズに出会います。これは有志が作ったニコニコで流行ったキャラクターが大量に登場し、仲間にして戦えるフリーゲームなのですが、ゲーム、特にRPG好きの僕には大ヒット。知らないキャラクターの元ネタを学ぶために、攻略Wikiを読み込んだものです(当時はニコニコ大百科より攻略Wikiの方が記事数が多かったのです!)。
そこから動画サイトの過去、歴史を学ぶようになり、おもしろFLASHにたどり着くのは時間の問題となったのです。

そしてすぐにたどり着いて見たものは懐かしい、けれど新しくて新鮮、そんな光景でした。勿論、覚えている動画もそれなりにありました。だからとても懐かしかった。しかし、ニコニコの文化とはまた違う、独特のかつての2ちゃんねるの香りや風味が色濃く残る世界。それに時間差で魅了されたのです。トゥトゥトゥマシェリーマーシェーリーもそうですし、ゴノレゴもそうです。当時、怖い場所だけれどそこで生み出されるコンテンツや言葉遊び、そういったものに憧憬を抱いていましたから、それら動きを持って表現される作品も好きになるのは、当然の話だったと言えるでしょう。

過去に見た動画を思い出すと、笑顔だった、楽しんでいた、という感情の記憶ばかり溢れてきます。当時の現実で感じた心の痛みも、ほんの少しチクリと刺してくるんですけどね。
それだけ、当時の動画作品という非現実は僕の心を守ってくれていた。
顔も知らない誰かの作品に日々救われていたんです。

その中の一つ。FLASHが間もなく終わりを迎える。
インターネットだろうが何だろうが、モノは移ろっていくもの。日々アップデートしていく世界の中で主流から外れて去って行くものがあるのは、仕方がないこと。それでも、正直寂しさを感じます。ずいぶん遠くまで来てしまったものだな、と。

それでも、CMに勇気をもらいました。

「次の新しいを生み出そう」


幼さからROMり続けた当時の自分。でも、もう自分の責任の下で創作をし、発信できるようになったのです。
媒体は動画ではないかもしれないけど、とんでもなく時間がかかるかもしれないけど、艱難辛苦が待ち受けているかもしれないけど。

今を生きて、創作をしている者として。
これからも作り続けて、いつか「新しい」が生み出せたら。

それはとても、いいことだと思うんです。


僕を支えてくれたFLASHに、最大の感謝と敬意を。
ありがとうございました。

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