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【転職の考え方⑦】40代の転職 で「安定」を履き違えてはいけない。

40代、しかもメガバンクで中間管理職にでもなった日には、転職するなんていうと、必ず「今の安定を捨てるなんてもったいないっ!!」なんて言ってくる人がいる。

というか、何度も言われましたよ。実際。
でもね、みなさん、考えても見てください、これだけ変化の激しい時代において、本当の意味での「安定」ってなんでしょうね?

現状に甘んじるのは茹でガエルと同じ。

茹でガエル、は私がよく使う例えだが、40代のメガバンク中間管理職など、正に茹でガエルに違いない。

初めは水のなかで気持ちよく泳ぐカエル。少しずつ温度を上げられても気づかず、気づいたときには茹で上がってる、というなんとも皮肉な例えだ。

今、その場に留まることが何故安定だと思えるのか?少しずつ温度を上げられていることに何故気づかないのか?

あなたの価値は削られている

例えばわかりやすいところでは、40代を過ぎたおじさん達は、メガバンクでは既にリストラ対象だ。年金、定期昇給、ボーナス、福利厚生、あらゆる処遇が、おじさん達から徐々に削られる。

そして、削られるのは経済的な処遇だけではない。昨今の働き方改革やらで、若手は残業代削減で早く帰す。一方、残業代の関係ない40代中間管理職は、若手の仕事を引継ぎ、エンドレスで仕事をする。命の時間を削られるのだ

若手のしりぬぐいをしている間に、本来ならなにができていたか?自己啓発をして自身の能力を伸ばすこともできた。運動して体を健康に保つこともできた。なのに、ひたすら事務的な仕事をこなすだけで命の時間が削られているのだ。

そして給料日、世に言う「高給」な給料明細を見ると、自身が削られていることも忘れてしまう。「頑張って働いたご褒美だ!」とか思ってしまう。自分自身が削られていることにも気づかずに。

普通預金にお金をおいておけば安定という錯覚

茹でガエルともう一つ、同じような例えを話そう。ロシアのウクライナ侵攻で急激に株価が下がっているなか、「普通預金にお金を置いててよかった」なんて思っている人もいるかもしれない。

それも同じく大きな勘違いだ。株は一時的には下がる。しかし、長期でみれば上昇を続けている。ただしこれば外国株の話であって日本株ではないが。一方、日本円はどうか。着実に国際的な価値は下がり続けている。ようするに、日本円を、利息もつかない普通預金に置いておくことは安定ではない。それが安定していると思うのは単なる錯覚であって、茹でガエルと同じだと言える。

安定という名の不安定

40代の転職も同じ。冒頭述べたように、40代でメガバンクの中間管理職を辞めて転職するのは安定を捨てること、とあなたは思うかもしれない。だが、これは大きな勘違いだ。

この変化の激しい時代、現状に留まること、広い社会を知らず、銀行の外の世界を知らず、自分のマーケットバリューにも気づかない、ただただ狭い井戸のような社会の中でしか生きていけない、それのなにが安定か?

私に言わせればそれが一番の不安定であろう。自らが削られ、自らの価値が下がっていくことにも気づかずに、ただただ日々を無難に過ごしていく。

人生100年時代、世の中は動いている。変化し続けている。40代でも50代でも、新しいことを吸収し、勉強し、成長している人はたくさんいる。

一見、不安定に見えるそのような人たちが、長い目で見れば遥かに安定的な人生を送ることができる、ということはこれまでの説明からでも、予測できるのではないか?

くれぐれも、「安定」ということの本当の意味をはき違えてはいけない。あなたがそこに留まっている間に、皆前に進んでいる。つまりあなたは取り残され、きわめて不安定な存在になっているのです。


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