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【Q:大手→ベンチャーへの転職は簡単だけど、ベンチャー→大手への転職は難しいというのは本当?】

こんにちは、転職SOS 人材業界の中の人です。


今日は人材業界の中で働いているとよく受ける質問「Q&Aシリーズ」です。今日はよくある質問の中でも【Q:大手→ベンチャーへの転職は簡単だけど、ベンチャー→大手への転職は難しいというのは本当?】ということについて書きたいと思います。これは転職を検討している社会人だけではなく、就活をしている学生からもよく質問をもらいます。


◇大手→ベンチャーへの転職は簡単だけど、ベンチャー→大手への転職は難しいというのは本当?という質問をもらったときの回答

この質問をもらったときはこんな回答をしています。ちなみに僕はベンチャーも一部上場企業も両方経験があります。

・大手→ベンチャーへの転職は簡単というのは事実(大手でなくてもベンチャーへの転職は難しくないです)

・ベンチャー→大手への転職の難易度は業界による。ベンチャーからの転職を歓迎している大手企業は、人材業界、不動産業界、IT・WEB業界は比較的積極的に受け入れている印象がある。

・ただ、転職したのちに活躍ができるかどうかという観点でいうと大手→ベンチャーに転職した人は活躍できないケースが圧倒的に多いけど、ベンチャー→大手に転職した人はかなりの確率で活躍していると思う


こう答えている意図を説明しますね。

◇大手→ベンチャーへの転職は簡単というのは事実(大手でなくてもベンチャーへの転職は難しくないです)

ベンチャー企業(ベンチャー企業の定義を現在未上場で上場を目指している会社)というのは、常に人手不足です。上場を目指して事業を拡張、売り上げ拡大を目指していればなおさらです。ただ、やっぱりベンチャー企業で働きたいという人は少ないというのが事実です。

そのため、ベンチャー企業は大手で働いている人が欲しいのではなく、人材がほしいのです。むしろ従業員が何千人もいるような大手で働いている人よりも、自分たちと同じ従業員数の中小企業で働いている人のほうがほしいと思います。※大手で働いている人とベンチャーで働いている人は根本的に身につくスキル、職場で求められるスキルが異なります。詳細は最後のほうにかきますね。

なので、大手企業からベンチャーへの転職は簡単だけど、それは大手企業の人だからというわけではなく、事業が拡張しているベンチャーは常に人が不足しているからというのが事実かなと思います。

◇ベンチャー→大手への転職の難易度は業界による

大手出身の人がベンチャー企業へ転職するのは簡単というのは、大手出身とか関係なく、ベンチャーが常に人を欲しているからという風にかきましたが、人材業界、不動産業界、IT/ WEB業界も比較的人材不足傾向があり、ベンチャー出身だからということは関係なく転職をしやすいのかなと思います。そのほかにもベンチャー出身の人を受け入れやすい業界は以下かなと思います。

※業界とその業界の代表企業を記載しているだけで記載している会社がベンチャー企業の人を積極採用しているというわけではなく、この業界が比較的大手も含めて転職しやすいという意味です。

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逆にベンチャー企業の人が転職活動をしても内定を獲得しづらい業界は以下のイメージかなと思います。ただ、記載をしている企業を含めてこういった大手企業のグループ会社にはベンチャー出身の方は歓迎される傾向があります。あくまでそのグループの本体には転職しづらいというイメージです。

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この転職しづらい/転職しやすい業界というのはこれはいくつか理由があります。

①人材流動(退職/異動)が激しいか、激しくないか

転職しやすい業界は退職や異動などの比較的人材の入れ替わりが激しかったり、景気変動の影響を受けやすく一気に数十名規模の大量採用をします。そのためそもそも人材不足に陥りやすい構造にあります。

ただ、不動産業界は「しんどい・・・」という理由で離職率がはねあがる傾向がありますが、その他のは業界は「転職をしてキャリアアップ」をするということが当たり前の文化だったり、「はたらく」ということにおいて前向きな人が多いため「やりたいことができた」というポジティブな転職をする人が多くいます。そのため、結果的に人材流動が激しい業界となります。

逆に転職しづらい業界は退職をする人がかなりまれだったり、「安定」という言葉やいわゆる福利厚生が充実している傾向があります。そのため、カルチャーやあとから書きますが、根本的に培ってきているスキルが違うベンチャーの人ではなく、仕事の進め方がマッチしやすい同業界/同規模の会社出身の人を採用したいというニーズが強く、ベンチャー出身の方を採用するということをあまりしません。

②ベンチャー企業で培われたスキルが活かせるか、活かせないか

ベンチャーと大手で働いた経験からいうと大手とベンチャーでは培われるスキルが全く異なります。

■ベンチャーで培われるスキル:自分で〇〇するスキル

コンピテンシー:実行力/行動力

■大手で培われるスキル:だれかに〇〇してもらうえで最適かつ最大化できる仕組みを計画・構想するスキル

コンピテンシー:計画力、構想力

例えば、一番イメージしやすい営業で見てみましょう。

〇〇に「新規開拓」といれていみると

ベンチャーだと自分で新規開拓をするためにテレアポをしたり、いろんな人に声をかけてお客さんを紹介してもらうというやり方を主に実施します。

ただ、大手だと新規開拓をするうえで自分たちが契約している代理店にもっと営業をかけてもらうためにどうすればいいか・・・代理店をもっと増やすためにはどうすればいいか・・・ということを考えてたりします※自分で営業することも当然あると思いますが・・・。

このようにやり方や身につくスキルが根本的に異なります。そのため、身についているスキルや仕事のやり方、考え方が異なり、ベンチャー出身の方の強みが活かせないケースが多くあります。

上記図のベンチャー出身の人が転職しやすい業界というのは、比較的自分で〇〇するスキルが活かしやすい業界です。自分たちがお客さんと直接やりとりすることがメインとなり、自分たちで開拓していくということを当たり前にやっている業界なので、ベンチャーの人が活躍しているかつスキルがフィットします。逆に転職しづらい業界は営業機能を子会社に完全に委託していたり、代理店に委託していたり、大手との取引はすでに全アカウントあいているのでどちらかというとその関係性を維持することを求めらていたりとバリバリ行動するということを活かしづらかったりする業界になります。


③仕事の進め方の違い

これはベンチャーと大手で全く異なります。僕のベンチャーと大手で新規サービスの企画~実行までの経験から記載しますね。

■ベンチャーでの新規事業の場合

・サービス実行における決裁者が少ないかつ近い

極論、社長がOKといえばすぐ実行できます。なので、社長や直属上司に「新規事業のアイディア考えたんですけど、今日1時間くれませんか?」といって「いいじゃん!予算どれくらいかかるのかというのと収支考えてあとでちょうだい!」みたいな感じですぐ進みます。

・コンプライアンス/情報セキュリティ的がゆるい

このサービス自体がコンプライアンス的にOKなのか、情報セキュリティ的に安全なのか・・・といった議論やリスクはあんまり重要視されない傾向が強いです。そのため、とてつもなくスムーズに進みます。

新規事業の計画から本当に数週間でプロジェクト実行までいくこともあります。

■大手での新規事業の場合

・サービス実行における決裁者がめちゃくちゃ多いかつ遠い

リアルな話でいうと下記のようなフローをとります。

①新規事業を部長クラスに提案

②事業部長クラスに提案

③情報セキュリティ/法務からサービス実施にあたってリスク及びそのリスク回避における対応策を検討するようフィードバックを受ける

④対応策を検討し、再度情報セキュリティ/法務と落ち度がないか確認

⑤情報セキュリティ/法務部門の部長クラス/事業部長クラスからフィードバックを受ける

⑥⑤の対応策を検討し、再度落ち度がないか確認

⑦役員会にてサービス実施するか否かを決議または実施にあたっての懸念事項をフィードバックを受ける

こんなフローを踏みます。

実に半年から1年かけてこれを繰り返します。

最初は本当にお驚きました。。途方にもないやりとりのように思えて・・・

というかどんどんやる気を失っていく・・・みたいな笑

大手企業の場合、ベンチャーのサービスとちがって大量なサービス、ユーザーがいます。また認知度の高い会社であればあるほどユーザーだけではなく、メディアも監視してきます。そうなったときにリスクを限りなく少なくするという考え方がでてくるのも仕方ないんです。

これに心がおれて、「大手ってやばいな・・・」「リスクばっかりいいやばって・・」みたいな感じでやる気を失っていく、会社の批判者になっていく、すぐやめてしまうみたいな方がたくさんいます。

一方、大手の企業からすると「ベンチャーで出している実績はコンプライアンス、情報セキュリティ観点、大手でそのサービスをやったときの影響みたいなことを考慮しきれていない中での実績」という風に捉えられ、そこにミスマッチが発生していきます。

これもベンチャー出身の人が大手の会社に転職することの難易度をあげている一つの要因かなと思います。


◇ただ、転職したのちに活躍ができるかどうかという観点でいうと大手→ベンチャーに転職した人は活躍できないケースが圧倒的に多いけど、ベンチャー→大手に転職した人はかなりの確率で活躍していると思う

実際に私がベンチャーで働いているとき、マザーズ上場を目指して40名から120名程度まで人員拡大を目指していました。そのときに入社をしてきた人は誰もが知っている大手企業出身の方、聞いたことない中小企業の方、ベンチャー出身の方、いろいろいましたが、2年以上ベンチャーで働いている人の中で大手出身の人は一人もいなかったような気がします。自分の周囲でも大手からベンチャーに転職をした人がいますが、何かと理由をつけて転職をしている人がほとんどです。

逆に大手で働いてみると実績をばりばりだしている人はいろんなバックボーンの人がいるけど、ベンチャー出身で実績が全くでていないという人は見たことないなと思います。※「大手の人って本当に働かないな・・・」とかっていう愚痴を言っている人はたくさんいますが・・・。。

今、僕が管轄している部署にもベンチャー出身の人がいますが、いずれもTOPの成績をだしています。

なぜかというと上記にも記載していますが、根本的なスキルの違いとそのスキルの違いの補填のしやすさからだと思います。

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■ベンチャーで培われるスキル:自分で〇〇するスキル

■大手で培われるスキル:だれかに〇〇してもらうえで最適かつ最大化できる仕組みを計画・構想するスキル

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上記がそれぞれ身についているものだとして、例えば、どっちのスキルを補填するのが大変かという「自分で〇〇するスキル」だと思います。

自分で顧客を開拓する、自分でツールを作るスキルなどやり方を覚えたとしてもうまくいかない、ベンチャーと大手では会社の認知度も違う・・・となると失敗することや心おれる瞬間もたくさんあります。

一方、「だれかに〇〇してもらうえで最適かつ最大化できる仕組みを計画・構想するスキル」は考え方ややり方を覚えるとすぐに補填ができてしまいます。そういった意味で活躍しやすいのは圧倒的にベンチャー→大手という転職なのかなと思います。

大手→ベンチャーへの転職は難易度こそ低いけど、下記のチェックをしてから転職をしないとしんどいかもしれませんよ!

◇ベンチャーへ転職するときの心得と覚悟

✔:ベンチャーへの憧れや大手企業で働いているもやもや感だけの転職理由ではないか?

✔:ベンチャーはベンチャーでも「この会社に入りたい」というところまで自分で絞れているか

✔:会社のビジョンに心の底から共感していて、そのビジョン実現のためにいろんなことの優先順位を仕事最優先にしてでもやりたいことなのか

✔:自分が転職しようとしているその会社のポジションに求められているスキルは自分がもっているスキルと本当にマッチしているか

✔:会社から求められるスキルが変化し、自分が不得意、足らないスキルを要求されたとしてもちゃんと素直に補う心があるか

✔:ベンチャーというのは「会社が化けるかもしれない、倒産するかもしれない」という意味でのベンチャーだけではなく「給与」「働く環境」などすべてが変化する可能性があるという意味で、その覚悟があるか

✔:「会社で働く」ではなく「会社、組織を作る」というスタンスで仕事をする覚悟があるか

逆にこういった覚悟や心得があるのであれば、ベンチャーで働いている人は厳しいけど本当に素敵な人が多いので、ぜひ転職してみると一生モノの経験がつめると思っています。


以上です!!
何か質問あればお気軽に!

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