withコロナ、Afterコロナの転職お作法


皆さんいかがお過ごしでしょうか?今まさにコロナの影響で様々な変化が起こっていますが、それは「転職」という分野でも同じです。転職を戦略的に行うことの重要性は言わずもがなですが、今回の大きな変革期はより一層、しっかり考えて転職活動に向き合う必要性が高まっています。そこで今回、どういったポイントを特に意識していくことが重要かについてお伝えします。

変化をチャンスに変えるために

少し前に日本にとっても大きな変化であった出来事を思い出してみてください。2001~2002年のITバブル崩壊、2008~2009年のリーマンショック、2011年の東日本大震災。そして今回のコロナショック。この3つの出来事から、「ITバブル崩壊→リーマンショック」は約6~7年、「リーマンショック→東日本大震災」は2年の、大きなマイナスな外的変化がない、いわゆる「凪(なぎ)」な期間がありました。そして今回「東日本大震災→コロナショック」の間にある「凪」の期間は、約9年間もの長期に渡りました。

大きなショックがない期間が続けば続くほど、非常時に対しての耐性はどんどん薄れていき、いわゆる平和ボケした状態になる人や企業が増えていきます(もちろん大半はどんな外部環境でも必死で事業を運営したり、働かれていますが)。心に余裕ができることは良いことでしたが、人は自分自身の内から変化できるか、外的要因がきっかけとなり変化せざるをえない状況に対応できるか。この時期は前者だけでなく、多くの後者の人々や企業も変わらなくてはなりません。今こそ、3年後、5年後に強い自分、変化し、成長し続けられる自分になるために意識を変えましょう。


コロナ前までにエージェントが多く行ってきたアドバイス

平常時の転職活動で最も重要な視点はどのようなものだったか?私は約20年この業界におりますので、多くの方にお話しを伺いますが、例えばこんなことでした。

level1)レジュメの書き方がなってない。
level1の解決策)相手が誰なのかを意識して書くこと。例えばエンジニアであれば、人事に対して見やすい内容と、CTOに対して分かりやすい場合はことなる。
level1のkey)書類を見る人が誰であるか分かっていること。そしてその人の経歴が少しでもわかること。例えばエンジニア出身の人事、など。

level2)面接が下手すぎ。
level2の解決策)面接対策としてロールプレイングを行う。
level2のkey)面接対策を行う、例えば転職エージェントの力量が高くなければ全くよくならず時間の無駄になるだけでなく、より面接が下手になる。例えば、アピールすべきポイントを、相手の立場に立たず行うため、ただだらだらと自慢話をしているように受け取られるだけ、など。

level3)転職理由が他責。
level3の解決策)仮に会社都合での部署閉鎖であれば「会社が閉鎖したので」で終わらせない。会社が閉鎖した理由の、0.00000001%はご自身でのせいでもある。だから、「会社業績が悪くなり転職せざるを得ない状況になったのですが、そんな中でも私自身◯◯◯という部分については×××することが出来たかもしれないですし、△△△という部分については□□□出来たかもしれないので、その点は次の職場でしっかり活かしていきたいと思っています。」という伝え方をする。他責が100%ではなく、そんな中でも謙虚に自分を見つめられる人物であることを伝えてほしい。

多くは基本的なテクニック、見せ方の部分での指摘のなるのですが、基本的に2つのパターンに分かれます。1つはあなた自身の面接時、面接前での心構え。そしてもう1つが、履歴書や職務経歴書にはじまる、あなたの分身となる書類の見せ方でした。もうお感じになられているかもしれませんが、コロナの影響でオンライン、リモートワーク経験者が一気に増えたことで、選考プロセスの選択肢が大きく変わるはずです。


オンライン面接で頭ひとつ抜け出そう

オンラインでの面接を経験したことがありますか?現時点では、Zoom、Google Hanguouts、Microsoft Teams、Wherebyが主流なのではないでしょうか?これらを使ったオンライン面接では、どうしても対面での面接よりも意思疎通が難しい側面があります。そこで基本的なことから細かなテクニックまでお伝えします。

1:基本中の基本、自分の背景となるエリアを綺麗に。
当たり前ですが基本ですので言及します。実際に私も転職者とご面談させていただく際に、非常に煩雑な(整っていない)実背景をみることがありますが、やはり評価は下がっても高くなることは当然ありません。パソコンの位置を工夫すればいくらでも背景が綺麗な場所を探せますし、最悪、カメラを天井側に角度を上げて壁を見せない方法もあります。バーチャル背景が選べる場合は必ず使いましょう。ぼかすタイプのものと、景色やオフィスなど綺麗な背景となるものがあります。Web版とアプリ版で選べるもの、選べないものがあるので使えないこともあります。Zoomも使っているパソコンによってはバーチャル背景に対応していません。

2:できればLEDライトを購入しよう。
画面が暗くなるとどうしても印象が暗くなります。スタンドタイプのもので代用すると眼が少し痛くなることがあるため、LEDの丸形になっているタイプ(スマホも設置できるもの)を購入すると良いでしょう。Amazonで4,000円前後で販売しているもので十分です。できればノートパソコンをお使いであれば、その後ろに立てて置くと表情がとても明るく見えます。

3:画面共有を使いこなす。
応募をした際に、既に履歴書や職務経歴書を作っている場合はメールなどで企業側に情報が伝わっていることと思います。しかし例えば、どんなサービスを扱っていたのか?開発していたのか?そういった質問にはビジュアルで見せつつ説明したほうが伝わりやすい。そこで、多くのオンライン会議システムについている「画面共有」を使う。転職者のかたで、面接中にこれを使う人は2020年5月時点ではあまり多くないためプレゼンテーション力が単純に上がります。ただ、見せるだけであれば沈黙になってしまうため、事前に見せるページを開いておき、目を通しておき、どういう説明をするかを決めておきましょう。ちなみにWebページを見せる場合、Google Chromeであれば、他に開いているタブやブックバーの名前も見えてしまうのでご注意を。

4:カメラを見て話そう。
相手の顔が画面でうつる。その顔を見る。それでは相手にはうつむいているように見えてしまいます。時々意識をしてカメラを見るように。カメラを見たら自分の顔が見えないので、自分が相手を見ているかどうかは自分から確認できないのですが。そして声は少し大きめに。特にイヤホンの場合、マイクが少し離れている際は少し声が小さくなります。逆にイヤホンでない場合、ハウリングして相手の声が反響して聞き取りにくくなることもあるため、イヤホンのほうが良いでしょう。「私の声の大きさはちょうど良いでしょうか?」と聞くのが一番です。

5:オンライン→オフラインに繋げる。
特に多くの応募が集まる大手企業では、選考プロセス効率化のためにオンライン面接という選択肢が普及する可能性が高いです。その場合、実際に生でお会いしてみたいと思ってもらうために何ができるかが重要です。オンラインで行うべきことは「カルチャーマッチ」ではありません。ここは直接会わないとわからないことが多いためです。オンライン面接で最もやるべきことは「企業側がやってほしいことが出来そう」だとしっかり伝えることです。直接会わずに確認できることは、あなたの持っている生の雰囲気、キャラクター以外の部分。つまり過去あなたが「何を」「どう行ってきて」「どういう考えでそれを判断し」「結果どうなったか」に対して、「自社でこのサービス/事業を」「どのような役割で」「価値観で」「どんな結果に導いてほしいか」という部分にバッチリ対比させることです。常にどの面接でも同じですが、人の空気感が、直接の対面より伝わりづらいオンライン面接は、上記の部分でしっかりとアピールすることを肝に銘じましょう。ふわっとした終わり方の面接では「いい人みたいだけど、、、う~ん。」となり、決め手に欠けます。

コロナで変わる選考プロセス。それはどう考えてもオンライン面接の普及です。ノートパソコンをお持ちであれば、1万円ほどの追加コストで、イヤホンもライトも簡単な壁紙も購入できますので是非そろえてみてはいかがでしょうか?

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