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私学を分析する視点とその理由(教科教育編)

このコーナーも第5回となりました。

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いよいよ教科の中身について考察していきたいと思います。

1.コース設定や文理分けなどを確認

今までブログにて分析してきた学校は2校ありますが、それぞれわかりやすいので振り返ってみたいと思います。

まずは神奈川県の浅野中学校・高等学校から。

中学1年生と中学2年生では6クラスが均等にクラス分けされるそうですが、中学3年生と高校1年生では英数クラス(学力上位者)を設置しています。

英数クラス以外の5クラスは均等分けされているみたいです。

高校2年生からは文系・理系も分けられているようですが、高校2年の理系クラスはさらに理系選抜クラスが設定されていますね。

高校3年生では志望校別に7クラスに分けられていて、その内訳は
①東大理系
②難関国立理系
③国公立理系
④東大文系
⑤国公立文系
⑥私立文系

https://tenshoku-no-oni.com/2021/04/20/asano/

ということで、ブログより引用しました。

クラス編成のしかたや規模などから、求められそうな授業レベルとその授業時間数を逆算を試みることはできるのではないでしょうか。

この能力が顕著にいきてくるのは、埼玉県の狭山ヶ丘高等学校・付属中学校のほうでしょうか。

【Ⅰ類】難関国立進学コース
東京大学をはじめとする最難関国立大学現役合格を目指すコース

【Ⅱ類】特別進学コース
国公立大学や早稲田大学、慶應義塾大学をはじめとする最難関私立大学現役合格を目指すコース。

【Ⅲ類】総合進学コース
文武両道を合言葉に、部活動に勤しみながら難関大学現役合格を目指すコース

【Ⅳ類】スポーツ進学コース
部活動(主として野球部およびサッカー部)に重点を置きながら大学進学を目指すコース
※推薦入試(専願)での受験となっており、事前に当該クラブ顧問との事前相談・練習参加が必要とのこと。

https://tenshoku-no-oni.com/2021/06/16/sayamagaoka/

あとは進学先や合格実績などから逆算していくといろいろと見えてくるものがあると思います。

2.教科ごとの単位数が公表されているか確認

上記の内容を更に深めていくための方法として、学年ごとの設定されている単位数を調べるというのは効果的だと思っています。

この単位数についても、学校によってはホームページで公開しているところもあります。

最近はオンライン化の影響もあるので、デジタルパンフレットを用意している学校もありますね。

デジタルパンフレットの形式も様々で、ページ送り機能のようなものもある、ちょっと本格的なものを導入している学校さんもありますし、PDF化したものをそのまま掲載している学校さんもありますね。

狭山ヶ丘高等学校・付属中学校についてはデジタルパンフレットをもとに、単位数を一覧表にして掲載してあります。

かなり特徴的だと思いますのでぜひご確認くださいませ。

3.科目が細分化している理社は要チェック

理科でいえば物理・化学・生物・地学と細かく分野が分かれていますし、社会も地理・歴史(日本史・世界史)・公民に分かれていますね。

自分の専門のものを教えるのがやはりやりやすいと思うのですが、学校によってどこまで細かく分けているのか、というのが見えてくる場合があります。

理科であれば、中学生のうちは昔ながらの「第1分野(物理・化学)」と「第2分野(生物・地学)」という分け方をしている学校もあります。

学校によっては理科A(物理・地学)と理科B(生物・化学)としている学校さんもあったりしますし、中学のときから中1は化学と地学を1年間でやりきる、中2は物理と生物をやりきる、というような設定をしている学校もあります(中3からは高校課程の先取り)。

社会も同様に、昔からあるような中1で地理(or歴史)のみ、中2で歴史(or地理)のみというパターンもあるでしょうし、世界地理と歴史前半というような組み合わせパターンもあるでしょう。

(あんまり公民を組み合わせる学校はないような気がしますが、それは免許の特性なのかもしれませんね‥)

もちろん何がいいのか悪いのかはわかりませんし、担当する教員の能力や資質、受け取る側の子どもの資質にもよるところはあります。

これ以上に大きな影響を受けるのがやはり高校課程でしょうか。

より専門的になった内容をどこまで的確に教えることができるのか。

そもそも準備されている単位数はどれだけなのか。

受験に使わないモチベーションの低い生徒たちが相手なのか。

クラスの半数が途中離脱する(受験で使うのを諦める)レベル帯なのか。

超上位校をガッツリ指導しなければいけないレベルなのか。

考えることは意外に多いと思います。

おわりに

少しずつ、私が何を考えながら学校を分析しているのか見えてきましたでしょうか。

私自身は(あくまで私の経験を踏まえて)働きやすそうだな、とか働きにくそうだなと感じることはありますが、個々のスキルによって変わってくると感じたので、ある時期を境に私の感想を発信するのはやめました。

ある人にとってはホワイトと思えるような学校でも、他の人から見たらそこまででもない、ということは往々にしてあると思っています。

今後も情報発信は続けていきますのでどうぞ宜しくお願いいたします。


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