出るとこ出ますよ(5) 第2回期日 一般市民の民事裁判初体験記【26】自転車は空を飛ばない
ここまでのお話
ボールを投げて、投げ返されて。双方1回ずつやって、第2回戦となりました。当方は、物証の検証も加えて、主張の論理を厚くして臨みました。相手方の出方はいかに!?
前回のつづき・・・
2018(平成30)年4月23日 第2回期日。
その日その時、私は新幹線で西に向かっていた。
スマホに着信があった。S弁護士からであった。
「あれっ、もう終わったのかな」私はそう思った。ところが、電話に出たS弁護士の口調の慌て方が事態の尋常でなさをすぐにうかがわせた。
「あっ。Sです。あのですね。相手方は、現金104,220円を持って来ていて、これで終わりにしたいとおっしゃっていまして」
「はぁ?」
一瞬、何言っているのか分からなかった。しばし頭は真っ白になった。
「そんな問題じゃないですよ」正気に戻った私はこう叫んでいた。
「そうですよね。分かりました」S弁護士はすぐに私の気持ちを分かってくれた。一応、確認のために電話してくれたのである。
あとで聞いた話であるが、S弁護士はすぐに裁判官とK弁護士の居る部屋に戻り、原告の私の意向を話してくれたそうだ。
裁判官からは次回期日を2018(平成30)年5月28日と決めた上で、ここまでに和解を検討するように要請があった。
K弁護士は、この日に3つ目の証拠書類を提出していた。あとで、見せてもらったが、それは、2017年11月9日。K弁護士が来訪したその日、妻がK弁護士に打ったメールのプリントであった。
立証趣旨等にはこのように書かれていた。
・原告が被告に種々迷惑をかけて来たこと、原告車の修理代は放棄していたこと等
もう何回目かのあきれ果てである。
本当に人の心を持ち合わせていない弁護士である。こんなことを主張してしまったら、もう両家の関係修復は未来永劫、不可能になってしまうのに。
私とすれば、この場に及んで、また、このメールの件を持ち出された妻が可哀そうであった。善意を悪意の巨大ブーメランで返してくれる連中である。
何回目かのむかっ腹が立ったのではあったのだが、なんのことはない。向こうはもう手詰まりだったのだ。そして、繰り出した強制終了の荒業。
こちらはこれで終われるわけがない。
本件は、5月28日までの和解交渉へとステージが変わった。
明日へつづく
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