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出るとこ出ますよ(7) 和解交渉決裂後の第3回期日 一般市民の民事 裁判初体験記【28】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話

事態は裁判官の要請により行われた原告・被告弁護士同士による和解交渉は決裂となりました。そこで迎えた第3回期日の日がやって来ました。

前回のつづき・・・

2018(平成30)年5月28日 第3回期日

この日は原告・被告双方弁護士出頭。原告よりは、協議の結果、和解による結論は難しいとの結論に至ったことを陳述。被告からは判決を求めるとの考えが陳述された。

裁判官はこれにて結審とするかと思いきや、原告・被告双方当事者尋問を行うとなった。
 なんと私は、隣人と法廷で対峙することとなったのである。その様子を傍聴人として、妻と娘が見ているという構図である。

 事態はこじれにこじれて、ついにこういう事態に至った。
 裁判官からは陳述書の提出が可能であれば、次回期日の1週間前に提出されたいとの話があった。次回期日は、7月23日となった。いよいよ最終決戦である。

 実はここからが原告はたいへんなのであった。
S弁護士は陳述書を作成してくれた。これは、裁判所での尋問の受け答えだけでは話し切れないことが出る場合もあるということで、こちらの事情を文章でまとめたものである。
裁判官はこの陳述書の内容と、法廷での原告の発言を聞きながら、真偽を判断するのである。

そして、原告は当事者尋問の受け答えの準備をしておかないとい
けない。丁寧に記述している陳述書であるほど、書いている内容と発言の内容の整合性がとれていないとその真偽が疑われることになってしまう。

 S弁護士は想定問答集をつくってくれた。事務所にうかがって、実際に予行演習もやった。そのあとは、ひたすら練習であった。聞いてびっくりしたのであるが、原告はメモを見てはいけないのである。訊かれたら、何も見ないで答えないといけない。訊かれることと答える内容を頭に叩き込んでおかないといけないのである。ホント、一人二役(弁護士役と原告役)で、死ぬほど練習をした。
 
 時に、2018(平成30)年7月23日 
2017年10月4日事故発生の日から、やがて事故になり、法的紛争になり、裁判になり、そしてこの日を迎えることとなったのである。

ここまでで実に、ほぼ10か月経っている。隣家とこういう関係の中
で、顔を合わせながら過ごすというのは、なかなかつらいものがあった。

いよいよケリをつける時がやって来た。

明日へつづく


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