ラオス・タイ イサーンを歩く旅 3
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世界一なにもない首都 ヴィエンチャン
ルアンパバーンからバンビエンに寄り道して、ヴィエンチャンに戻ってきた。
1泊10ドルくらいの部屋はエアコンが無くてとにかく寝苦しかった。
久しぶりの都会を味わいに、
真新しいショッピングモールに行ってみることに。
町の中心の市場、タラートサオの横に真新しいショッピングモールが並んでいた。
最先端モールはこじんまりとしたサイズ感。
路面にはおそらくラオスでここだけであろう外資のチェーン店、ロッテリアやミスタードーナツ、タイのカフェアマゾンが並ぶ。
建物の中は案外古ぼけていて、最先端というよりもあくまでローカル。
タイのモールみたいに、日本食チェーンと海外ブランドショップの嵐、みたいなことは全くなかった。
トイレに入ると、いきなり電気がばしっと消えた。
「ん?人感センサー?」
と一瞬思ったけど、ここはラオス。さすがにそれはないか。
トイレの電気だけがなにかで消えたのかと思ったけど、外に出るとフロアは真っ暗。
止まったエスカレーターをみんな歩いて上り下りしている。
飲食店も機能しないので店員はみんなぼーっとしていた。
ラオスに限らず東南アジアの国では停電はよく起こることなんだけど、
こんな大きなショッピングモールごと停電するのは初めての経験で、さすが秘境国ラオスと思わせてくる出来事だった。
1時間くらいしてやっと電気が復活したけど、夕方、町に戻ると宿が真っ暗。
こんどはこっちが停電か。
ヴィエンチャンでフレンチのコース
フランス植民地だった歴史があるラオスでは、とても安い値段でレベルの高いフレンチが食べられるってことで、せっかくなので体験してみることに。
こんなことでもないとフレンチを食べる機会もおれにはなかなかないだろう。
ネットで評判のよかったレストランは、
町のメインストリートから細い路地に入った奥まった所にポツンとあった。
フランス人の夫婦がやっていて比較的カジュアルな雰囲気のレストラン。
ポークステーキのコースを注文した。
いつものクセでビールを頼んでしまったけど、こういう所ではワインだったよなあ。
メインのポークステーキ。
ベリーのソースは赤ワインが効いていて、こういう雰囲気で食べると美味しい。
東南アジアのスコールを眺めてながら食べる本場のフレンチもなかなかオツだった。
一品つくり終えるたびにシェフが煙草を吸いに表に出てくるついでに「味はいかが?」と聞いてくる。
わからないけど本場のローカルって雰囲気で気取った感じがなく心地いい。
スコールがひどくなり、シェフが店内の席においで、と移動させてくれた。
料理を食べ終わっても一向に雨が止まないからデザートを注文する。
デザートは1種類だけだというので、内容も聞かずに注文。
シェフ自ら運んできたストロベリーのジュビレは、
「赤ワインでフランベするのが味の決め手で、ぼくのおばあちゃん直伝の料理なんだ。」
と自信あり気に説明してくれた。
苦味と酸味のバランスがめちゃくちゃ美味しかった。
ビールを飲んでデザートまで食べて全部で2000円もしなかったと思う。
レベルの高い料理をラオスの物価で楽しめたことに満足。
ヴィエンチャンの夜はナイトマーケット
前にも軽く触れたけど、ヴィエンチャンの町では毎晩大きなナイトマーケットが現れる。
夕方くらいになるとメコン川沿いの細長い公園にたくさんの屋台が出て、昼間は長閑だった通りにたくさんの人が集まる。
やっぱりアジアの夜といえばこの雰囲気。
これがあるだけで楽しい。
串焼きにフルーツ、シーフードや鍋料理。
服から雑貨、スマートフォン関係のグッズ、電化製品。
お土産や子供のおもちゃ。
ここに来ればだいたいの物は手に入る。
道端で串を買い、食べながらTシャツなんかを物色する。
のどが渇いたら適当なレストランに入り、氷キンキンのビールを飲む。
こんなにやりたい放題できていいんだろうか。
ららぽーとの最強バージョンじゃないか。
世界一なにもない首都といわれているヴィエンチャン。
メコン川が流れていて、タイから吹いてくる風を浴びながらビールを飲める。
これ以上なにが必要だろうか。
少なくももおれには下手に開発された観光地よりはよっぽど居心地がよかった。
ヴィエンチャンでATK検査
まったくといっていいほどコロナ禍の情報がないヴィエンチャン。
やっぱり町中に旅行者が簡単にATK検査のできる場所はなさそうで、
Googleマップで病院を1件ずつ探し、ホームページや口コミを見てやっとATK検査をやってる病院を探し出した。
考えてみるとワクチン証明があればATK検査はいらないから、
こんな時期にラオスなんかに来る外国人も少ない上に、ワクチン未接種なんて人はほぼいないだろうし、ATK検査の需要なんてないんだろう。
ヴィエンチャン郊外。
なにもないただっ広い原っぱに囲まれたその病院はめちゃくちゃ綺麗で大きな病院だった。
インターナショナルホスピタルだから英語も通じた。
パスポートを見せて紙にいろいろ書かされて、お金を払う。
ネットでは245000キープって書いてあるけど、なぜか提示されたのは210000(1800円くらい)だった。
屋外に出てゴルフ場にあるような大きなトラムに乗せられ移動。
1分もかからない場所で降ろされる。
目の前のむんむんした多目的トイレみたいな雰囲気の診察室で鼻の奥をぐりぐりされた。
それからなにも指示がなく、誰もいない場所に一人取り残されたので歩いて受付に帰る。
受付のお姉さんに「どんな感じ?」って声をかけると、
「30分くらいして結果が出たら携帯に電話するから、それまでそこにあるフードコートでご飯でも食べて待ってたら?」
とのこと。緩くていいな。
カフェに入ってブラックコーヒーを頼む。
店員さんにドン引きされ(東南アジアだとだいたい砂糖ミルク無しでコーヒー飲む文化がない)
いざ飲んでみるとやっぱりシロップたっぷりのコーヒーを飲みながら待った。
40分くらいすると電話があり、診察室の横の待合室に行けとのこと。
待合室に行くも誰もいない。またしばらく待たされた。
結果は陰性。
やっと証明書を受け取るが、パスポートナンバーが入ってなかったので念のため、「タイに入国するからパスポートナンバーが入ってる方がいいかも。」と伝えると、さらにそこからまた20分くらい待って新しい証明書をゲット。
バック・トゥ・タイランド
そろそろラオス出てタイに戻ることに。
10日くらい前にパスしたタイ、ノンカーイの町を目指す。
といってもヴィエンチャンの町から国境を挟んだ隣町ノンカーイまで10kmちょっとしか離れてない。
市街地のバスターミナルからなら、きっと国境行きの乗り合いバスが出てるだろうとひとまず行ってみる。
バスターミナルの前のトゥクトゥクのおっさんたちの、
「バスはまだまだ出ないからトゥクトゥクで行った方が早いぞ。」というしつこい勧誘はひとまずスルーして、人に訪ねながら国境行きのバス停を見つける。
国境行きの乗り合いバスはもう来ていて、5分もしたら発車するという。
ヴィエンチャンのバスターミナルから国境までは12000キープ(100円)。30分で着いた。
相変わらず雑にスタンプを押され、あっけない出国。ここまでとてもスムーズ。
ここで残ったラオスキープをタイバーツに両替すると大量の20バーツ札になって返ってきた。
まあ小額紙幣の方が使いやすいからいいか。
日本から来た路線バスに乗ってメコン川を渡る。
タイ側のイミグレではイミグレーションカードの他に、コロナ関連の書類みたいなものをその場で書いて提出した。
簡単な建物で入国手続きをして外に出ると、すぐにただの田舎町。
ヴィエンチャンの町を出てから1時間でタイ入国。
やっぱり何回経験しても、陸路で簡単に国を超える感覚は日本で生まれ育ったおれには新鮮だ。
ラオスを旅して感じたこと
10日間のラオスの旅が終わった。
何もない国ラオス。
何もないことはなんとなくネガティヴな感じがしがちだけど、何もない場所を楽しむということを教えてくれた。
そして、世界中のバックパッカーたちがここを "東南アジア最後の桃源郷" と呼び、目指すワケもよくわかった。
町には悠久のメコン川があって、その周りには日本よりも身近さを感じさせてくれるお寺がある。
夜はちょっとしたナイトマーケットが出る。
これを "何もないと町" と言うのはふさわしくないし、下手な観光地よりも純度が高い感じがした。
たとえば隣国の主要都市や観光地に行くと人種や文化が入り乱れていて、自分が今どこの国にいるんだかわからなくなりそうな雰囲気だったりするけど、
ラオスは観光地も首都も"エスプレッソなラオス"を感じられた。
どこかのラオ人の言葉、
"この町のメインストリートはメコンだ"
という言葉の通り、大昔から川があったことでその周りを中心に繁栄してきた国であり、
このメコンが彼らにとってどれだけ身近で大切な存在なのかは計り知れないくらい。
そんなラオの人たちの生活や価値観を覗き見ることができたことが今回のラオスの旅最大の収穫だったと思ってる。
ここからいよいよ、タイのディープなローカルエリア、イサーンの旅が始まる。
当然、どんなルートを何日かけて周ろうか、そんなプランは一切ないし、
イサーンには一体なにがあるのか、なにもわからない。
わくわくする気持ちとともにハードな旅になる予感がして少し億劫。
まあ嫌になれば、ビーチリゾートに飛んでったっていいわけだし、全てがおれ次第。
こういう時プランがないって最高だし、一人って最高。
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