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【百秘本002】あなたにもきっと包帯を巻きたい場所があるはず

百秘本ご購入のルール

一、タイトル秘密です。
二、返品はできません。
三、他の人には教えないでください。

この本を百秘本にした理由

とてもとても優しい小説です。小説が優しいとは、一見、変な表現に見えますが読者にとても優しい。場所は物にはいい思い出も悪い思い出も込められています。そこやそれで人は部分的にも人生を経験するからです。その中でもできれば思い出したくない、記憶から消したくなるような痛い記憶もあるでしょう。そんな記憶に対して、この小説はとても優しい解決方法を提示します。これは物語ですが、実際にやってみてもいいのではないでしょうか?

百秘本を楽しむ方法

  1. 百秘本に書かれているコメントを読み、直感を信じてご購入ください。

  2. 百秘本をお楽しみください。

  3. 読んだ感想はタイトルを伏せて、百選本専用の#(ハッシュタグ)をつけてInstagramやXで投稿してください。

  4. ”つながるハッシュタグ”をSNSで検索し、その投稿に対してコメントを送ってみましょう。また、同じように送られたコメントに対して、返信してみましょう。

  5. 百選本のカバーに記されている”次に読む本”を参考に次の百秘本/百選本を選んでみましょう。

百秘本の”つながるハッシュタグ”

下のハッシュタグをつけて、InstagramやXで感想を発信して下さい。また他の読者の感想をさがしてコメントして下さい。ただし、まだ百秘本を読んでいないお客様のために、本のタイトルがわかる発信はお控えください。

#百秘本002 ※数字は半角で

また、以下のハッシュタグも合わせて使うことにより、他の百秘本を読んだお客様とつながることもできるかもしれません。

#百秘本
#天狼院書店

ご交流はお互いにマナーを守り、ポジティブな内容でお楽しみください。
天狼院書店へのコメントもお待ちしております。

これからの百秘本

百秘本では、これから様々なプロジェクトをご用意しております。MOVIEやライブイベントなども水面下で準備を進めております。すべての百秘本を攻略するとーー
このさきは、まだ”秘密”です。
天狼院書店のInstagramやX、または#百秘本で検索するか、店頭でご確認ください。この一冊の百秘本はまだまだ入口に過ぎません。

天狼院書店のSNS

天狼院書店公式Instagram

天狼院書店公式X

■ 百秘本物語002スクリーンプレイ

うず高く積上げられた本が林立する空間。
リーディング・チェアに座り、真剣に本を読む際立って美しい若い女性002がいる。
彼女は黒いカバーが掛けられた文庫本を、一文字一文字噛みしめるように読む。
そのカバーには「002」の文字が白いペンで書かれている。
まもなく読み終える。
読み終えると同時に、文庫本を閉じ、天を仰ぐようにして涙をこらえている。口元が小刻みに震えている。今にも泣きそうである。
しばらくして、見えないスピーカーからマイクが入れられる音がする。その女性002は非常にゆっくりとした所作で、音のした方に目を向ける。
優しげな男性の声がその狭い空間に響く。ゆっくりと感傷を邪魔しないように、
男 『お時間になりましたが、読了、されましたでしょうか』
002は、目を閉じて、本の内容を反芻して噛みしめるように、幾度となく頷く。涙をなんとかこらえようとしている。
002「全部、読みました。でも、なんでわかったんですか?」
一瞬の間をおいて、
男『と、言いますと?』
002「私とあの子の関係を知っていて、この本を読ませたんですよね? この本を選んだんですよね?」
男は、沈黙する。
002「だって、あの子、一人で泣いていた私のそばに寄り添って、心の傷は見えないけど、とても痛いだろうからって、私の額にキティちゃんのバンソウコウを貼ってくれたんです。そうすれば、治るからって」
ついに涙が堪えられなくなり、突っ伏すようにして泣く。
男『恐らくですが』
声に002は反応し、少し顔を起こす。
男『その人も、この本を読んでいたのではないでしょうか』
うんうん、と002は頷いて、また泣く。
男『質問、いいでしょうか?』
002は、涙を拭き、すっと背筋を伸ばして頷く。
男『この本は面白かったでしょうか?』
002「とても面白かったです。痛いほどに、面白かったです。そして、あの子が私にどんな思いでバンソウコウを貼ってくれたのか、知ることができて、本当に嬉しかったです。読む機会を創っていただき、本当にありがとうございます」
と、天井のカメラに向かって頭を下げる。
男『それは何よりでした。そして、読書を通じてご友人との絆を確かめられるということを示されました。あなたは極めて聡明なようです。もしかして、最も課題のクリアに近い人かもしれません』
002「確認したいんですが」
そう言って、上げた顔は、覚悟が決まったように静かだった。泣く衝動も消えていた。
002「課題をクリアできれば、帰してもらえるんですよね?」
男『そのとおりです。お約束したとおり、課題をクリアできれば、間違いなく、安全にお帰しします』
002「それは、私ではなく、あの子でもいいですか?」
男、沈黙する。
002「あの子、ここに来てるんですよね? 私、知っているんです。ここに来てるって。同じ様に本を読ませられているんですよね? まだ、本を読んでいるんですよね?」
男、沈黙を続ける。
002「答えてください。私、あの子を助けるためにここに来たんです。あの子を助けるためなら、私はどうなってもいいんです」
男『なるほど、承知しました。ルールにあるのは、”課題をクリアすれば、間違いなく、無事にお帰しします”という文面だけです。無事にお帰しする対象がご自身であるとは書かれていません』
002、身を乗り出すようにして、
002「では、あの子を帰してくれるんですね?」
男『はい。ただし、課題をクリアできれば、そして、何より、彼女自身が帰りたいと思っていればの話ですが』
002「ということは、あの子は生きているんですね?」
被せるように言う。
男『それを答えることは私のプロトコルに抵触します』
002「わかりました」
と満足そうに頷いて言う。
002「続けましょう。必ず課題をクリアしてみせます」
男『確認しますが、あなた自身はどうなってもいいんですね?』
002「はい、構いません」
男『わかりました。それでは次に進みましょう。次は017などどうでしょうか? あなたにぴったりの作品だと思います』
002「わかりました、読みます」
と、017と書かれた本に手を伸ばす。
002「でも、どうして、私がここに来ることができたのか、聞かないんですか? 聞くことが、なんでしたっけ、プロトコルに抵触するから、ですか?」
男『その質問の答えは簡単です』
と含みがあるように言う。
男『あなたが彼女を追って、ここに来ようとすることを、あらかじめ知っていたからです』
002「え? 知っていた? だって、私・・・・・・」
男『それでは017をお楽しみください。では、また』
とマイクが切れる男が響く。
002「え、待って!」

百秘本物語

※MOVIE版『百秘本物語』は天狼院書店公式Instagramで配信中です。

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