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【百秘本032】映画にもなったけどやっぱりこの原作が一番いい

百秘本ご購入のルール

一、タイトル秘密です。
二、返品はできません。
三、他の人には教えないでください。

この本を百秘本にした理由

映画の方が映像・音楽・セリフと情報量はあるはずなのに、文章でつづられたこの本が一番心に染みます。おそらく、何気ないエッセイ風に書いているために、その日常に我々読者が溶け込んで行き、その世界が好きになり、そこで起きる哀しみが自分のことのように切実になってしまうからでしょう。もはや、オカンは自分のオカンになってしまっている。もうどうしようもなく、何層にも渡って泣けるので、泣きたいときに読むといいかもしれません。

百秘本を楽しむ方法

  1. 百秘本に書かれているコメントを読み、直感を信じてご購入ください。

  2. 百秘本をお楽しみください。

  3. 読んだ感想はタイトルを伏せて、百選本専用の#(ハッシュタグ)をつけてInstagramやXで投稿してください。

  4. ”つながるハッシュタグ”をSNSで検索し、その投稿に対してコメントを送ってみましょう。また、同じように送られたコメントに対して、返信してみましょう。

  5. 百選本のカバーに記されている”次に読む本”を参考に次の百秘本/百選本を選んでみましょう。

百秘本の”つながるハッシュタグ”

下のハッシュタグをつけて、InstagramやXで感想を発信して下さい。また他の読者の感想をさがしてコメントして下さい。ただし、まだ百秘本を読んでいないお客様のために、本のタイトルがわかる発信はお控えください。

#百秘本032 ※数字は半角で

また、以下のハッシュタグも合わせて使うことにより、他の百秘本を読んだお客様とつながることもできるかもしれません。

#百秘本
#天狼院書店

ご交流はお互いにマナーを守り、ポジティブな内容でお楽しみください。
天狼院書店へのコメントもお待ちしております。

これからの百秘本

百秘本では、これから様々なプロジェクトをご用意しております。MOVIEやライブイベントなども水面下で準備を進めております。すべての百秘本を攻略するとーー
このさきは、まだ”秘密”です。
天狼院書店のInstagramやX、または#百秘本で検索するか、店頭でご確認ください。この一冊の百秘本はまだまだ入口に過ぎません。

天狼院書店のSNS

天狼院書店公式Instagram

天狼院書店公式X

■ 百秘本物語032スクリーンプレイ

うず高く積上げられた本が林立する空間。
リーディング・チェアに座り、真剣に本を読む若い女性032がいる。
彼女は黒いカバーが掛けられた文庫本を、ぶつぶついいながらで読み進めている。
そのカバーには「032」の文字が白いペンで書かれている。
032「トイレまで174歩。結構、広いよね、この建物・・・・・・」
見えないスピーカーからマイクが入れられる音がする。その女性032はその方を見る。
優しげな男性の声がその狭い空間に響く。
男『お時間になりましたが、読了、されましたでしょうか』
032「うん、読んだよ」
男『何やら、独り言を言いながらのようでしたが、本当に読みましたか?』
032 「読んだってうっさいなー! 疑うなら、質問してみればいいじゃない」
間を空けて
男『この本は面白かったですか? また、どの登場人物に共感しましたか?』
032「それ、私に聞く」
と、鼻で笑う。
032「ま、いいや。白けたよ、この本も。感動させる本にしてっていったじゃん。オカン、オカン、ってほんとマザコンじゃない? 共感できたとしたら、むしろ、時々のほうのオトンだね」
男『と、いいますと?』
032「だって、家族をやるってゲームから降りているじゃない。そこは共感できる」
男『なるほど、興味深い読み取り方です。この本は空前のベストセラーになり、本屋大賞も受賞し、映画化も複数回されています。多くの人の感動を呼んだ本を、そう評するとは興味深いです』
032「だから、私、小説や映画とかに感動しないんだって。必ず白けるんだから。それより、さっきトイレに言ったとき、連れて行ってくれた女子に、あなたもキティちゃんの絆創膏ですかって聞かれたんだけど、どういうこと?」
男、無言のまま。
032「あれ、私、なにかまずいこと告げ口しちゃったかな」
と、カメラに挑むような視線を向けてあざ笑う。
032「あなたもって、ことはあの子もってこと? まさか、あの女と関係あるの?」
男『あの女と申しますと?』
032「キティちゃんの絆創膏を額に貼って、人を見下し、かわいそがっている女でしょ? 私の弱みにつけ込めると思ったんだろうね、私にもキティちゃんの絆創膏、貼ってきたんだけど、もう、笑いを押し殺すことができなくて、膝に伏せるようにこうして、肩を震わせて笑っていたらさ、号泣したと勘違いして」
と、椅子の上で再現して、笑う。
男『どうやら、あなたを感動、いや、白けさせない物語を探すのは困難を極めるようですね。なるほど、境遇や環境によって、物語の世界に入り込めない人がいるということですか。非常に興味深いです』
032「だから、感動させたら、本当になんでもいうこと聞くよ。でも、できなかったら、ここのこと、TikTokでバラしていい? こんな犯罪体験、絶対にバズると思うんだよね」
男『あなたは最も課題のクリアが難しいとお伝えしたつもりですが、それでも課題をクリアできると思っているんですか?』
032「課題をクリアできなくても、どうせ、死にやしないでしょ? さっきの子だって、おそらく、拉致られたのに殺されていないってことでしょ? まあ、殺すのは経済的ではないよね。私は本当にどっちもいいけど」
男『分かりました。必ず、これから2冊であなたを感動させましょう。ただし、先程も確認しましたが、喜怒哀楽、どの感動かは保証できませんが、それでもいいですか』
032「いいよ、かかってこいって感じ」
男『では、次は040で行きましょうか。あなたの感動の呼び水になればと思います』
032「だったら、いいけど」
と鼻で笑う。
032「あ、そういえば、さっきの弁当、めちゃくちゃ美味しかった。あのすき焼き弁当、今半? 前に食べたことがあるんだよね、新幹線で、たしか」
男『はい、間違いありません。それでは、040をお楽しみください』

『百秘本物語』

※MOVIE『百秘本物語』は天狼院書店の公式Instagramで配信中です。

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