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【百秘本097】ノーベル文学賞レベルの“切なさ”が炸裂する超名作


百秘本ご購入のルール

一、タイトル秘密です。
二、返品はできません。
三、他の人には教えないでください。

この本を百秘本にした理由

おそらく、若い頃にこの本に出会えば、老年までその衝撃を引きずることでしょう。老年時代に読んだとしても、死ぬまで引きずることでしょう。この本を読んだ時点から一生、考えさせられます。正義とは、いったい、何のか? 運命とは、いったい、何のか? この葛藤が凄まじく、切なく、悲しく、この心に巻き起こる諸々のことが、まさにドラマなのだろうと思いました。後にノーベル文学賞を受賞するのも納得の世界的名作です。

百秘本を楽しむ方法

  1. 百秘本に書かれているコメントを読み、直感を信じてご購入ください。

  2. 百秘本をお楽しみください。

  3. 読んだ感想はタイトルを伏せて、百選本専用の#(ハッシュタグ)をつけてInstagramやXで投稿してください。

  4. ”つながるハッシュタグ”をSNSで検索し、その投稿に対してコメントを送ってみましょう。また、同じように送られたコメントに対して、返信してみましょう。

  5. 百選本のカバーに記されている”次に読む本”を参考に次の百秘本/百選本を選んでみましょう。

百秘本の”つながるハッシュタグ”

下のハッシュタグをつけて、InstagramやXで感想を発信して下さい。また他の読者の感想をさがしてコメントして下さい。ただし、まだ百秘本を読んでいないお客様のために、本のタイトルがわかる発信はお控えください。

#百秘本097 ※数字は半角で

また、以下のハッシュタグも合わせて使うことにより、他の百秘本を読んだお客様とつながることもできるかもしれません。

#百秘本
#天狼院書店

ご交流はお互いにマナーを守り、ポジティブな内容でお楽しみください。
天狼院書店へのコメントもお待ちしております。

これからの百秘本

百秘本では、これから様々なプロジェクトをご用意しております。MOVIEやライブイベントなども水面下で準備を進めております。すべての百秘本を攻略するとーー
このさきは、まだ”秘密”です。
天狼院書店のInstagramやX、または#百秘本で検索するか、店頭でご確認ください。この一冊の百秘本はまだまだ入口に過ぎません。

天狼院書店のSNS

天狼院書店公式Instagram

天狼院書店公式X

■ 百秘本物語097スクリーンプレイ

うず高く積上げられた本が林立する空間。
リーディング・チェアに座り、真剣に本を読む際立って美しい若い女性097がいる。
彼女は黒いカバーが掛けられた文庫本を、一文字一文字噛みしめるように読む。
そのカバーには「097」の文字が白いペンで書かれている。
まもなく読み終える。
読み終えると同時に、小さくため息を吐く。
それと同時、見えないスピーカーからマイクが入れられる音がする。
上げられた面持ちはまるで悟りを開いたように、落ち着き払ってすっきりとしている。
優しげな男性の声がその狭い空間に響く。
男『お時間になりましたが、読了、されましたでしょうか』
097は、顔を上げないままに、大きく2度頷く。
男『本当に読んだか、今から確認をします。いいですか?』
097は、すっきりとした表情のまま力強く頷く。
097「はい、大丈夫です」
その表情には、微笑みさえも漂っているように見える。
男『あなたはこの小説の登場人物の誰に共感しましたか? また、それはなぜですか?』
097「私はこの小説に登場する提供者の方々にとてもとても強く共感しました。そして、私もそうした提供者の定めとして生まれてきたのではないかと気付かされました。私自身は価値の人間だと思っています。けれども、私が誰かのためになれるのなら、十分に私は価値があるのではないかと思いました」
男『なるほど、誰かのためになれるのなら、十分に価値がある、ですか。素晴らしく美しい諦観で、もはや、あなたのその決断はアートとも呼べるかもしれません』
097「ありがとうございます。さきほど、話を聞いて一度はあの子のことを恨みました。けれども、やはり、あのバンソウコウがなければ、あの時点で悔しい想いの中で死んでいたと思うんです。だから、私はあの子の奴隷でもいいです。この物語の登場人物たちのように、きっと、人には提供する側と、提供される側があるんだろうと思います。ただ単に、私は提供する側として生まれただけで、動物界を見渡せば、それは当たり前のことで、ごく自然のことだと、この本を読んで納得しました」
男『では、確認しますが、課題をクリアした場合、自分ではなく、彼女を帰してほしいという希望は変わらないということですね?』
097「はい、変わりません。課題をクリアするまで、いくらでもここで読みます」
男『すみません。先ほどは聞いていなかったようなので、改めて説明しますが、この097があなたのターンの最後になります』
097「最後、ですか?」
男『はい、百秘本の97番目なので』
097「百秘本? 百冊、このような本があるということですか?」
男『はい、そのとおりです。あなたは、002、017、029と読み進めて、このターンの最後、097を読み終えました。あなたにおすすめすべき本はもうありません』
097「それって、あの子と私以外にも、閉じ込められている人がいるということですか?」
男『プロトコルに抵触するので、その質問には答えることができません』
097「答えなくてもいいです。私が読んだのが、4作品で100作品があるとすれば」
と、少し考えてまたカメラに目を向けて言う。
097「他に24人閉じ込められているってことですか?」
男『おっと、これはこれは驚きました。さすがに頭脳が明晰なようです。これ以上の会話はプロトコルに抵触する可能性が高くなります』
097「あの、念のため確認なんですが、私が言っている”あの子”とあなたが言っている”彼女”は同一人物で間違いないでしょうか? 彼女の名前はーー」
男、被せるように強い語調で、
男『名前は、知らされていません』
097「まさか、違う人のことを言っていませんか? 私がせっかくクリアしたのに、別の誰かを救ったとしたら、全然意味がないじゃないですか?」
男『今、意味がない、とおっしゃいましたか?』
097「だって、そうですよね。私はあの子を救うために、ここに来て、あの子を救うために課題をクリアしたんです。それなのに、見ず知らずの赤の他人を救って自分が犠牲になれば、まったく意味がないじゃないですか!」
男『それは先ほどの話と矛盾します。あなたはこの小説の登場人物に共感し、”私が誰かのためになれるのなら、十分に私は価値があるのではないかと思いました”と確かにおっしゃいました』
097「でもそれはーー」
男は被せるように、強い語調で、
男『それなのに、あなたは見ず知らずの赤の他人を救って自分が犠牲になることは、意味がないと。そう仰ったんです。この本の主人公たちは、見ず知らずの赤の他人を救って自分が犠牲になる運命だったのに、あなたはそれを意味がないと断じたのです』
097「でも、それは、それは誰だってそうじゃないですか! そう思うじゃないですか!」
男『誠に申し上げにくいことですが、あなたは課題をクリアできませんでした。本当に残念です』
097「まって、これまで必死で読んだのに、これはムダだったってこと?」
男『あなたは終始、実に素晴らしい感性を示しました。私もあなたならクリアできるのではないかと期待しました。ですが、こういう結果となって、心から残念です』
097「だったら、助けてよ!」
急に暗転する。
097の叫び声が響く。
しばらくして、再びマイクがオンになる音がする。
明かりが点くが、彼女はもうそこにはいない。
男『現場002-097ラインより、通達。ウォールーム、応答を願う。・・・・・・2:20現在、プロトコル完了、確認乞う。・・・・・・待機場所にて、次のプロトコルを待つ、以上、通信終了』
暗転して、CRAZY BOOK CLUBのロゴマークが浮かび上がる。

※MOVIE版『百秘本物語』は天狼院書店公式Instagramで配信中です。

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