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【百秘本017】多くの人にとって救いになる不朽の名作です

百秘本ご購入のルール

一、タイトル秘密です。
二、返品はできません。
三、他の人には教えないでください。

この本を百秘本にした理由

この本は本来、天狼院秘本として売り出したかったレベルの作品でした。なぜ秘本にしなかったかと言えば、あまりにいい作品で、もうすでに多くの書店員さんがかなり大々的に売っていたからです。なぜみんな推したくなるかと言えば、本当に全人類、特に子供たちも読むべき本だと思うからです。決して古びることなく、いつ生まれた人でもいつ生まれる人でも、自分のこととしてこの世界に浸ってほしい、あるいは一度逃げ込んでほしいと思います。

百秘本を楽しむ方法

  1. 百秘本に書かれているコメントを読み、直感を信じてご購入ください。

  2. 百秘本をお楽しみください。

  3. 読んだ感想はタイトルを伏せて、百選本専用の#(ハッシュタグ)をつけてInstagramやXで投稿してください。

  4. ”つながるハッシュタグ”をSNSで検索し、その投稿に対してコメントを送ってみましょう。また、同じように送られたコメントに対して、返信してみましょう。

  5. 百選本のカバーに記されている”次に読む本”を参考に次の百秘本/百選本を選んでみましょう。

百秘本の”つながるハッシュタグ”

下のハッシュタグをつけて、InstagramやXで感想を発信して下さい。また他の読者の感想をさがしてコメントして下さい。ただし、まだ百秘本を読んでいないお客様のために、本のタイトルがわかる発信はお控えください。

#百秘本017 ※数字は半角で

また、以下のハッシュタグも合わせて使うことにより、他の百秘本を読んだお客様とつながることもできるかもしれません。

#百秘本
#天狼院書店

ご交流はお互いにマナーを守り、ポジティブな内容でお楽しみください。
天狼院書店へのコメントもお待ちしております。

これからの百秘本

百秘本では、これから様々なプロジェクトをご用意しております。MOVIEやライブイベントなども水面下で準備を進めております。すべての百秘本を攻略するとーー
このさきは、まだ”秘密”です。
天狼院書店のInstagramやX、または#百秘本で検索するか、店頭でご確認ください。この一冊の百秘本はまだまだ入口に過ぎません。

天狼院書店のSNS

天狼院書店公式Instagram

天狼院書店公式X

■ 百秘本物語017スクリーンプレイ

うず高く積上げられた本が林立する空間。
リーディング・チェアに座り、真剣に本を読む際立って美しい若い女性017がいる。
彼女は黒いカバーが掛けられた文庫本を、一文字一文字噛みしめるように読む。
そのカバーには「017」の文字が白いペンで書かれている。
まもなく読み終える。
読み終えると同時に、ため息を吐く。
それと同時、見えないスピーカーからマイクが入れられる音がする。その女性017は待ってましたとばかりに、音のした方に目を向ける。
優しげな男性の声がその狭い空間に響く。
男『お時間になりましたが、読了、されましたでしょうか』
017「さっきの話ですが、どうして私がここに来ることがわかったんですか?」
男、被せるように、強調して言う。
男『読了、されましたでしょうか?』
017、諦めたようにため息を吐きながら、
017「読了、しました。読み終わりました。まさか、上下巻あるなんて、思わなかったですけど」
男『本当に読んだか、今から確認をします。いいですか?』
017、頷く。
017「はい、大丈夫です」
男『あなたはこの小説の登場人物の誰に共感しましたか? また、それはなぜですか?』
少し、考えるようにしてから、017は言う。
017「私は、あの城に集まるすべての子どもたちに共感しました。なぜなら、あの子たちの孤独を、私も身をもって体験しているからです。誰もが私のようで、誰もが救われればいいのにと思いながら読んでいました」
男『なるほど、誰もが私のようで、ですか、素晴らしい感性です。あなたはナラティブ・トランスポーテーションの達人となる資質を備えているのかもしれません』
017「ナラティブ・トランスポーテーション・・・・・・」
男『はい。話の中の登場人物に感情移入してしまうことをそう称します。そのスキルが高ければ高いほど、物語の世界に没入でき、酷いときには”帰ってこられなく”なります』
017は、その言葉に反応する。
017「さっきの話なんですが、どうして私がここに来ることがわかったんですか? それに、さっきの本も、この本も、まるで私にぴったりの内容で、怖いくらいでした。どうして、私の過去まで知っているんですか?」
男『質問を整理しましょう。最初の質問ですが、プロトコルに抵触するために答えられません。そして、次の質問ですが、あなたの過去を知っているわけではなく、あなたが極めて深くナラティブ・トランスポーテーションを実現しただけだろうと拝察します』
017「私が、強い共感性をもって、この世界に没入した、ということですか?」
男『はい、仰るとおりです。あなたは極めて頭脳が明晰なようです。やはり、課題のクリアに最も近い存在かもしれません。帰すのが惜しくなりましたよ』
017「ちょっと待ってください。さっき、約束したじゃないですか。課題をクリアした場合、帰すのは私ではなく、あの子にしてください」
男『そうでした。そうでした。大変失礼しました。いずれにせよ、その強い共感性があれば、ここに限らず、物語の世界から帰って来るのも、さぞ大変なことでしょう』
017、身を乗り出すようにして、
「そうなんですよ。私、大好きな映画を観ているときも、エンドロールが流れるのが悲しくて、その世界に入りたくて、何度も何度も同じ映画を観てしまうんですよ」
男『いずれ、物語の世界から、帰ってこられなくなります。どちらが現実なのか、わからなくなるかもしれませんね』
017、大きく頷き、
「そうなんです。本当に帰れなくなるんじゃないかと怖くなるときがあります」
男『いっそ、この物語の中の住人になりますか?』
017、怪訝そうな顔をして、
017「この物語の中の住人・・・・・・」
男『おっと、話しすぎたようです。これ以上話すと』
017「プロトコルに抵触しますか?」
男『はい、仰るとおりです』
017、微笑む。
男『それでは、次に読むのは、そうですね、029にしましょうか』
017、嬉しそうに頷く。
017『分かりました。なんだか、読むのが楽しくなって来ました』
男『ほう、その理由をお聞かせ願えますか?」
017『だって、私はもう自分のことは諦めているんです。どうせ、あのキティちゃんのバンソウコウを貼られていなければ、私はきっと生きていなかったでしょうから。でも、あの子に生かされた命で、あの子を助けることができる。そして、私は大好きな本に囲まれて最後を迎えることができる。考えてみれば、これ以上ない素敵な結末なんじゃないかと思って』
男『素敵な、結末ですか。はたしてそうなるでしょうか?』
017「え、どういう意味ですか?」
男『あなたが思い描くストーリーの中に、我々の方が入っていると本当に思っているんですか?』
017「それって・・・・・・」
男『それでは029をお楽しみください。では、また』
とマイクが切れる男が響く。
017「え、待って!」

百秘本物語

※MOVIE版『百秘本物語』は天狼院書店公式Instagramで配信中です。

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