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おたよりの動画化で、保護者から喜びの声! 保育者目線で届ける成長過程|慈照幼稚園

群馬県前橋市にある慈照幼稚園では、2020年7月に「てのりの」を導入し、これまで配信してきた動画数は2,130本にも上ります。週2~3回の頻度で配信をしているという同園に、配信の工夫やその効果について、園長の村中祐邦先生、配信担当者の成田真由美先生と赤石由理先生にお話を伺いました。 

きっかけは「園のおたよりの動画化」 
毎月のできごとをさらに伝わりやすく 

 てのりの導入前は、紙のおたよりを保護者に毎月発行していたという慈照幼稚園。 
業務負担が大きいものの、文章だけでは情報が抜け落ちてしまったり、うまく表現できなかったりすることも多く、園内での活動が保護者に伝わりにくいのが課題だったそうです。 

保護者の方により園内の様子を分かりやすく伝えるにはどうすればよいか悩んでいた時に、村中園長が出会ったのが「てのりの」でした。  
 
(村中園長)「世の中のデジタル化に合わせ、長い文章は読まれにくい傾向にあります。動画の中で、簡単に子どもたちやイベントの様子を伝えられるのはいいな、と思い導入を決意しました。また動画配信ツールとして、保育施設向けに作られていて安全性が高く、無料でいくつもの動画をあげられることも、他のサービスと異なっていて、魅力的に映りました。」 

導入の効果について、「保護者がより園のことを理解してくれるため、業務もスムーズに行える場面が増えた」と村中園長。紙で伝えていた内容を動画として配信するようにしたことで、子どもたちの育ちや園での状況を伝えやすくなりました。 
さらに、おたよりを作成するときには月のできごとを毎月文字に書き起こす必要がありましたが、作業を動画の撮影~配信に置き換えられたことで、ペーパーレス化や業務負担の軽減にもつながっているそうです。 

ダンスの振り付けや忘れ物など、お便りの文章で伝わりにくい内容も動画で伝わりやすくなる

現場職員がモチベーション高く、想いを乗せて配信 

配信担当者の成田先生と赤石先生によれば、導入当初は、使ったことのないツールに不安感もあったそう。しかし、使ってみれば配信までの手順も予想以上に簡単であることから、今ではデジタルに不慣れな先生も含め、クラス担任の先生がそれぞれのクラスの動画の撮影~配信までを行う体制ができているそうです。 
 
クラスで配信数に差が出ないよう週に2~3回を投稿の目標として設定。そして、2020年7月のてのりの導入時期からこれまで配信してきた動画は2,000本以上! 

先生同士で使い方や編集ツール情報などを教え合い、投稿前に内容に問題がないかを確認し合いながら、継続的に配信を続けてきました。 
 

撮影の様子

(赤石先生)「イベントなどスケジュールを見て、事前に大まかな配信計画を立てつつ、子供たちの楽しんでいる様子や良い表情があれば、都度撮影しています。自分がいいと思ったもの、伝えたい内容を配信させてもらえるので、ありがたいです」 
 
現場の先生が「自分の想いを伝えられるツール」として高いモチベーションで活用できていることが、配信の継続にも繋がっているようです。 

日常の様子を配信。家庭とは違う子どもの姿に、保護者からも喜びの声 

コロナ禍では、てのりので日頃の子どもたちの姿を頻繁に配信することで、園に来られなくても、動画から「慈照幼稚園の保育」を知ってもらえるよう工夫していたという同園。 
その後も「行事だけではなく、日常の保育も見てほしい」という根底にある思いは変わらず、食事やあそびなど普段の様子を撮影した動画を、継続的に配信しています。 
 
(村中園長)「配信はクラスごとに分けず、すべて園全体の環境に配信しています。自分の子どもの成長や頑張りだけでなく、他の学年の子どもたちの普段の様子が見えることで、学年ごとの取り組みや育ちの過程を保護者に知っていただけると思っています 
 
実際に保護者からも「保育参観で見る姿とはまた違った様子が見られる」「どんなことをどのように楽しんでいるのかが分かり、親子での会話がすごく増えた」「一人で遊んでいるのか、友だちと遊んでいるのかがわかるだけでも安心する」と、家庭では見られない子どもたちの様子に、喜びの声が届いています。 
さらに「現場の先生同士で動画を見返すことも多い」と成田先生。他のクラスや学年の様子は、日頃の保育のヒントにもなっているそうです。 

◎慈照幼稚園の配信の工夫 

  • スマホでサクッと撮影。成長の瞬間をお届け 
    例)食事の様子だけでなく、「掴み食べができた」「スプーンで食べられた」など 

  • 誤解を生んでしまうような内容がないか、現場の先生同士で配信前に確認 

  • 編集で音楽をつけて、飽きないように発信 

  • 動画の説明欄にも、先生の想いを乗せる 

  • 学年ごとの活動や成長の様子が伝わるように、配信環境は園全体で統一

動画だけではなく、文章でも活動内容を発信

(成田先生)「私たち保育者も保護者の方も、共通しているのはお子様が一番大事ということ。子どもたちが笑顔で通うことができ、保護者が安心して預けられる環境づくりをしていきたいです」 
そんな現場の先生方の想いに共鳴するように、村中園長は「園で大事にしていることについて、今後も動画を通じて細かく、少しずつ届けていけたら」と今後の展望を語ります。 

取材に答えてくださった先生方と村中園長

最初は、紙のおたよりを変えたいという思いから始まった慈照幼稚園の動画活用。継続的な配信が、やがて園の理念や想いの発信へとつながっていきそうです。 

ーー村中園長、成田先生、赤石先生、ありがとうございました! 
 

◎ 慈照幼稚園 
群馬県前橋市にある幼保連携型の認定こども園。 "「たくましく生きぬく力を育む」"を園の願いとして理念に掲げ、がんばってやり抜く経験から、幸せに生きるために必要な力を育んでいる。食農活動や、英語教育のほか、レゴブロック を使い2人1組のチームで取り組むプログラミング活動や、手を使い考えながら行う制作活動を教育プログラムとして取り入れている。 
https://jisho.ed.jp/edu-pro/programming/