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凡人が将棋で二段になった直感と論理の融合

藤井聡太七段が棋聖戦・王位戦で白星を挙げ、初タイトル獲得に向けて迫ってきていますね。

本当にすごいですね。

木村王位と渡辺棋聖相手に立て続けに勝つなんて。。想像を絶する強さです。

かくいう僕も、将棋を4年ほど前にからやり始め、今日ついに将棋クエストで二段になることが出来ました。

これまで初段でずっと停滞していたのですが、あることを意識するとスムーズに勝てるようになりました。

今日はそのことについて書いていこうと思います。

早指しで鍛えられた第一感

早指しでは第一感の手を指すということが求められます。

僕は将棋クエストの2分切れ負けを指しているのですが、2分なんてほとんど考える時間はありません。

自分の知っている定石に持ち込み、常に盤面全体を把握し、大局観に基づいて第一感の手を指し続けることが求められます。

一般的には、というか、僕の見ている将棋ユーチューバーさんたちは「早指しは棋力が落ちるからやめておいた方がいい。」と言います。

それもそのはず、早指しになれてしまうと、うっかりが多くなり、あっさり負けてしまうことが多くなるためです。

確かにその通りで、10分切れ負けに戻って指していた時もうっかりで負けてしまうことが多くなり、自然と長い時間で指すのを避けるようになっていました。

しかしつい1週間前くらいになんとなく10分で指してみると、負けないどころか、すごく手が見える見える。

将棋クエスト10分切れ負けで1週間前には1級だったのに、あれよあれよという間に二段になっていました。

直感をうまく使うというのが大事なのかなあと思ったときに、これがあることとビビっとリンクしました。

論理的思考を放棄するという考え方

この天才プログラマーの記事はご存じでしょうか。

簡単に言うと、論理的な思考を辞めて、感覚的思考を用いて仕事を行うことで素晴らしいパフォーマンスを発揮できるという話です。

「天才です。羽生さんは昔から天才だと知ってたんですけどねえ。」(2013年NHK杯:羽生vs郷田戦での8六銀を称した先崎九段)

人間は自分では理解できない優秀さを目の当たりにするとよく「天才」を用いますね。

実際このプログラマーや羽生さんは天才だと僕も思います。自分の頭でやっていることを言語化しているという点においても。

でもこれって本当に核心をついた話なのかもしれないと思い始めました。

ちょうど学んでいた行動経済学の意思決定プロセスと被る話があるからです。

ファスト&スロー

人間の意思決定プロセスは2つに分かれています。

これを速いこころと遅いこころと呼びます。感覚と論理、本能と理性です。

速いこころは文字通り、速い意思決定をすることが出来る反面、ある種のバイアスがかかった意思決定プロセスであり、間違えることも多いです。

一方、遅いこころは、正確に意思決定をすることができる反面、時間がかかる意思決定プロセスであり、緊急時には役に立ちません。

先ほどの天才プログラマーの方は、速いこころをうまく使いこなして他の人には理解できないほどの生産性を生み出していたのだと考えられます。

加えて、遅いこころにはキャパシティがあり、使うとどんどん減っていってしまうのも面白い点です。

なので、正しく早い意思決定をするには、速いこころの特性を理解し、遅いこころで早い心のサポートをする必要があります。

先ほどの記事だと、これがその部分だと思います。

脳内にある感覚的なプログラムの構成データを、コンピュータが理解できる論理的なプログラミング言語のソースコードに変換する部分で、若干間違うことがある。しかしこれも回数を重ねる度により正確になっていくので、心配する必要がない。
何度テストしても、後になってバグが出てきてしまうこともある。論理的に考えれば、上記のような正確なプログラミング作業の後には若干の誤りも無いはずなのだが、これは論理的な処理ではないので、なぜバグが発生してしまうのかは、論理的には分からない。これは仕方が無いものと考えて、バグを直せば良い。それでも、普通のプログラマーが論理的な思考でプログラムを書く際と比較して、バグの発生件数は大幅に減り、楽になる。

なので将棋でも同じだと思います。

なるべく早いこころを用いて意思決定を行い、間違った手を指したら、間違ったことを覚えておく。

難解な局面では、感覚的な思考プロセスにより4手ほど推奨手を導き出し、後で論理的な思考プロセスで検証すればいい。

この考え方は、天才と呼ばれるような人が勝手にやっている考え方なのかもしれませんね。


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