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テニス上達メモ048.失敗して、身が持たない人、身にならない人、身になる人
メンタルトレーナーの岡本正善氏が、「なぜ、仕事ができる人ほどゴルフが苦手なのか?」というテーマで、次のように説明しています。
「特に仕事がバリバリできる人ほど、『失敗するのが当たり前』という、ゴルフ特有のスタートラインを認められない。仕事の上で失敗することが少ないから、失敗に対する免疫ができていないんです」
テニスも、まったく同じだと思います。
失敗するスポーツなのに、失敗に対する免疫ができていないと、失敗のウイルスにすぐさま感染して、元気がなくなってしまうのです。
「元気があれば何でもできる」といったのは、燃える闘魂アントニオ猪木でした。
その元気がなくなってしまうと、何もできなくなってしまいます(というより、元気がないときは無理しないのが、自己肯定でしょう)。
それに加えて私としては、失敗する自分は恥ずかしいと感じる「プライド」が、関わっていると思います。
プライドが高い人は、「成功した素晴らしい自分」を、周囲の人にも自分にも、アピールしたいのだけれど、そうであればあるほど結果的に、むしろ「失敗した恥ずかしい自分」を、周囲にも自分にもさらしてしまいがちなのです。
なぜか?
それはもちろん、「失敗から学べないから」です。
失敗を受け入れられない、というより、高すぎるプライドにより、失敗を受け入れがたい自分。
そんなセルフイメージが、強固に構築されてしまっているのです。
「失敗=ダメ」という頑ななイメージに基づき、失敗した瞬間、衝動的にカッとなり、あるいは、ガーンと落ち込み、はたまた、もう嫌だなどと、やる気を失ってふてくされる。
そうすると、失敗する恥ずかしさを避けて、挑戦する場も避ける。
失敗からこそ学び取れるはずだった、せっかくの実体験を、自らふいにしてしまうのです。
ゴルフもそうなのでしょうけれども、テニスも失敗だらけのスポーツ。
ゲームの1ポイント目から、さっそく失敗で始まります。
総ポイント数のうちの大半が、対戦相手か自分か、どちらかのミスによるものだという統計結果が、スタッツから見て取れます。
なのに、衝動的にカッとなったり、ガーンと落ち込んだり、もう嫌だとやる気を失ってふてくされていては、とてもではないけれど、身が持たないスポーツ。
身が持たないのです。
プライドが高いと、テニスは次から次へと「はい、あなたは今、失敗しましたよ」「はい、また次も失敗しましたね」と、ミスを突き付けられ続けるスポーツだから、失敗を受け入れられないと、それではしんどすぎて、やる気を失う以前に、とてもではないけれど、「もう続けられない」のですね。
だけど、人生もそうではないでしょうか。
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