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質問038:勝ちたいと思うのは当たり前ではないか?

人間だから、勝ちたいと思うのは当たり前ではないでしょうか。
勝ちたいと思うのは、人間の自然な気持ちではないでしょうか?

そのとおりです。
だけど、勝ちたいという「欲」が強くなると、今、やるべきことへの集中力が落ちるので、結局、勝ちが遠のくのです。

気持ちはわかります。
しかしそれが、「罠」なのです。

誰だって100点を取りたい。
志望校に合格したい。

だけど、複雑な計算式の問題を解いている最中にそのような欲が一瞬でもよぎると、思考の一貫性が損なわれ、解けなくなる、イチからやり直し、という事態になりかねません。

テニスも「勝ちたい」欲が強まると、とっさの判断力が鈍ったり、メンタルが動揺しやすくなったり、あるいは身体レベルでも反応スピードや瞬発力が落ちたりします。
視力も低下します。

余計なことにメンタルのエネルギーを費やす(すなわち集中力が目減りする)のだから、そうなります。

また強い欲は、極度の緊張を誘発する要因にもなります。

皮肉なもので、「勝ちたい」「上達したい」と思わなくなった時に、むしろそれらがかなう確率が高くなるのです。

その理由は簡単で、「未来」ではなく「今」に集中できるようになるからです。
余計な心身の力みも取れるからです。

「いつか勝ちたい」
「1年後には上達したい」という期待が希薄になり、今・ここ・この瞬間のボールに集中できます。

期待するからこそ、それがかなわないと怒りに転化するのです。
自己肯定感も、損なわれます。

欲しがらなくなったとき、手に入る。
これはもう、「普遍の法則」とすら、言っていいかもしれません。

恋愛にもたとえられます。
追いかければ、逃げていく。
逃げれば、言い寄られる。

お金も、貯めようとすると、貯まりません。
気にしなければ、いつの間にか余っています。

ゾーンに入ろうとすると、入れません。
ゾーンに入ろうとして入れるのであれば、スポーツ選手は誰も苦労しません。

だけどテニスではボールに集中していれば、いつのまにかゾーンに入ります。

そうすると、「勝ちたい」と思わなくても(思わないから)、勝つ確率が高まるのです。

深掘りすると冗長になるので割愛しますが、こちらで述べている「外発的動機・内発的動機報酬」の区別が、全然違う結果を生み出すのです。

「勝ちたいと思えば勝てる!」とか、「負けるのは勝ちたい気持ちが足りないからだ!」とかいう説教は「罠」なので、よくよく気をつけなければなりません。

「勝つと思えば思えば負けよ」

『柔』

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
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