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群れのルール 群衆の叡智を賢く活用する方法

前回、「失敗学のすすめ」というNOTEを書きましたが、力を入れすぎて、とても長文になってしまいました。全部読んでくださった方はいらっしゃるのかな・・・(汗)

そこで今回は趣向を変え、すぐ読める短いNOTEを書きました。テーマは読んでいてアイディアが閃きそうもの3つに絞りましたので、気軽にお読み頂けたら幸いです。

紹介する本について

本日ご紹介したいのは「群のルール」という本です。

地球上は弱肉強食。弱いものは強いものに捕食され、環境に適応できなかった生物は絶滅します。

しかし、イワシの群れや昆虫の大群のように、一匹一匹の知能が低く、更に力の弱い生き物が、何故か地球上にはたくさん生き残っていますよね。これは本当に不思議。

この答えを解く鍵となるが「集合知(集団的知性)」。集団の知性を共有させると、結果的に高い知能に繋がるという不思議なものです。この本では、その生物の集合知をビジネスに応用した例についてに書かれています。(今回はビジネスの話はカットしました)

難問を解くアリ

アリの知能はとても低いそうです。研究者が呆れるほどだと書いてあります。

にも関わらず、アリはいたるところに巣を作り、たくましく繁殖しています。小さくて知能が低いにも関わらず、絶滅するどころか世界中に多種多様な種類が増えています。

全滅を防ぎ、仲間を増やし続けるアリの作戦は一体どんなものなのでしょうか?

集合知(1)、危険を察知するアリ

実は、アリは危険を察知します。

危険を判断するのはパトロール役のアリです。とはいえ、パトロール役のアリも他のアリ同様に頭はよくありません。いったいどうやって判断しているのでしょうか?

実は毎朝、パトロール役のアリが一定数、近隣の見回りに巣から出かけます。そして、パトロール役のアリが近隣の見回りを終えて巣に帰ってくると、巣の入り口近くでエサ集めチームのアリと接触します。エサ集めチームのアリはパトロール隊のアリと触覚を触れ合わせ、仲間が帰って来たことを確認します。

そして、ここで一つの判断を下します。なんと戻ってきたパトロール隊のアリの数が多ければ、「今日は安全だ」と判断し、エサ集めチームのアリが巣から出かけます。

逆に帰ってくるアリが少なければ「今日は危険だ!近くに天敵がいるかもしれない!」と判断し、エサ集めチームのアリは外出しない。つまり、パトロール隊のアリの生存率が、エサ集めチームのアリの外出の判断材料となるのです。

このような、少数のパトロール隊のアリを犠牲にする方法により、アリの集団は危険を回避してきたのです。残虐な感じもしますが、すごい頭いいですよね・・・

2、外出するアリの数の決定方法

次に、「今日はエサ集めアリが何匹出かけるか?」の決め方をご紹介します。

外出したエサ集めアリはエサを見つけると巣に帰って来ます。出かけたエサ集めチームのアリが早く帰ってくると、巣に待機していた残りのアリが交代してエサ集めのために出かけます。

つまり、アリが外出する数は予め計算して決めるのではなく、戻ってくる数が多ければ増えるという場当たり的に決まるのです。

アリにはリーダーもマネージャーもいません。だから食料調達の計画もありません。代わりに、このような不思議なシステムを作ってアリはエサをたくさん集め、巣に溜め込んでいるんです。

3、エサまで最短距離で進むアリ

最後に3つ目。アルゼンチンアリはジャングルの中で「エサから巣までの最短ルート」を探すことができるアリとして知られています。それって人間でも難しいですよね?

そのポイントは、アルゼンチンアリが出すフェロモンです。つまり、臭いを地面に残しながら移動しているのです。

2匹のアリが同じエサを目指して歩いているとします。そして、同時に分岐点に来て、1匹はエサまでの距離が短いルートを進み、もう1匹は距離が長いルートに進みました。短いルートを進んだ1匹目がエサを見つけた段階で、2匹目はまだ半分しか進んでいません。1匹目がエサを持って巣に戻った時、2匹目はようやくエサにたどり着きます。

この時点で分岐点に差し掛かった3番目のアリにとって、短いルートのフェロモンの臭いは、長いルートの2倍の濃さ「(1匹目のアリが往復したから)となるはずです。そこで3匹目は強い匂いがする短いルートを選びます。

この選択が積み重なるたびに、短いルートのフェロモンが強くなり、結果的に短いルートを選ぶアリも増えます。

このようにアリは進化の過程で、集団知を使って2点を結ぶ最短ルートを見つける独自の方法を編み出したのです。

最後に

私はこの本を読んで、「集合知という考え方がテニス指導やスポーツ指導で応用できないかな?」と考えました。

というのも、テニスはセンスと体力、そして頭がよい子供の方が有利です。そして指導者や練習環境にも恵まれなければ強くなるのは正直いって難しいです。つまり、サッカーやボクシングなどのように、スラム街からヒーローが生まれるような競技ではないのです。

ゆえに、恵まれない環境にいて、更に能力も高くない子供たちにもテニスを頑張ってもらえる方法が何かあれば・・・それはこういった集合知を使った方法ではないかな・・・と考えたわけです。

と、いうわけで、今回のNOTEは結論出ず。ここで終了です。何かいいアイディアは閃きましたか?一つでも何か心に残れば幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。


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