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【読書日記】群れはなぜ同じ方向を目指すのか?

 「鳥の群れ」,「魚の群れ」,「蟻の群れ」どれも統制の取れた動きしますよね。

 昔はこれを不思議がって「動物には超能力的なものが備わってる」と考えてた人もいるようです。

 今はそのカラクリがわかってます。実はこの統制、群れの個体が非常に簡単な3つのルールに従った結果生じているものなんです。

ボイドの3原則
回避:他の個体に衝突を避ける
整列:他の個体と進行方向を合わせようとする
結合:群れの中心に向かう

 「え!?たったこんだけ」とそのシンプルさに疑いを持つ方もいらっしゃると思います。

3原則をプログラムでシミュレーションしたのがこちらの動画をご覧ください。

 個々の3角形は単純な3つの原則に従って動いているだけなのに、何か意思を持った存在の動きを感じてしまいますよね。

複雑系

 このように「個々の単純な規則から、全体として複雑な動きが生じる」現象は創発と呼ばれています。

 この本では複雑系と呼ばれるこのような事象が様々紹介されています。

紹介されている事象の一部
群れはなぜ同じ方向を目指すのか
蟻はどうやって最短ルートを見つけ出すのか
みんなの意見が大体正しいのはなぜか
ネットワークと六次元の隔たり

 著者のレン・フィッシャーは「ビスケットを崩壊させずに紅茶に浸す方法」の研究で99年にイグノーベル賞物理学賞を受賞した科学者、わかりやすい語り口で複雑系の世界を紹介してくれます。ご興味ある方は是非ご一読下さい。

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

Photo by Raphael Rychetsky on Unsplash

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