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【読書日記】科学の発見

 現在の成功を基準に過去を裁くことは「ウィッグ史観」と呼ばれ、歴史学では禁じ手だそうです。

 この本は現代科学の視点でアリストテレス、プラトンなどにはじまる過去の有名人の業績を分析しています。著者は現代科学の視点で見るとプラトンは詩人であり科学ではないと論じます。 

 著者のスティーヴン・ワインバーグはノーべル物理学賞を受賞した物理学者です。

 この本を読むと、今私たちが科学と呼んでいるものがどのように構築されていったのか、そこに至るまでに私たち人間はどんな考え方を身につける必要があったのかがわかりとても面白いです。著者が禁じ手と言われる手法をとったのはこれを示すためであり、過去の人たちを批判するためではありません。

 AIなど新しいテクノロジーが出現し、まだそのテクノロジーを扱う手法が確率されておらず、非科学的な怪しい理論も跋扈する今、科学の視点の大切さを認識させてくれます。

 

Photo by Linus Mimietz on Unsplash

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