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インド映画『RRR』予習&復習のためのインドの歴史とインド神話、時代背景などをまとめてみた(ネタバレなし)

10月21日公開のインド映画『RRR』すごすぎてちょっとどうしていいかわからないのだけど、インドの近現代史や時代背景、神話などをまとめてみたので、予習したい人、復習したい人はどうぞ。
映画の舞台は1920年のインドなのだ。

あと、映画を観た後に「これはなんだ」と思った人がいるかもなので、映画に登場したインド神話やインド文化のあれやこれやについてもネタバレにならない程度でまとめたので、興味がある人はそちらもあわせてどうぞ。

ちなみにここに書いてあることを1ミリも知らなくてもRRRは楽しめるので、文字を読みたくない人はこの記事を無視して映画館に行ってください。
RRRは映画館で観るべき映画です!観て!IMAXがおすすめだ!

RRR予習のためのインドの歴史。

どうしてインドが英国の植民地になったのかは、こっちの記事に書いてあるので、先にそちらを読みたい人はどうぞ。読まなくても大丈夫ではある。

インド大反乱の後のインド。簡単な年表

1857年 インド大反乱。ラクシュミー・バーイーが英国と戦う。
1858年 インド大反乱鎮圧。
1877年 ヴィクトリア女王がインド皇帝になる
1905年 ベンガル分割令。反対運動が起こる
1913年 タゴールがノーベル文学賞とる
1915年 ガーンディーが南アフリカから帰国、タゴール、ナイト爵を授与
1918年 第一次世界大戦終わる
1919年 ローラット法成立、アムリットサル虐殺事件
・タゴール、ナイト爵を返上
・ガーンディーの非暴力不服従運動

1920年のインド(RRRの舞台)
・英国に反しても反さなくてもインド人は投獄される
・反英感情めっちゃくちゃ強まる
・英国はインド人をものすごく警戒してる

1920年までの時代背景

インドを植民地にした英国は、反乱おこさないよう議会ぽいの作ったり、上流階級を取り込んだりした。知識人たちは英語教育うけさせ英国の思想と同化させ、ヒンドゥー教徒とムスリムを対立させて団結しないようにも工夫した。元々あったカーストを強化して国を分断した。

でもやり方がえげつなくて、英国の思惑とは逆に、反英感情がどんどん強まった。たとえば1905年のベンガル分割案なんかは分断の意図が明確だったので、インド人たちは反発した。そんな中、インドは独立すべきだ!という人たちが現れて運動が盛り上がる。

まあでも、インド人たちも英国側の穏健な派閥と、自由のためには手段を選ばない的な過激な派閥(ティラクたち)もあって、英国側としてはいいかんじに穏健派がまとめてくれればいいなあーと思ってた。ムスリムの派閥も支援したりしてた。けどうまくいかない。
1915年にはインド側の反乱党の武装反乱計画もあった。未遂に終わったが。
(ちなみに反乱党のラース・ビハーリー・ボースは日本に脱出、第二次世界大戦時に日本が支援したインド国民党結成時に指導者の一人となる)

英国はインドを宗教で分断しようとしてたが、過激派やムスリムの派閥が協力し、ヒンドゥーとムスリムの間の協力体制ができつつあった。(ラクナウー協定)

英国は、そういう英国への風当たりが強い状況をなんとかしようと、「第一次世界大戦で協力すれば自治をみとめるよ」と約束した(1917年モンターギュ宣言)
英国が譲歩した!と思って、インド人はがんばった。
インドからはたくさん兵も出したし資金も提供した。大変だったけど。
でも、戦争が終わっても英国は形だけの自治しか認めなかった。
英国はもともとインドを独立させる気なんてなかったので。
怒ったインドの民たちは、英国許せん!ってなって荒ぶってテロや暴動おこした。英国人が殺される事件が起こった。

じゃあ、なんでそんなに英国の支配がそんなに反発されたかというと、この時代のインドは、最上位カーストが英国人で、インド人たちは普通に差別されてた。英語が話せないと良い仕事もない。頑張ったところで重要な地位は英国人が独占してたので出世もできない。おまけに英語教育をうけることができたのは数%の上流階級のみ。
英国の主目的は植民地の富を英国に運ぶこと。鉄道はそのためにあった。
税金は高く、多くの人々は重税に苦しんでいた。
第一次世界大戦のツケがまるっとインドにまわってきたのだ。

おまけにインド国内では、1918年にインフルエンザが大流行し、多くの人が死んだ。1918年〜1919年は食料の価格が上がり、都市では食糧暴動も起こった。とにかく生きるか死ぬか、ギリギリのことが起こっていた。

ローラット法とアムリットサル事件

英国はなんとか暴動をおさえようと、ローラット法を作った。
1919年に成立したローラット法は治安維持法で、やばそうなインド人をじゃんじゃん事前に投獄できる法律だった。
これにはマジでインド人たち激おこ。

そんなとき、パンジャーブ州のアムリットサル(ジャリヤーンワーラー・バーグ)で、ローラット法反対のために集会してた民衆に、ダイヤー准将率いる英国軍が無差別発砲して大量虐殺してしまった。弾がなくなるまで民衆に撃ち続けたとかそういう。マジ胸糞。
アムリットサル事件は、死者1200人、負傷者3600人、という災害レベルのことをやらかしたにもかかわらず、英国はその後パンジャーブ州に戒厳令敷いて秘密にしようとしてた。

アムリットサル事件をきっかけに、それでもまだ英国といいかんじの関係を保とうと考えてた穏健だった人たちが、「英国もう信用ならんわ」「英国許すまじ」って反英感情がブチあがる。
この事件を知ったタゴールが「名誉が恥になった」とナイト爵を返上し、ガーンディーが独立運動を強めるきっかけになる。

ちなみにガーンディーは、帰国後からずっと独立運動は行なっていた。特にローラット法は大反対で、こんな法が成立するならもう政府には協力しない!絶対抵抗する!と宣言する。
そんな中、アムリットサル事件が起こった。
ネットには「ガンジーでも助走つけて殴るレベル」ってパワーワードがあるけど、たぶんこの事件のことはガーンディーまじ激おこだったと思う。

インド独立運動というのは、ガーンディーの非暴力不服従運動の、静かなイメージが強いかもだけど、それはもっと後の話で、この時代ではけっこう頻繁に暴動やテロが起こっていっぱい鎮圧されてた。
しかし、暴動や反乱=投獄からの処刑である。軍は強かった。
暴力で解決したがるインドの民たちに、それではだめだと、暴力以外の方法で解決すべきだという理想を説いたのがガーンディー。
どちらかというとガーンディーの運動のほうが当時からするとちょっと違ってた。というのも1919年、ローラット法に反対するため、ガーンディーは「政府への非協力運動を行おう!非暴力で!」とよびかけた。でも、荒ぶるインド人たちは放火したり暴動起こしたりしたので、呼びかけを中止した。そんな中、アムリットサルの集会で、事件が起こってしまった。

ではガーンディーの唱えた理想は果たされたのか。
インドの独立はその後どうなったのか。
1920年以降の話についてはRRRのネタバレになると思う人がいるとおもうのでここでは書かない。ざっくりした流れで、その後のインドがどうなったか知りたい人はこちらの記事をどうぞ。

と、ここまで長々と歴史のことをかいておいてアレだけども、RRRは何もしらなくても全く問題なく楽しむことはできるので!
気になった人は今すぐ映画館にGO!!!!

インド神話や宗教、文化、時代背景

読む人によっては若干のネタバレ的な要素はあると感じる人はいるかもだけど、核心には触れないように書いてるつもり。
映画に関する情報を極力避けたい人は、ここから先は読まない方がいいです。ちょっとくらい前情報仕入れとくかーって人は読んでも大丈夫。
観た後で答えあわせにはぜひどうぞ。そしてもう一度映画館へGO!

叙事詩『ラーマーヤナ』

インド二大叙事詩の一つ。ラーマ王子とシーター姫の物語。
素晴らしい資質をもったラーマ王子は王になるはずだった。しかし陰謀に巻き込まれて森に追放されてしまう。その後シーターを魔王に奪われたラーマは、弟のラクシュマナや猿の将軍ハヌマーンたちとシーターを取り戻す。という物語。インドでめちゃポピュラーな物語。
日本の桃太郎の元ネタになったという説もある。鬼ヶ島に鬼退治なので。

ラーマーヤナのエピソード全部盛りの絵。1950年代のもの。

ラーマ王子

『ラーマーヤナ』の主人公。ヴィシュヌ神の化身。
弓を持ち、現代ではオレンジ色の衣を纏った修行者の姿で表される。
魔物退治したときに神の武器をもらったので、矢が尽きない矢筒を持ってる。どんな武器でも扱えるが、弓がすごく得意。的は外さない。
生まれながらのアーチャー。

ラーマとシーター、後ろは弟のラクシュマナ

ハヌマーン

ラーマ王子を助ける猿の将軍。力持ちで頭もよい。体の大きさを自由に変えれるし空も飛べる。風の神ヴァーユの息子。
ラーマとラクシュマナを肩にかつぐシーンも有名。
ラーマを慕う。ラーマ様だいすき!
戦で傷ついたラクシュマナを救うため、薬草が生えている山をまるごと持ってきたというエピソードはとても有名。
あと、敵の本拠地であるランカー島を燃やして火の海にした。

いつでもラーマとシータを想っていますと証明するため
胸をかっ開いてみせるシーン。

シーター姫

魔王ラーヴァナにさらわれ、魔王の城に閉じ込められ、ラーマの助けを待つ。ハヌマーンが彼女を探し出す。ラーマとシーターはインドでは理想的な夫婦だと考えられている。シーターは大地の女神の娘

ちなみに、ヒンドゥー教徒は、相手を祝福するときに赤い粉(ターメリックを化学反応させて赤くした粉、クムクム、クムクマとよばれる)を額につけてあげることがある。インドの寺院に行くとたまにこの粉を額につけられることがある。この赤い粉は神像にも捧げられる。
映画の中でシータが何でラーマを祝福したか注意深くみてみよう。

ラーマ王子を選んだシーター。

叙事詩『マハーバーラタ』

インドの二大叙事詩の一つ。神の子である正義の5人の王子と悪の王子たちとの王位継承争いの物語。
ヒンドゥー教の聖典「バガヴァッド・ギーター」(ギーター)が含まれる。あらすじは長くなっちゃうのでこちらのツイートを辿ってほしい。

ビーマ王子

『マハーバーラタ』主人公の5人の王子の一人。
5人の中ではいちばんパワフルで、豪快で、ご飯がすきで、力持ちで、木を引っこ抜いてブンブン振り回す、力こそパワーなタイプ。
実の父は風の神ヴァーユ。つまり、「ラーマーヤナ」のハヌマーンとは父が同じ。ハヌマーンの弟ということになる。
「マハーバーラタ」にはハヌマーンとビーマが出会うシーンもある。

バガヴァッド・ギーター

ヒンドゥー教で最も重要な聖典とされる。『マハーバーラタ』の一部。ギーターとも呼ばれる。クリシュナ神が主人公の一人であるアルジュナ王子に神の教えを説くシーン。インド映画には現代モノでも歴史モノでもカジュアルに使われる。
ギーターでは、生まれ持った役割を果たすことこそが重要だと説く。

実はこの一節が、映画の中でも使われている。
識者の方によると、第二章47節。
「あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。行為の結果を動機としてはいけない」
ギーターでも有名な一節。
何かを行うときに、結果を動機としてはいけない。もし失敗したら、成功したらと考えてしまうと、その考えに執着して良い結果を得ることはできない。あなたがやるべきこに集中して一心不乱にやりなさい。ということ。

字幕とは違うけど、とても重要なところなので、どういうシーンでこの言葉が使われたかは映画をもう一度観て確かめてみよう。

アムリットサル事件が起こった場所とシク教

アムリットサルがあるパンジャーブ州はシク教徒のシク王国があった場所で、アムリットサルはシク教の聖地でもある。
ちなみにシク教徒は真面目で、英国に忠実な人たちが多かった。インド軍でもヒンドゥー教徒やムスリムを制圧したり、アフガニスタンと戦ったりしたのは彼らだった。でも、そんな彼らの故郷であの事件が起きてしまう。
映画の冒頭でラーマが戦うところ、だれがこの形のターバンだったかを注意してみると、あの事件との繋がりがもしかしたら見えるかもしれない。

シク教徒のターバンは特徴がある。
長い髪を布でしっかりまとめてからターバンを巻くので
形がシャープで、額に△の部分がある。
ターバンを外したらだめなので警察でも帽子は免除されている。

人間ピラミッドを作るお祭り

クリシュナ神の誕生日、クリシュナ・ジャンマーシュタミー(8月〜9月頃)に、高いところに吊るした牛乳やヨーグルトやバターなどクリシュナ様の好物が詰まったツボを、人間ピラミッドによじ登って割る「ダヒーハンディー」というお祭りがある。ツボを割ることができた人はご利益あるぽい。

子供の頃のクリシュナ。ツボに入ったバターミルクを盗もうとしてる。
でもうしろにいる育てのお母ちゃんにバレてるのがかわいい

軍や警察の構成

インド大反乱後は、ヒンドゥー教徒とムスリムが団結されたらやばいので、ネパールの山岳民族のグルカ兵や元シク王国のシク教徒、地方の部族民などを使っていた。同じ宗教だと制圧できないから。
警察の中にどんな人たちがいるかもみておいたほうがいいかもしれない。

服装の違い

・白いぴったりした帽子はムスリム(イスラーム教徒)
(ちなみに当時のムスリムは少数派としてしんどい目にあっていた)
・ゴーンド族は女性はブラウスを着てない。顔や体に刺青。
・ぴっちり額に△があるターバンはシク教徒

ゴーンド族

インドの先住民族で、インド中部に暮らしてた人々。インドで最も数が多い先住民族たちで、今でも数百万人がいて、いろんな風習の部族がいる。
昔はゴーンド族の王国もあったけど、住処を追いやられて山岳部や森に住んでいる。英国には彼らは大人しい部族だと思われていたので、土地を奪われたりして大変な目にあった。焼畑の風習がある人たちも大変だった。
彼らは厳密な意味ではヒンドゥー教徒ではなくて、独自の神様を信じているけれども、とにかくいろんな部族がいるし、インドに住んでいる以上はヒンドゥー教的な影響はたくさん受けている。
現代では「ゴンドアート」が有名で、動物たちを描いた独特な色彩のゴンド絵の絵本も作られている。(タラブックス、ゴンド絵で検索しよう)

バーラト・マーター

インド独立運動の象徴となった女神ドゥルガーの像を「バーラト・マーター」という。バーラト=インド、マーター=女神。インド亜大陸を背景にした女神で、インドの母なる女神の意味。

現在古代オリエント博物館で行なってる「ヒンドゥーの神々の物語」展では、バーラト・マーターのポスターの現物をみることができるし、上で紹介したゴンド族の描いたタラブックスの絵本も売店で扱っている。実物を見れる貴重な機会だ。

女神ドゥルガー=戦いの女神、魔物と戦い勝利する強い女神だ。
でもバーラト・マーターとして描かれるときは優しいお顔で独立運動をする者たちを見守っている。
ドゥルガーの乗り物であるライオン=英国王室の紋章でもある。
ライオンが女神の乗り物でもあることは、それだけで独立の象徴。
手にハスの花や旗、武器を持たせものもあるが、現代では三色旗を持たせたものが多い。
このような女神の絵がどこにあったか、注意深く探してみよう。

ティプーの虎

ツイッターでフォロワーさんも呟いてた既視感。英国に滅ぼされた南インドのマイソール王国の王様、ティプー・スルターンが作った、虎が英国人を食い殺す様子を再現できるおもちゃ。ちなみにティプー・スルターンはめっっっっちゃくちゃ強くて賢くて英国と対等に戦ったすげー王様だったそうな。

このおもちゃは登場しないけど
もしかしたらどこかで同じようなシーンを見るかもしれない

ニザーム藩王国

インドの南、今のハイデラバードがあるあたりにあった藩王国。
主人公たちと同じテルグ語を話す人たちが多くいる。
元々はイスラームのゴールコンダ王国があったところで、インドの南のほうにあるけどイスラーム教徒(ムスリム)が住んでいる。
はじめはマイソール王国みたく英国と戦ってたんだけど、負けていろいろ条約結ばされたりして藩王国になった。
英国の支配下でも英国に協力的だった。英国に協力的ということはつまりインド独立を阻む要素でもあって、インド大反乱のときも英国側について武器を提供していた。なので独立後もめっちゃ他の州から嫌われた。
ニザーム王国にはダイヤモンド鉱山があり、最高級の透明度が高いダイヤモンドが採れたので富が集中してたということもある。(ただし19世紀後半には鉱山のダイヤモンドは枯渇してた)
英国への税金は高かったが、城にはヨーロッパからとりよせた最高級のシャンデリヤがあるようなそういうかんじ。それなりに力があった藩王国なので、英国もこの王国の話は無視できなかった。
数年前にニザームのチョウマハラ宮殿に行ったときの写真がこれだ。

ニザーム藩王国のチョウマハラ宮殿で撮影したよ、大理石とシャンデリヤすごかったなあ。
武器の展示室。天井までびっしり並ぶ剣や銃。天井の模様見てよ美の極み
すごい宮殿だった。とにかくゴージャスオブゴージャス。
ニザームが一番お金持ちだった時代に作られたのがわかる。

あの旗と「ヴァンデー・マータラム」(母なるインド万歳)

映画の中で象徴的に使われている旗がある。
ちょっとデザインは違うんだけど、ネットで似たものを見つけた。

当時はいろんな旗が作られていて、これはその一つらしい。
緑、黄色、赤。上には蓮、下には太陽と月、中心には「ヴァンデー・マータラム」वन्दे मातरम् と書いてある。
母なるインドに栄光あれ、母なる女神に万歳!みたいな意味だ。
どうしてこの国旗が映画に登場したのかについてはパンフレットに松岡先生が詳しく書いているので、ぜひパンフレットをよんでほしい。

パンフレットに書いてないこととしては、「ヴァンデー・マータラム」という言葉は、元々は東インドのベンガル地方の作家(元英国政府役人)バンキムチャンドラ・チャトーパーディヤーエが書いた作品の中にあった。若いころのタゴールにめちゃ影響あたえた人物で、この詩をタゴールが歌った。
「ヴァンデー・マータラム」はもちろん植民地政府には禁止されたが、みんなが歌ったので、インド独立運動の象徴になる。
インド独立後に初めの二行が国民歌として採用された。ちなみに国歌「ジャナ・ガナ・マナ」はタゴールが作詞している。インドには二つの国歌があると言われるが、どちらもタゴールが関係している。

インドの中の言語の違い

インドには山ほど言語がある。元々一つの国ではなく、言語が違うバラバラの国がインド亜大陸にあったのを、英国がまるっと支配したということなので。英語が広まったおかげで意思疎通ができるようになったという経緯もある。
映画の舞台となるのはデリー。北インド。ヒンディー語圏である。
主人公たちはテルグ語。南のほうで、テルグ語圏である。
基本的に、ヒンディー語とテルグ語は通訳がいないと意思疎通できないくらい言葉が違う。
そんな中、主人公二人が出会った。遠く離れた地で故郷の言葉を話す二人。
そういう視点で映画を見ると、エモみ大爆発である。

参考文献

・世界歴史体系 南アジア史4 近代・現代 2019年 山川出版社
・インド独立史 森本達雄著 1972年 中公新書
・近代インドの歴史 ビパン・チャンドラ著 2001年 山川出版社
・新版 南アジアを知る事典 2012年 平凡社
・バガヴァッド・ギーター 上村勝彦訳 1992年 岩波文庫
・インド神話や「マハーバーラタ」、「ラーマーヤナ」についてはたくさん本があるので、こちらのツイートを参考に辿ってください。

というわけでまとめ。

この映画はお国万歳映画のようにみえて、まあそうみえなくもないけど、それだけではない。というのはパンフレットをよくよむと松岡先生の解説にも書いてあるので、興味がある人は是非パンフレット読んでほしい。
RRRの世界は、エンドロールの後も物語が続いていく。彼らの本当の戦いは、「これから」なのだと思うと胸が熱くなった。

3回観たあとの追記。

この映画はラージャマウリ監督のラージャマウリワールドなので、もう一つの歴史、IFの世界だとおもってもらったほうがよいです。
ラーマもビームも実在の人物をモデルにしてはいるけど、歴史をベースにしながらも、英雄の活躍を神話に昇華して普遍的な物語にして誰でもわかるようにしてる。よくもまあこんなに映像ですべてをねじふせるようなパワーがある作品を作れたなあと驚きしかない。

それにしてもRRR、すごい映画でしたね!!!!!!!
ほんとすごい映画だったね!!!!ウワーーーーー!!!!!!
舞台挨拶も行ったよ!!!!さいこう!!!でしたね!!!!??

ネタバレありの感想も用意するので、RRR観て語りたい人、一緒に語ろうな!!!!!ここまでよんでくれてありがとう!!!!!!!

おしまい。

こういう本書いてます。よろしければどうぞ。
『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』のあらすじもあるよ!

ネタバレ記事はこちら!RRRの復習にどうぞ!

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