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疲れている時にご飯作れない問題(障害福祉サービスを使っている難病当事者のぼやき②)

先日公開した、疲れている時にご飯作れない問題(障害福祉サービスを使っている難病当事者のぼやき①)、たくさんの方に共感をもってご覧いただいたようで嬉しいです(制度的には全く嬉しくないのですが…)。

前回は、サービス利用上の課題についてご紹介しましたが、今回はサービス導入までの実際についてご紹介したいと思います。

私がサービスを導入したのは2019年3月で、サービスの開始は5月でした。
障害福祉サービスを利用するときは、区分の認定(訪問調査)なるものがあり、そこで一定の障害の程度だと認められればサービスの支給量が決定されます。

この訪問調査の聞き取り項目がとても多く、かつあまり難病の疲れやすさや症状の変動に対応していない印象。

私が何より困ったのは、サービス利用開始時の区分より悪化して入院が必要になり、退院後のサービス量を増やしてもらうための手続きでした。

悪化して入院しているからとって、この区分認定の手続きをしないわけにはいかないので、入院中に市役所の高齢障害担当の方が病棟にお越しになり、聞き取りをする予定…だったのが、たまたま退院できたので退院直後に自宅に来ていただき、聞き取りを行ってもらいました。

難病をもつ人にとって、区分が変わる時は入院したりまあ大変な状況になっている時だと考えられるので、そんなしんどい中にまたこの項目の聞き取りはなかなかハードだと思います…項目は80個。

1.移動や動作等に関連する項目(12 項目)
2.身の回りの世話や日常生活等に関連する項目(16 項目) 
3.意思疎通等に関連する項目(6項目)
4.行動障害に関連する項目(34 項目)
5.特別な医療に関連する項目(12 項目)

例えば、1.の移動だと

起き上がり
1.支援が不要
2.見守り等の支援が必要
3.部分的な支援が必要
4.全面的な支援が必要

この4つのどれかで評価されます。
難病だとできたりできなかったりすると思いますが、それは「できない」認定。ただ、そのできたりできなかったりの場合は「できない」とするって、話す本人が分かっていないと軽めに評価されてしまう可能性があると思うのは私だけでしょうか…

前回記事の話題の調理も評価項目に含まれています。

調理という一連の行為の支援が必要かどうか。ちなみに、同居家族がいても1人で、自宅でこれが支援が必要かどうかを想定して答えることになるそうです。

調理の一連の行為は下記とされていますが、問題はこの「献立」だよね!!

・献立 ・食材の準備 ・食材を洗う・調理(食材を切る、焼く、煮る、炒める等) ・皿に盛りつける・配下膳 ・食器や調理器具を洗う、しまう ・ゴミを捨てる

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/6_5.pdf
68ページ

この、例えば献立考えるところの支援の必要度合いの「ゆらぎ」部分を、この訪問調査項目ではなかなか汲み切れていないのではと思っています。

そもそも区分で障害状態を認定して、それに応じてサービス供給量を設定するのは、どうしても供給サイドの発想に利用者側を合わせることになってしまうので、もう少し自由に利用者の状態に合わせてサービスを選べるようになるといいですよね。


導入した時に作ってみた図


導入までにかかった時間などの記録

ちなみに、障害福祉サービスは就労支援などでも利用可能なのですが、難病で使えることが周知されていないのか、利用対象者に難病と明記している事業所でも、半数以上が難病の利用者がいないというデータもあるようで、その理由は「難病の相談がない」が圧倒的でした。

結論がまとまりませんが、難病当事者として、障害福祉サービスの導入までに感じた課題を紹介してみました。
自分は就労系のサービスなどは利用していないので、そのあたりの体験談・改善ポイントなどがあればぜひお聞かせいただきたいです。

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