下記，奈良県立医科大学(2019年)で出題された入試問題です。

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急激な運動などにより体内で嫌気性の代謝がおこなわれると，乳酸が生じる。グルコース1分子から乳酸が2分子生じる。また乳酸菌などによる発酵の過程でも乳酸が生じる。乳酸分子の中央の炭素原子には，4種の異なる原子または原子団が結合している。
　このような炭素原子を不斉炭素原子という。不斉炭素原子を一つ持つと，互いに重ね合わせることのできない1組の異性体が存在することになる。このような分子は，互いに左手と右手の関係にあり，互いに(　ア　)であるという。

　(　ア　)は，ほとんどの物理的・化学的性質が同じであるが，ある種の光学的性質が異なるので，光学異性体ともよばれる。また，味や匂い，生理的作用などが異なる。乳酸はカルボキシ基を有する1価のカルボン酸であり，またヒドロキシ基を有するので，(　イ　)に分類される。乳酸を加熱すると二分子で脱水縮合して二量化し，エステル結合をもつ環状のラクチドとよばれる物質を形成する。

　ラクチドを(　ウ　)重合させると，ポリ乳酸が得られる。乳酸を直接縮合重合するよりも，ラクチドを(　ウ　)重合した方が高分子量のポリ乳酸を得ることができる。

　ポリ乳酸のほかポリグリコール酸も，環境中の水分により加水分解を受け低分子化され微生物などにより最終的には二酸化炭素と水にまで分解されるので(　エ　)とよばれ，環境に負荷をかけない合成高分子として注目されている。また，医療分野において，これらの高分子は縫合糸(ほうごうし)や生体組織を再生させるための足場材料，薬を徐放するマイクロカプセルにも応用される。縫合糸の場合，体内で分解消失するので抜糸の必要がなく，施術後の負担軽減につながる。

■問題
空欄(　ア　)～(　エ　)に該当する語句を入れよ。

※一部改

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★「空欄に入る語句(解答)を入れた全文章」を朗読しています。


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