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利他はどこにでも見出せるもの

私が私淑する稲盛和夫さんが常日頃口にしていた「利他」。
料理と利他を結びつけるという一見すると「ん?」と思う本が
「料理と利他」(土井善晴・中島岳志、2020)です。

それから、他のものと組み合わせないで独立させるということは、それぞれがご機嫌なこと。
だから和食では混ぜるっていうことがないんですよ。というのはひとつひとつの食材に敬意を払います。ですから「和える」。それぞれの存在感を、美しいところを尊重させて、隣同士に・・・・・・、これも利他ですよね。複数の食材の利他が互いにはたらきあって、ひとつのおいしいものが生まれる。
そしてそのなかに、味覚や嗅覚、またカリカリという触覚的な変化を、口のなかで起こる変化を発見しながら食べている。これを昔の人は「探し味」と言っていますが、ある研究者は「口中調味」という言い方をしているものだと思います。だから西洋で言うところの混ぜる文化は、ケーキのように液体とか粉のものを混ぜ合わせて全然別のものをつくり出そうという、だから科学的とも言えるかもしれませんけれども、和食の場合はそれはないんです。

P.54

食材と同じように、仲間を尊重し合い、
「和えた」チームづくりを心がけたいな。
科学(合理性)だけではいけないと感じました。

日本人て、昔は「朝飯前や」という言葉をよく言ったと思います。
人からものを頼まれたときに、「ああ、そんなの朝飯前や」と言って一仕事をする。
その「朝飯前や」という言葉のなかには、頼んだほうの人に、悪いな、手を煩わせるな、時間を奪うなという思いが負担になるから、いやいやそんなことないんだと、頼まれたほうが「朝飯前や」と言うことで、相手の気持ちを切っている。
利他というのは、常に両者の方向からおこなわれているんじゃないかと思います。
ふたつの行為が合わさって利他になるんじゃないかと。

P.71

「朝飯前」と相手に言うだけで利他になる。
もう目から鱗です。いろんな見方がある。
今まで何の気無しにしていたこと、してもらっていたことも
視点を変えてみると利他につながっているのかもしれない。
身の周りに利他が増えれば、それだけWell-beingを感じられる。
まずは、利他を探してみよう。

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