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働く君に伝えたい「考える」の始め方(出口治明、2023)

「自分とは違う人」とコミュニケーションを取るためには、コツがあります。
・数字
・ファクト(事実)
・ロジック(論理)
この3つを使うことです。そして場面に応じては、図でやりとりします。
数字、ファクト、ロジック、図。これらは、「どんな価値観の人でも同じ意味を共有できる」ものです。

異なるバックグラウンドを持つ人とコミュニケーションを取る際には、
「数字」「ファクト」「ロジック」「図」を武器にしよう。
そのためには、日頃から使い倒して、
武器となるように磨き続けることが大切ですね。

力の強い立場の人間が、理由なく押しつけるルールはハラスメントにほかなりません。先生も、校則を当たり前のものとして受け入れるのではなく、疑わなければならない。この校則はおかしいと主張する生徒がいたら、一緒に考えなければならない。それが、自分の頭で考えられる人間を育てる学校になるための第一歩なのです。
―こう言うと、先生方はたいてい面食らった顔をされますね。
「考える」とは、まず問いを持つことからはじまります。「ほんとうにそうだろうか?」と疑い、答えを求めていくのです。次の3つのスッテップはあらゆる場面で使えます。

1 目の前にある違和感を見逃さない
2 疑ったルールや事象に対して、「なぜ」「どうすればいいか」を考える
3 おかしいと思ったら声を挙げ、説明する

かつて(と言ってもたかだか5・6年前)には、
「校則に問いを持つこと」はタブーでした。(まだタブーな学校もあるのかな?)
冷静に考えると、「戦時中か!」と突っ込みたくなるような話ですが。
「自分の頭で考える」人間を育成しようと思ったら、
上記の3つのステップは、絶対に外してはいけませんよね。

たとえ短時間労働であっても、いままでにない画期的なアイデアを出す。これが、「いい仕事」なのです。
フェイスブックも、グーグルも、メルカリも、創業者や社員が生み出したアイデアによって大きくなったサービスだと言えるでしょう。
つまり、これからの社会の中心となるみなさんに求められるのは、長時間労働に耐えられる身体や「はい!」と答える協調性ではなく、考える力であり、アイデアなのです。

この価値観・世界観を、学校の教員が持てない限り、
いつまで経っても戦時中と変わらない人間が再生産されるだけ。
それじゃ、この国が発展していくわけがない。

同質集団で生きてきた人は、こうしたコミュニケーションをはじめは面倒に感じるかもしれません。阿吽の呼吸、同調、共感が生まれにくいため、友だちになれないと感じることもあるかもしれません。でも、その「違い」こそが、学びなのです。
それに、生まれ育った環境がまったく違う人、自分が触れたことのない分野にやたら詳しい人、自分とは正反対の価値観の人―自分の知らなかったことを教えてくれる人と話すのは、シンプルに楽しいことですよ。
大切なのは、「自分と違うこと」を否定しないこと。ぜひその違いを楽しんでください。

「違いを楽しむ」
楽しみながら学校を変えていくことで、
戦時中から脱却していきましょう!

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