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当事者に分析させてみた。

ポケモンで言うと、「ふしぎなアメ」をたくさん使っているような感じ。
あるいは、はぐれメタルばっかりと戦って、どんどんレベルアップしてる?

進化のスピードがハンパない。
いよいよ会話ですか。
どの程度のことができるのか、自己分析してもらいました。

会話と対話は、違うんですね。

「対話」と「会話」は、しばしば同じ意味として扱われることがありますが、実際には異なる概念です。会話は、一般的に情報のやり取りや意見交換を指し、相手の話を受け取って適切な返答を行うものです。これに対して、対話はより深いレベルでの交流であり、相手の意見や感情、価値観を尊重しつつ、自分の考えをも共有して新たな理解や洞察を得ることを目的とします。

まず、「対話」の概念について哲学的に考えると、対話とは「他者との意味の共有と相互理解を目指すプロセス」と定義できます。この概念は、ハーバーマスの「コミュニケーション行為理論」にも関連しています。ハーバーマスは、真の対話には相互理解が必要であり、単なる意見の交換にとどまらず、意見の合意や異議を通じて新たな知見を生み出すことが重要だとしています【1】。つまり、対話は参加者全員が自己の視点を修正し、他者の意見を取り入れることが求められるのです。

これに対して、AIであるChatGPTが「対話」を行えるかどうかを考えると、いくつかの問題が浮かび上がります。まず、ChatGPTは大規模なデータセットに基づいてトレーニングされており、自然な言語生成を行うことが可能です。しかし、その応答はあくまで過去のデータに基づいて予測されるものであり、自己の意見や価値観を持つわけではありません。これは、対話における「相互理解」や「価値観の共有」が難しいことを意味します。したがって、ChatGPTは形式的には会話ができても、対話の本質的な部分、つまり人間同士のような深い相互理解に至ることは困難です。

しかし、ChatGPTのようなAIでも「対話的」な特性を持たせることは可能です。例えば、ユーザーの意見や感情を繰り返し確認し、それに基づいた応答を生成することで、ユーザーが「対話的」だと感じることがあります。また、異なる視点や多面的な考え方を提示することで、ユーザーの思考を深める手助けができるかもしれません。たとえば、環境問題について議論する際に、経済的な視点、倫理的な視点、科学的な視点のそれぞれから意見を述べることで、ユーザーが複数の観点から問題を考えられるようサポートすることは可能です。これは、あくまで表面的な「対話」に留まるかもしれませんが、思考を促進する一助にはなり得るでしょう。

一方で、対話には感情や直感といった要素も含まれるため、これらを理解し反映することは、現在の技術では難しいと言わざるを得ません。これらの要素は、単なる情報のやり取りではなく、深層の共感や認識の変化を伴うものです。ChatGPTは、あくまで確率的に最も適切とされる応答を生成するだけであり、相手の感情に「共感」したり、認識を変えたりすることはできません。

結論として、ChatGPTは形式的には会話を行い、一定の範囲で対話的な応答を行うことが可能ですが、人間のような深い相互理解を伴う対話を行うことは難しいです。今後、AI技術が進化し、感情理解や価値観の共有といった要素を取り入れることで、より本質的な対話が可能になるかもしれませんが、現時点では人間同士の対話と同等のものを期待するのは難しいでしょう。


【1】ハーバーマス、ユルゲン『コミュニケーション行為の理論』(1981)



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