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社内の人事データ分析で明らかになった思い込みの誤り:ハイパフォーマーと離職傾向の新たな発見

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
今回は、社内の人事データ分析を通じて、これまでの常識や思い込みが実は誤っていたという事例をいくつかご紹介します。
データドリブンのアプローチを取り入れることで、新たな視点から従業員のパフォーマンスや離職傾向を理解することができました。
その中でも特に興味深かったのは、「ハイパフォーマーになる要因」と「離職する要因」に関する発見です。

目次

  1. ハイパフォーマーになるかどうかは、学歴・資格と相関が弱かった

  2. ハイパフォーマーになるかどうかは、これまで一番長く一緒に仕事してきた直属上位者が誰であるかと相関が強かった

  3. 離職するかどうかは、業績評価と相関が弱かった

  4. 離職するかどうかは、直属上位者が誰であるかと相関が強かった

  5. 終わりに

1. ハイパフォーマーになるかどうかは、学歴・資格と相関が弱かった

これまでの採用方針では、学歴や資格が優秀な人材の指標とされ、ハイパフォーマー(高い業績を挙げる従業員)になるかどうかを予測する際にも、これらの要素が重視されていました。
しかし、データ分析の結果、学歴や資格とハイパフォーマンスの相関は思いのほか弱いことが明らかになりました。
むしろ、学歴や資格が高くなくても、実際の業務で高い成果を上げている従業員が多く存在することがわかったのです。

所感
人事部としては、どうしても学歴や資格を評価の軸に置きがちでした。
しかし、このデータを見てからは、本当に重要なのは実際の業務でのパフォーマンスであると痛感しました。
学歴や資格に過度に依存することの危険性を再認識しました。

2. ハイパフォーマーになるかどうかは、これまで一番長く一緒に仕事してきた直属上位者が誰であるかと相関が強かった

意外なことに、ハイパフォーマーになるかどうかに最も強い相関を持っていたのは、その従業員がこれまで最も長く一緒に仕事をしてきた直属上位者の存在でした。
つまり、どの上司の下で働くかが、その従業員のパフォーマンスに大きな影響を与えるという結果が出たのです。
具体的には、リーダーシップのスタイルや育成方法がハイパフォーマンスに直結していることが示されました。

所感
この発見は、私にとって非常に驚きでした。
上司が部下に与える影響の大きさを改めて認識し、優れたリーダーの育成が組織全体のパフォーマンス向上に直結することを強く感じました。

3. 離職するかどうかは、業績評価と相関が弱かった

従来の考え方では、業績評価が低い従業員は会社に不満を抱きやすく、離職のリスクが高いとされていました。
しかし、データ分析の結果、業績評価と離職の相関はそれほど強くないことが判明しました。
業績が高い従業員でも離職するケースが多く、逆に業績が低くても会社に留まり続けるケースもあるという結果が出たのです。

所感
業績評価と離職率があまり相関しないという結果を見て、会社の評価制度だけで従業員の満足度を測ることの限界を感じました。
これまでの人事戦略に大きな見直しが必要だと感じています。

4. 離職するかどうかは、直属上位者が誰であるかと相関が強かった

また、離職するかどうかに最も強い相関を持っていたのは、その従業員の直属上位者の存在でした。
特に、上司との関係が良好でない場合、離職のリスクが大幅に増加することが明らかになりました。
この結果は、リーダーシップの質が従業員の離職にどれだけ影響を与えるかを示しています。

所感
直属上司の影響力がこれほど大きいとは思ってもみませんでした。
リーダーシップの質が社員の定着率に直結することを考えると、今後のリーダー育成プログラムに力を入れる必要性を強く感じます。

5. 終わりに

社内の人事データ分析を通じて、これまでの思い込みがいかに誤っていたかを痛感しました。
学歴や資格だけに頼らず、実際のパフォーマンスを重視すること、そして、直属上司の影響力を無視せずに、リーダーシップの質を向上させることが、組織全体の成長と安定に繋がることが分かりました。
今後は、これらのデータに基づいた人事戦略を構築し、より強固で持続可能な組織作りを目指していきたいと思います。

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