前編 何でもお金に換算しようとする現代 GDPという欺瞞
皆さんこんばんは。
資本主義経済は産業革命を機に始まり、現代まで200年ほど続いています。
資本主義が生んだ指標に「GDP」があります。
『国内で産出された付加価値の総額』と、ありますが、この付加価値が産出されたとカウントする瞬間は、人や企業がモノやサービスを購入する時です。
ある人が「欲しい」と感じ、お金を払えばそこに付加価値があったと判断されるわけです。
しかし、ここで1つはっきりすることがあります。それは、GDPの性質上、"お金で買えないものは付加価値があると判断されない"つまり、GDPでは測れない、ということ。
何でもお金に換算する現代ですが、お金に換算出来ないもの、お金に換算できない価値がありますよね。
例えば、【人気】。月額1,000円払う会員が1万人居るファンクラブを持つアイドルに対し、100万円払えばその人気を獲得できるのか。そうではありません。
そのアイドルの人柄や性格、可愛げ、スキル、ルックスなどがあるからファンはそのアイドルのファンになっているのです。
そのアイドルはライブやグッズ販売などを行い、100万円以上の付加価値を生み出すでしょう。
そのアイドルにいくらの価値があるのか、生み出した付加価値で測ることは出来ますが、先ほど述べたようにそれはあくまでも、目に見える部分だけの話。そのアイドルのバランスシートに「人気」という項目は出てこないですし、正確に測れる計算方法がないですから。
資本主義が正義?
「お金で買えないものはGDPでは測れない」こと以外に、もう一つ欠点があります。それは、GDPは「量」を測るもので「質」は測れず、どこにどれだけその付加価値が行き届いているのか測れないということ。
「付加価値を多く生み出した国が豊かだ」という考え方ですが、生み出されたモノやサービスが本当に私たちにとって"必要なのか?"考えないといけないと思うんです。
この点について説明します。
現代社会では、人々の生活はほぼ全てと言って良いくらいGDPを増やすことに寄与していると言えます。
GDPを増やすには私たち国民が「働き」、「消費」しないといけません。
①仕事以外の時間では、仕事のストレスを解消するために時間を使う。
⇨現実逃避するための刺激的な映画やアニメが流通したり、ギャンブルが用意されていたり(本当に必要なのか…?)。
②食事は時短で手軽に済ませたい。健康を気にしない。
⇨そのため、世の中には自然の法則に抗う(例えば、すぐには腐らないようにする)ために開発された、人体には不必要な物質が含まれた食品が流通し、人々は健康を気にしない。
(本当に必要なのか…?)
③GDPを増やすための労働力(子供)を産む。
⇨家庭を持つのは「当たり前」で、その子供が社会に出るためにあと+20年、身体に無理言って働かないといけない。そのための様々な「保険」商品やサービスが流通する。
(本当に家庭や子供が欲しいのか?)
これら一部に過ぎず、他にも沢山あります。
知らず知らずのうちに国の経済力を軸に行動している(させられている)わけです。
【追記】
※資本主義とは、キリスト教プロテスタントの考え方から「神性」を取っ払って作った概念です。共産主義はカトリックから神性を取っ払ったもの。これらの概念は、意図的に"創られて"います。長くなるので詳細は省きます。
お金を稼ぐことと経済を大きくすることが正義とされる現代ですが、不要なものも沢山世の中に溢れていますよね。
無駄なモノを生産してたってそれは本当に豊かな国とは言えないし、分配できる技術があるにも関わらず貧困層を放置しているなら本来、豊かとは言えないでしょう。
今後の経済
資本主義vs共産主義の構造が終わりを迎え、新たな経済システムが誕生するであろう2030年以降の世界。今度はどんな経済的概念を創るのでしょうか。
1つだけ考えられることは、「これまでお金に換算出来なかった価値を重視するようになる」ということです。
資本主義の目的は、技術発展と金融=軍事で世界を支配するためです。
軍産複合体という巨大な産業界を牛耳っていた米国ですが、その体制ももう終わりです。
「世界の警察を辞める」と、2016年に発言したトランプは米国の支配体制を終えると言っていたのです。現に2021年、アフガニスタンから撤退し、イスラエルやその他の中東地域から軍を撤退する流れは加速するでしょう。
話が飛んでしまいましたが、金融(経済)と軍事の関係性が崩れるというのは、今後の金融システムを考える上でとても重要なポイントです。
『お金を稼がせる』ための1つの大義名分が無くなったのです。
まず最初の大きな変化として、デジタル通貨や暗号資産の一般化が予想されますが、それに併せて通貨の概念も変わるのではないでしょうか。
現在、通貨には3つの機能が付いています。
保存・交換・尺度です。どのように変わるのかは不明ですが、新しい金融システムが構築されるのは間違いないので、何か目処が立てばその都度記事を更新したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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