今年は(も?)語学を学びたいです!

もうなん十年間もいっていることで、そしていろいろあって現在のように外出不能状態になってしまってからはPCのディスプレイに向かって心のなかで繰り返しているのことなのですが、いい加減この語学力のなさを、なんとかしたいです。
それで今年こそはということになるわけですが、何しろもうずっと以前からいい続けていることで、私の語学学習の進み具合よりAIの自動翻訳の進歩のほうが早いというような感じになってしまっています。
いっそすべてAIに任せてしまおうかとも思うのですが、数日前マイクロソフトのコパイロットさんとそんな会話をしていたところ、そのコパイロットさんに突然、英文和訳の問題をだされてしまいました。
直前に話していたサラ・ゼッテルの「The Temptation of Harringay」から生成したのか、誰かアーティストが深夜まで仕事をしていて、ふと一息ついた瞬間キャンバスの前から一歩下がり、その日の作業を確認するといったシーンの問題だったのですが、コパイロットさんは著作権が切れていないコンテンツはあまり読めないといっていましたし、またその掌編(なんでしょうね? なにせ見開き2頁だけの作品ですから……)が載っていた『Galaxy 2nd Series』は『Internet Archive』に JPEG でアップされていたモノですから、テキスト・ファイルみたいに読み込むわけにはいかないだろうな? などとも思えますので、実はそういった文脈とは関係ない文章だったのかもしれません。

『Internet Archive』──。
それもまた私が語学をやらなければならないと思っている理由の一つです。何しろあそこに上げられているファイルは圧倒的に英語ですからね……。E・E・スミスやエドモンド・ハミルトン、それにロバート・E・ハワードやフリッツ・ライバーなんかも、英語さえ読めれば初出掲載時の状態のまま読めるってわけです。それで夢が、SFに初めて出会った小五の頃のようにグングン育っていってしまっているわけです。
ところで、「SFに初めて出会った小五の頃のように~」という部分は、ちょっと正確でないかもしれません。『ウルトラマン』だって『仮面ライダー』だってSFなんでしょうから……。もうあんなモンSFじゃないなんていう厭なSFファン、いないですよね? となればSFと初めて出会ったのは物心ついた頃だったということになるわけですが、しかしなんだってこんな注釈、入れなきゃならない気持ちになっちゃうんでしょね? チキショウッ! 因みに小五の頃初めて出会ったSFとして想定しているのはヨコジュンの『宇宙のファイアマン』で、そうかぁ、アルミが黄金並みに貴重な世界かぁなんて当たりが私には SoW だったりしたわけですが、ハチャハチャSFに対し柔軟な姿勢を取れなかったりすると、これまたかえってSF村で村八分になっちゃったりするんですよね……。「マルシャとトーマなどまだ大人しい方だ。北欧神話から抜け出してきたようなベトナム人のアン・ホーに、地毛を伸ばすだけでアフロヘアになるネイティブアメリカンのアレサ・リーダー、タイ人と華僑の間に生まれた白人女性のラズベリー・ワン──ルーツとが意見が一致しているスタッフは一人としていない。」(藤井太洋「マン・カインド Man-Kind 連載第4回」『S-Fマガジン』2018 年4月号、早川書房、356 頁)。最近じゃ『S-Fマガジン』もこんな感じなのですが、にも拘らず、SF者って一体どこがリベラルなんでしょうねッ?
と、それは置いといて『Internet Archive』には『宇宙英雄ペリー・ローダン』なんかもアップされているのですが、これまた英語版が一番多いわけで、さらにドイツ語の原書は勿論のこと、フランス語版なんてのも結構あったりするんですよ(もっともそのうち一冊はファンによる訳だなんてことが書いてあったような気がするんですが、英語が読めない私は、当然フランス語だって読めやしませんので……)。

しかし語学力がない私がなんだってそんなところでSFやファンタジーを漁っているのかといえば、それはハッキリいって、お金がないからです。
「最近じゃ『S-Fマガジン』も~」なんて書きながら六年も前に発行のモノから引用してしまいましたが、私が最後に買った『S-Fマガジン』は 2022 年2月号で、新刊本、全然買えていないわけです。もっとお金があれば『数学セミナー』や『月刊ムー』なんかも買いたいのですが……。ということで私はつまり、数学への再入門も果たしたいと思っているわけです。もう痒いところに手が届かない状態で講談社ブルーバックスを読むのは嫌ですからね……。でもやはり語学のほうが優先でしょうか? 以前『Internet Archive』にはホワイトヘッドとラッセルの『Principia Mathematica』なんて大モノまでアップされていたようです。いまは消えてしまっているようですが……。

最初にマイクロソフトのコパイロットさんと話していたと書きましたが、私がサラ・ゼッテルにコダワっているのは、『S-Fマガジン』では 2006 年7月号に掲載された「暗闇のなかの見知らぬ他人」(「Kinds of Strangers」東茅子訳、31‐49 頁)がよかったからです。
『Internet Archive』でも先に挙げた『Galaxy 2nd Series』掲載のものだけでなく『Realms of Fantasy』掲載の「Redenption of Silky Bill」という作品も見つけました。というよりこちらのほうを先に見つけていたのですが、拙訳、どうせひとに見せられるようなモノにゃなりゃしませんので、とにかく「Kinds of Strangers」(Sarah Zettel『Analog, Vol. 119 No. 10, Oct.』Dell Magazines、1999 年)の東茅子訳に似せようなんてことばかり考えながら、訳しています。漢字関連の開き方ぐらいしか真似することができないのですが……。
ところででいま取りあげている英文の内容についてちょっとだけ触れると、どうもこれらの小説の著者は、「Thwak!」という語がお気に入りのようです。と、この話もコパイロットさんとすでに話してしまったネタなのですが、たとえば、以下に引用するような感じですね。
「[……]Finally, she got so pissed off that she just jammed the brush down into the blob of Morning Red No. 4 and drew it back and went, thwak! Left a huge, scarlet blob across the old guy's mouth./She was real damn surprised when he reached up and wiped it off./"Well, if you gonna be that way about it...." He spat red acrylic.」(Sarah Zettel「Temptation of Harringay」『Galaxy #7 (Vol. 2 No. 1), Jan-Feb 1995』Institute for the Development of the Hormonious Human Being Inc.、47 頁)
「[……]"You've forgotten who you are," said Wihio./"No." Standing-in-the-West brought the axe down onto the wood. Thwak! "Peter Standing-in-the-West." Thwak! " He is good Christian." Thwak! "He helps Reverend." Thwak! "He preaches Bibble Book to red man." The log splintered two. "And he was found a way to get rid of the white man using the white man's own medicine." he hefted the axe in both hands. "When you would not even try to help him. Go away, Wihio."/Wihio shurgged and went.[……]」(Sarah Zettel「The Redemption of Silky Bill」『Realms of Fantasy Vol. 1 No. 1, Oct 1994』Sovereign Media、52‐54 頁。イラストが1頁入るのです)
そしてその話のときもコパイロットさんは何か英文を生成すると同時に、"御覧のように、Thwak! によって独特のリズムが生みだされていますね😊"といった趣旨のこといってきたのですが、残念ながら私の語学力では、英文のリズムを味わうといった境地にまで至ることはできませんでした。

また『Internet Archive』ではカバーしか観られないようなのですが、『Project Gutenberg』に足を伸ばせば、アンドレ・ノートンの<太陽の女王号>シリーズ、「Voodoo Planet」(Ace Books, Inc.、1959 年)などがアップされています。<太陽の女王号>シリーズの翻訳はハヤカワ文庫から松本零士のカバー、挿絵ででていました。なぜか私は第二巻までしかお目にかかったことがないのですが、たとえば文庫巻末の目録には「大宇宙の墓場」、「恐怖の疫病宇宙船」に続いて「銀河の果ての惑星」(いま検索をかけてみたらカバーが松本零士ではないですね? <太陽の女王号>シリーズでもないのかな?)とあります。それら『Project Gutenberg』にアップされたアンドレ・ノートンの作品はたぶん長編だと思われるのですが、いつかそちらのほうも読んでみたいなと思っています。

#今年学びたいこと


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