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潰れかけのオンボロ病院で働く病棟師長
私の友人は潰れかけのオンボロ病院で病棟師長として頑張っている。
彼女の勤めるこの病院、1日外来患者数多くて25名。高齢者ばかりの田舎町で病床はガラ空き!
やっと経営しているような病院なのだ。
地域の方からは「あの病院に入院したら帰って来れない。」と言われている。
開業し43年経ち、幽霊が出るんじゃないかと思わせるような外観だからそう思われるのも仕方ない。
仕事中に居眠りをする勤務医、働かないスタッフ。
給料はたんまりもらうが病院の宣伝や営業などやらない事務長。
口だけで動こうとしない看護部長。
そんな潰れかけた病院を立て直すために教育担当の看護師として彼女が入社したのは2年前。それまでは国立病院の副看護師長をしていた。
彼女が潰れかけたオンボロ病院に就職し1年経過したころに病棟師長がイキナリの退職。
そこから彼女はイキナリ病棟師長になるというスピード出世をしたのだ。
スピード出世というと聞こえがいいが、彼女にしてみたら嫌な役を押し付けられた!!!というかんじだった。
「え?だったら断ればいいじゃないですか!」昇格したと聞いた私はその時そう言った。
「なん!私もそう思ったけど、こん病院は地域の方々にはなくてはならない病院だってわかってるし。スタッフもいっちょん働かん。長年ここで働いててここの病院しか知らない看護師ばかりでここが無くなったら他に就職できると思う?私はできないと思う。だからここが潰れたら困る人の為に私はやるしかないと思ってる」と彼女は言った。
彼女は曲がった事や筋の通っていない事が大嫌いで正義感にあふれている。
そんな勇敢な彼女だから間違っている事は院長に面と向かって抗議する。
煙たがられ、嫌がられ、全否定されても同じように間違っている事は改善すべきだと訴える。
正しいと思うことを伝える事って私たちの日常で諦めががちなこと。
めんどくさい!どうせ変わらないじゃん!嫌がられてまで言うことではない!そう思っちゃう。
組織に入ってしまったらなおのこと。
いつのまにか波風立てないほうが利口だと思う自分になってしまった。
でも、自分の意見を根拠を持って伝えれるような自分でいたいと彼女を見ていつも思う。
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