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【現場スタッフ編⑤】

・クレームの原因について

 クレーム対応に携わる私たちも、日常生活においては一般消費者です。

 もし購入した商品が不良品なら、販売店に返品もしくは交換を申し出なくてはいけません。

 あるごはん屋さんの例をみてみましょう。

 お昼休みにいつもよく利用するごはん屋さんがありますが、この前駅前でチラシが配られていて、そこよりもう少し遠いけど、新しいごはん屋さんがオープンしました。なので、今日はそこに行くことにしました。さすがに混んでいて、店員さんも忙しそうだったのですが、「いらっしゃいませ」も言いません。メニューも豊富で値段も手ごろ、味もよく美味しかった。けれど店員さんの態度、仕草がふてこくて、気になってしまい、嫌な気分でお店を後にしました。「わざわざ遠くまで行って損したな、いつものところにしておけばよかった」とあなたは思います。

 でも、だからといってお店に「店員さんの教育どうなってますか?」と苦情を言うでしょうか。言いませんよね。
 
どうしますか?

 そう、「もう2度と行かない」です。これをサイレントキラーといいます。実はお店にとっては、クレーマーより怖い存在なのです。
 
 オープン当初は賑わっていたのに、最近閑古鳥が鳴くようになった。慌ててセールチラシなどを配っても、もう手遅れ。閑古鳥が鳴いた原因もわからない、です。つい最近できた飲食店がもう閉店した、なんて話しはゴロゴロありますよね。
 
 では、自宅の近所に新しくごはん屋さんがオープンしたとします。メニューも豊富で日替わり定食も充実、とてもおいしく値段も安い。なんなら休日は3食もありかな、くらい気に入りました。しかしながら、店員さんが「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」も言わず、料理の扱いも乱暴(またか)(笑) なら、皆さんどうでしょう。
 私なら、お店の店長さんに「もう少し店員さん、あいそよくなりませんかね」くらいは言うかなと思います。が、いざ言うとなると勇気をふりしぼらないといけないし、言ったあとに後悔するかもです。「なにも自分がわざわざ言わなくても、他のお客さんが言ってくれたんじゃないか」とか。
 
 実はクレームを言った人の多くが、後悔しているというデータがあります。言い出すまでに葛藤もしています。
 
 それでも今回言いましたよね、なぜ?

 最初のごはん屋さんは、2度と行かないことにしましたよね。ですが、自宅近所のごはん屋さんには言いました。

 それは、今後も利用したいからです。

 お客様がクレームを言うのは、「残念な期待はずれを、改善して欲しいから」です。

 クレームの原因は、そんなに多くはありません。

(1)人(店員さん・スタッフさん)の対応などに関するもの
(2)商品・サービスに関するもの
(3)誤解・行き違い
(4)設備に関するもの(店舗の自動ドアなど)
(5)その他目的がはっきりしないもの

※(5)については、高齢者に多く、「話し相手」欲しさの場合があります。

 見極め方は、「他の話し(世間話など、クレームとは無関係な話し)」をしだす、です。話し相手に付き合うほど、こちらは暇ではありません。二次クレームにならない程度に付き合い、早々に切り上げます。方法は打ち切り方などの項目でお話しします。

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