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ホーローがはがれても使うぞル・クルーゼ

結婚祝いにもらったル・クルーゼの鍋がある。
「何か希望は?」と言われたから、ル・クルーゼの鍋がほしいと言って、色からサイズからみーーんな私好みにしてもらった。

買った頃は何でも作ったのに

地元の商店でル・クルーゼ商品を扱っていた。レシピ本と一緒だった。

中古で今でも売っていた!

この店でどの鍋がいいか相談し、友人たちに買ってもらったときの嬉しさよ!
わくわくしながら、このレシピ本に書いてある料理を試した。
すごく重いけれど、それがなんだっつうのよ。肉じゃが、カレー、ビーフシチュー、炊き込みご飯、いろいろ作った。
ところが作っているうちに焦がしてしまった。痛恨である。重曹でそっと焦げをとってみたが、一部のホーローがはげてしまった。

でも大丈夫! ちょっとだけだもの。
その後もばりばりと使い続けた。
ところがその後、またもや焦がしてしまった。
その日はちょっといらいらしていた。その結果うっかり目を離したすきに焦がしてしまったんである。
もういらいらが吹っ飛ぶほど泣いた。
ホーローはべりべりはげてしまった。もう、シチューや炊き込みご飯を作る気持ちにはならなくなってしまった。

それでも使い道はある!

じゃあ買い替えるか、というと微妙である。
肉じゃがもカレーも炊き込みご飯も、ル・クルーゼではなくても作れる。
シャトルシェフもあるし、土鍋もある。
ル・クルーゼは直ちに買い替えなければならない必需品ではなかった。
それに、ホーローがはげても使い道があった。

蒸し器として使える

結婚祝いとしてもらった時に、ル・クルーゼ専用のスチーマーも一緒にもらった。これをセットすれば蒸し器として使える。
蓋が重いし、保温力が抜群だから、じっくり火が通る。
夏はナス、モロコシを蒸す。モロコシは茹でるよりも蒸すほうがずっと美味しい。
秋はじゃがいも、さつまいも、かぼちゃを蒸す。
特にさつまいもはゆっくり蒸して、そのまま一晩置いておくと、しっとりと甘いふかし芋になる。
おかずにもなるし、おやつにもなる。このところずっと作って食べている。

保温調理器として使える

甘酒を作る時はシャトルシェフを使うけれど、「玉ネギ麹」「にんにく麹」を作る時はル・クルーゼを使う。
ル・クルーゼに湯をはり、布巾を底に敷く。耐熱ガラスのボールをそっと入れ、中におろした玉ネギと麹、塩をまぜたものを入れる。加熱し、58.5度を越えたら蓋をする。子どもが小さい時に使っていたジャンバーでくるんで保温。時々温度を測り、加熱しながら6時間ほど保温して完成。
これで作った玉ネギ麹もにんにく麹も重宝している。家族は「まーた何やってんだか」という顔をするが、玉ネギ麹を入れた味噌汁などを作ると、「何入ってんの? 美味しい!」と驚く。深い味になると思う。

おもしとして使える

いや、さすがにこれはだめでしょ、ル・クルーゼに失礼でしょ。
と思うでしょうが、素晴らしい料理になるので許していただきたい。
こちらの料理である。というか、こんなに真面目に作ったことはない。

ル・クルーゼの鍋をドン、と乗せればいい。皮が本当に美味しそうに焼ける。

こんなふうにホーローがはげても使い道はある。だから処分できない。まだまだ使うだろう。

処分できない本当の理由

でも、処分できない理由は他にもある。
この鍋を贈ってくれた友人たちとは今、連絡をとっていない。結婚後まもなく、彼女たちとは交流がなくなってしまった。

高校時代からずっと仲良しだった。進学先も就職先も別々、住んでいる場所もばらばらになったが、年に何度も会い、会食したり、一緒に旅行に行ったりしていたのに、今では年賀状も来ない。

私が悪かった。ずっと仲良しだったから、少しくらい甘えてもいい、ちょっとくらい失礼なことがあっても大丈夫、とたかをくくっていた。
高校を卒業してから長い年月が経ち、それぞれが別々の価値観を持ち、ふだんは別々の人間関係の中で暮らしていた。お互いのあわない部分が大きくなってきていたのに、それを尊重することができなかった。

などとグチグチ悔やんでもしかたがない。でも、これでル・クルーゼを処分してしまうと、本当に本当に彼女たちとの縁が完全に切れてしまいそうで嫌なのだ。

ま、いつもこんなに湿っぽく思っているわけでもないけれど。
ともかく、ホーローがはげてもル・クルーゼは使えます。

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