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正真正銘のメンヘラ

 もしかして、精神疾患はひとまず寛解したのかも?

 10月に入ってから、心に謎の余裕が出てきた感じがある。躁でもなければ、うつでもない。
 あぁ、これがメンタルの健全な人が見ている景色か。幸福とは言い切れなくても、不幸ではない。良くも悪くも安定している。
 日々に刺激がなくとも、あふれるような多幸感がなくとも、そういえばこれがメンヘラになる前の感覚だったかもしれないと思い至る。

 私が躁状態を初めて味わったのは、21の秋だった。きっかけはハッキリとは覚えていないが、突然の全能感が私を支配した。今なら何でもできる、人生が楽しい、私は最強。すべての人にやさしくなれる気がしたし、すべての物事に前向きに取り組める気がした。
 1ヶ月程度で消失したはずだが、そのときはひとりで楽しくなっていただけで、実際に行動に移さなかったことがある意味救いと言える。

 その後はしばらく間が空き、25歳の春、またも同じような症状で、今度は2ヶ月程度続き、その後は軽度のうつ転をした。

 次は26歳の冬で、かなり強めの症状が3ヶ月程度出た上に、実生活にも影響が出た。職場で気に入らない上司とやり合ってしまい、居場所を失った。
 躁が強く出た分、反動でうつも強く出た。その後半年は地獄のような苦しさだった。

 27歳の春、またも躁転。約半年で燃え尽き、その後3年うつに苦しむことになる。ここで初めて精神科にかかり、うつ病だと診断を受けた。

 あくまで自己診断なんだけど、私は双極性障害II型なのでは?たまたまうつの一番キツイときに病院に行ったから、うつ病ってことになってるけど、振り返ればめちゃくちゃ躁鬱の症状出てるじゃん。

 実際うつが明けたあと、今年に入って冬〜春〜夏〜秋に至るまでが一番躁鬱を繰り返したしね。しんどかったな。

 躁鬱になる前の世界ってこんなだったな。刺激もないけど平穏だった。それを退屈だと思わないわけじゃない。躁状態になると、頭の回転が早くなって前向きになるし、調子が良くなったと錯覚してしまう。これこそが本来の自分の能力だと思い込んでしまう。そうではないことにようやっと気づいた。

 正直、きっかけが何かはわからない。ただ、働くということが社不の私にとって非常なストレスで、それが原因だったのかもしれない。
 若いころは何も考えずに生きていられたけど、年を取れば求められるものも多くなる。そういうプレッシャーに追いつめられていった部分もあるのだろう。
 小さいころから社不だったし、親との相性もよくなかったし、きっと原因はひとつじゃない。いくつかの要因が絡み合ってなるべくしてなったものなんだろう。

 今は落ち着いてても、いつまたトリガーが引かれるかは、当事者である私ですらわからないのが精神疾患のおそろしいところだ。

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