見出し画像

人事施策の展開には【管理職の巻き込みが鍵】

管理職の巻き込み!「自走化」に向けた仕組みのヒントを大公開!

全社リスキリング社内浸透において、管理職の巻き込みは【重要な鍵】になります。リスキリングに限らず、人事施策の展開においては社内にどう浸透させるかの鍵は管理職にあります。リスキリングを例に取り組みをご案内します。

背景

e-lerningサービスを契約して3年経過していますが、育成を根本から改革させるため、全社リスキリングのプロジェクトを発足し、学習ツールの一つとしてそのe-lerningサービスを最大限有効活用しています。

改革の原動力となったのは事業戦略の変化でした。それまでは成長意欲がある人のみが学び、それ以外の人は学ばないという状況でしたが、「このままでは社員の成長が足かせになってしまう」という事業成果に対する危機感から全社リスキリングのプロジェクトが立ち上がりました。

e-lerningサービス運用方法

  • 対象人数:全正社員

  • 利用用途:自発学習

  • 学習目標:業務時間内で平均週1時間

  • 指定講座:強化したいスキルを本人が自社スキルマップから選択

  • 目標設定:自社のスキルマップに沿って上司・部下の1on1にて目標設定

成果

  1. 1on1における成長支援の定着

  2. 現場主導の勉強会や学習内容の共有/発信による好サイクル

風土醸成の工夫

どのように学習風土が醸成され、成果創出につながったのか、ポイントをお伝えします。一番のポイントは「管理職の巻き込み」と「スキルマップ作成」がそのまま利用促進に繋がったことです。

経営のテーマとして全社リスキリングがスタート

リスキリングの目標「成長への投資」というメッセージを人事・経営からも発信し全社リスキリングプロジェクトが始動いたしました。

学習目標:業務時間内平均週1時間 これを人事としては何かしらのツール(e-lerning・外部研修・読書・それ以外)でしっかり使い切ってもらうことを大事にしていて、環境整備と風土醸成から改革に入りました。

環境整備

  • カリキュラムマップの展開(mustの提示)

  • 学習に関わる費用についての情報展開(規定、社内ルール、手続き方法)

  • 学習に関わる面談記録、進捗記録環境の準備

風土醸成

  • 学びの情報共有(イントラネット、勉強会)

  • 会話の場作り(朝礼、面談)

風土醸成の第一歩は「学び」を気軽に発信する場づくりです。自社のイントラネットに「気軽に発信していい場所」を作りました。e-lerningサービスや外部研修、読書はもちろんのこと、日常生活・ドラマに至るまで投稿する内容はカジュアルで気軽に記録として書き込めるスタイルにしています。また、朝会の3分学びシェアなど、書く・話す等学びを発信する機会を増やしていきました。

管理職の巻き込みで苦労していること

管理職と一口に言っても、社歴や経歴も違い、数年で帰任する出向者も混在しています。リスキリングに対する理解、想いも大きく異なりました。そこで、週次勉強会の中にワークショップも取り入れ、共に考え、手を動かし相互理解の機会を作りました。人事もできる限り毎週参加し、積極的に関わることで目線を合わせたメンバーへの発信に取り組んでいます。

<ポイント>

  • 管理職間の齟齬をなくす!

  • 管理職の手間を軽減!

  • 丸投げではなく人事も中に入る!

管理職発信の勉強会

部下の業績を上げるためにも管理職発信で実施する重要性について、度々人事からも発信を促してきました。一つのアイデアとして、学ぶ時間を決めてチームで一緒に時間を作ることです。フリースペースで集合し、一緒に動画視聴(チームによって週1回を決めている)その後に、共通のテーマで各々ディスカッションを行います。

「一緒に学ぶ事」の価値は、一人では勉強できない人も周囲が学んでいる環境に身を置く事で、できるようになることです。また、視聴して終わりにせず熱量が高いうちに、自分の言葉で話す機会もセットで用意することで学びの相乗効果も高めていきます。

<ポイント>

  • 管理職の動きを素早くキャッチし、承認・賞賛!

  • 他部署に対してのアウトプットを促し、好事例を横展開!

管理職との目線合わせ

各メンバーの利用状況は管理職には開示しています。メンバーの学習時間を見ることで管理者は、意欲的に学習しているのかを考える機会になると考えています。目線合わせのスキルマップはe-lerningサービスに公開されているMAPをベースに作成しています。

<ポイント>

  • 空中戦にならないように人事が素案やフォーマットを準備!

忙しくて学べないという声を耳にしたら

仕事と自己啓発の両立はとても難しいことは理解しています。「忙しくてそれどころじゃない」「勉強する暇があったら部下には仕事をして欲しい」という声を耳にすることは人事担当の方もあるのではないでしょうか。

会社を見渡すと一番しんどそうな部署は必ずあり、その部署の方をどう支援していくかも人事の大事なミッションです。採用で一時的に解決するのではなく課題の根本から一緒に考えていくことが大事です。

メンバーの業務断捨離を管理者が判断・サポートすること。管理職に対して、業務効率化を考え部下の業務時間圧縮とその活用法をリスキリングとして指導することを行っています。

例えば

  • 提出のレポートに何時間もかけている場合、本当にそこまで時間をかけなければ提出先は納得しないのか?

  • 提出先が知りたいことは何か?

  • それを自動化できないのか?

今やっていることをやめるのではなく、部署の抱えている課題や悩みに問いを立て、共に議論し断捨離に向けた必要な学びを共に考えていきます。

意見交換しながら「こういうふうに進めていけばいいよね」というような議論ができて、管理職にも役割と行動目標を与えることで、管理職も動きやすくなります。すぐには無理でも管理職の腹落ち感を得られれば、理解してくれますし、育成に対して同じ目的意識を持って、いつか人事の側のフォロワーになってくれる人もいると思います。


いかがでしたでしょうか。人事も忙しい中、どのポイントに稼働をかけ施策を後押しすることが成功への近道か!?最初は人事から発信していましたが、人事の手から離れて現場社員に任せていく方法を日々考えています。ぜひ、他の方からもご意見頂けると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?