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【感想】共産主義と映画「ウィッシュ」

共産主義ってどういうもの?説明してと言われても中々言葉が出てこない、何となくのイメージでしか分からないという方は結構多いのではないかと思います。最近本や記事で調べるまで、僕も何となくでしか把握していませんでした。

そのなんとなくとは、「社会主義を言い換えたイデオロギー」というものでした。なので社会主義と共産主義はほぼ同じだと思っていたのですが、調べてみると興味深かったので、映画「ウィッシュ」と織り交ぜて共産主義について書こうと思います。

共産主義とは?

社会主義は資本論の影響を受けた労働者による、資本主義を否定する経済の仕組みであり、具体的には、競争は起きず、計画経済によって過剰生産も不足も起きない、といったものです。

では共産主義はどう違うのかですが、社会主義は手段で、共産主義はそのゴールだと言えると思います。
社会主義の先にあるユートピアのようなもので、社会主義国家(例えばソ連や中国)は将来的に共産主義を目指しているという前提があるようです。

なぜ理想郷なのか。
社会主義では、資本主義のように経済格差は生まれず、資源は無駄なく活用されて、経済は発展していき社会は豊かになる。誰もが平等に、もっともっと豊かになれば、それ以上豊かになりたいと思うことがなくなり資源を奪い合うことがなくなり、戦争はなくなる。世界中の国がそうなれば国境もなくなり世界が1つの国になる。現実には恐らく起こりえないことなのですが、これが簡単な共産主義の説明になります。

映画「ウィッシュ」のあらすじ【ネタバレ注意】

2023年に公開されたディズニーの最新作「ウィッシュ」は、どんな願いでも国王が叶えてくれるという王国に住む、17歳の少女アーシャが主人公。
民は国王に願いを託すことで、願いから生じる不安や苦しみから解放され、いつか叶えて貰うことを夢見ながら暮らしています。

ポイントなのが、願いを国王に託すと、自身はその願いを思い出せなくなるというところです。ただ、願いがあったことだけは覚えていて、言うなれば究極の他力本願みたいな感じなのですが、凄く幸せそうに皆暮らしているんですよね。

話の流れとしては、実は国王は自己保身が凄く、願いのほとんどは自身と国に危険をもたらす可能性があるとして、叶えることなく、しかし返すこともなく独占していることが判明。主人公のアーシャが願いを解放するために立ち上がるといった非常にディズニーらしい映画で、僕は結構好きでした。

共産主義は人の本質を掴めているか?

人は豊かさに満足することはなく、ひたすら欲しいものを求め続けるため共産主義に辿り着くことは無いのではないか?。これがこの記事の結論です。

映画「ウィッシュ」の世界観は、国に居る時点で願いは叶ったも同然であり、皆満足しきっていて非常に幸せそうに暮らしています。厳密には違うのですが、どこか共産主義のような、ユートピアさを感じさせるものでした。一方で願いを託して忘れたことで、どこか抜け殻のようになってしまう人間も描かれていました。

作中ではアーシャを筆頭に国中の民が国王に反旗をひるがえして、願いを取り戻すのですが、ここは個人的に少し怖いなと思いながら見ていました。何十年も満足して幸せそうに暮らしていた民が、願いが叶えて貰えない可能性があると知った瞬間に猛烈に国王に反対して、アーシャ達が勝利した後には「国王が居なくなって良かった」と皆が言っている状況でした。

フィクションですし細かい描写がそこまである訳ではないのですが、それでもアーシャの革命が起きるまで、民は経済的にも精神的にも不自由なく暮らしている様でした。それでも、その安定した豊かな生活以上に、自らの欲しいものを掴み取るという欲求、それこそが人の原動力だとすると、共産主義的な世界は果たして実現するのでしょうか?。

共産主義を持ち込むと話が極端にはなりますが、人の本質的な原動力と、より豊かになる経済の仕組みの両方を考慮して、何が良いか問いを立ててみるのは大切だと思いました。

以上、「ウィッシュ」と共産主義についてでした。ありがとうございました。

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