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キングダム考察 70巻 信がプロポーズで結婚を中華統一後とした理由

【考察その2リニューアル】

↑以前、同じ内容を、
本誌掲載ほぼリアルタイムに書いた考察がありました。


今回、基本的に構成と結論は同じですが、
その後間に色んな考察を行ってきた中で、
もうちょっと考慮に入れた方がいい伏線も
後から分かったりしてきたので、新たに書き直してみました。

今回はほぼ新規に書き直してますので、以前の記事はそのまま残します。


そう言うわけで、前読んでくださった方も、
また新たな視点で読んでいただければ幸いです。


考察:「中華統一後の結婚」の表向きの理由


直前のこの考察ですでに頭出ししている内容を
少し噛み砕いて説明するのが今回の考察前半です。


「中華統一後も一緒に生きていきたい」と言う言葉を
今になってあえて伝える意味ですが、これは2人の現在の関係が
「飛信隊の隊長と副長」であることに一番影響を受けているはずです。


2人にはすでに、揺るぎない信頼関係がすでに構築されていました。

そうしてお互いがお互いを、
「決して失いたくない」無二の存在と認め合っていました。

↑黒羊戦が終わった後の、45巻おまけ漫画「お守り」が、
武人としてですがそのことを2人で認識しあった話
(正確には「2人で認識しあえた」と信が実感した話)
だと考察しました。


以前、羌瘣から好きと告白されつつも進展は拒まれたと言う
中途半端な状態をあえて信が許容出来ていたのは
(本当は「そうじゃない」路線の考察も機会あれば書きたい笑)、
羌瘣に対する気遣いもあるんでしょうが、
長年の「将としての絆」と「お互いの全幅の信頼感」があったから、
なのかもしれません。

もちろん、それはあくまでも
「軍隊で共に戦っている間」に限った話です。
おそらく、中華統一した後は飛信隊は解散。
一般的には一緒に生きる理由がなくなります。


ところで、信はこのプロポーズ前、特使護衛として韓に赴き、
韓非子と「人の本質」について問答を交わしました。

最初は「そんなの分からねぇ」(70巻40ページ)
と言っていた通り、この問答の中で色々考えたのでしょう。

この問答の中で

「李牧の”思い”の火も俺が受け取っていく」(53ページ)

と、具体的に言葉にするのですが、その時に、
今までは「倒す」対象とだけ考えていた李牧について、
実際に「倒した後」を初めて具体的に想像し、
「思いを受け取った」後の世界を思い浮かべたのかもしれません。

韓非子「最終的には”思い”の火は一つになるな」
信「ん・・・、まー、そうだな」
(54ページ)

思いの火が一つになった世界、それは紛れもなく
「中華統一後の世界」のことでしょう。

「どうやら俺とお前の道が一つに重なったみてぇなんだ」
「"中華統一"だ」
(23巻83〜84ページ)

山陽戦を終えた後、信は政と「中華統一」と言う
「思い」を一つにして今まで戦ってきてました。

具体的に誰と一緒にその時を迎えるか、と言うことは
政以外についてはそれまで考えたことはなかったのでしょう。


韓非子に「思いの火が最終的に一つになる」と言われた後、
一瞬信は口籠もってますが、この時に政以外で、
具体的に誰が「思いを一緒にして」共に居るかと考えを巡らせ、
この時羌瘣が思い浮かんでいたのかもしれません。


二人が男女として想い合えたのはそれこそ直近の肥下戦でしたが

羌瘣「独立はない、私は最後まで飛信隊だ」(38巻69ページ)

とかなり前、羌瘣からこの宣言をされ、
その受容も信はこの場で行っており、
2人が「思いを一つにしている」自覚はあったのでしょう。

ちなみに、この時の信の返事についてですが

信「・・・」
 「ああ、んな問題は言い回しでどうにでもなるぜ」

実は私、密かに信のここの「・・・」の沈黙が疑問でした。

もっとも、当初から本当に最近まで、信の表情から
単に嬉しさのニヤケを噛み締めているくらい笑と流してました。
実際、隆国から「羌瘣隊と飛信隊は分けるべき」案を示され、
そう言う考え方もある一方で、信と羌瘣の間では
「2隊合わせて飛信隊」と言う考えで一致し、
これからも今までのように戦っていけることは嬉しくて然るべきでしょう。


ですが現在の穿った目線(笑)を持って、当時の疑問を掘りました。

そもそも直前まで「隆国が細かい」グチ大会だったこともあったのか、
羌瘣は隆国への反抗?も込めて、
「私は"最後"まで飛信隊」と大雑把に期限を設定したのかもしれません。
で、信は実は「"最後"って、いつまでだよ?」と反射的に思っており、
でもそれを口に出してしまうと自分も隆国と同類(笑)になるから
「・・・」の沈黙は、その言葉を飲み込んだのもあったのかもしれません。


信の中ではもしかすると、羌瘣と「思いを一つにしている」
具体的な期限について、ずっと燻っていた事項であり、
この機会に

「”最後”(=中華統一)まで”飛信隊”(=戦いの絆)」
ではなく
「”最後”(=中華統一後の先)まで”飛信隊”(=思いを一つにする)」
と、羌瘣の言葉の再定義したいと思ったのでしょう。


すなわち、
「戦う必要がない”中華統一後”の世界でも羌瘣と”無二の絆”が欲しい」
「羌瘣との”思いを一つにしている”期限を無期限にしたい」

これが「中華統一後のプロポーズ」の表向きの理由だと思います。


最初に考察を書いた時は、
中華統一するまで信がストイックでありたい気持ちもあったのでは、
とか、
羌瘣が直前「まるですぐに死ぬみたいな言い方」と言っていたので
それを否定もしたかった、とかも理由に入れてましたが、
これらは「全くない」わけではないと思いますが、
大きな理由ではないだろうな、と今は思ってます。

特に「ストイックでありたい」については、
むしろそんなこと理由にしてないでしょうと思い直しました。

上記リンク3番目の考察で、
「信は羌瘣と既成事実を作りたいと思っていた」
論を書いちゃいましたしね(笑)。


考察:「中華統一後の結婚」申込みの裏の本音


で、ここからがこの考察のメインです。(笑)

やっぱりこれ、「結婚の約束」なんですよ。

信の欲望というか、裏の本音は絶対別にあるでしょうという話です。笑

絶対に、プロポーズした結果(男女の仲になる)が
伴って欲しい
に決まっているわけですよ。
むしろそう思わないのはおかしいですよ笑、どこの聖人君子やねん。


そもそも、いくらなんでも流石に本当に中華統一後に結婚するならば、
10年以上、むしろもっと先かもしれないと、
信は現場の実感としてすでに理解しています。

政「ここから15年で六国全てを滅ぼし中華を統一する」
信「いきなりそれは無茶だ、前線にいる俺達の方がお前達より
(分かっている!)」
(41巻20ページ:時期として最新70巻の5年前)


実は信としては、羌瘣はこの申し出の後必ず断るだろう
想定していたと思います。

と言うのは、直後に以下の予防線の言及があるからです。

「嫌だったら嫌っつってくれても構わねぇ」(70巻212ページ)

で、その後すぐ「ただ」と続いており、
これはこの後、「その場合の理由が聞きたい」などと続けて
後述のような会話を展開させるつもりだったと思います。


信は、羌瘣と自分とでは、以下の経験を含め、
「大事なことへの期限に関する意見交換」を今まで幾度と行ってきており、
きっと羌瘣は、先すぎである結婚の「時期」についての忌憚ない意見
言ってくれると思っていたんじゃないでしょうか。

羌瘣「(龐煖に対して)半年後には私が勝つ」
信「半年もねぇよ。この戦で奴を討つんだ」
(14巻169ページ:馬陽戦)

信「この戦が終わったらしばらくこう言うやり取りできねーな」
羌瘣「先の心配より明日だ・・・」
(21巻110ページ:山陽戦)

また、このプロポーズの直前、信と羌瘣は、
羌瘣の里に一緒に行く約束をしています。

信「俺も見てーよ、お前の生まれ育った場所」
羌瘣「うん、いつかね」
信「約束な
羌瘣「うん
(70巻209ページ)

決まっている期限の話だけではなく、
羌瘣といつか確定していない未来についても話せる仲になれた、
つまり、今後続く長い時間を共有してもいいと
羌瘣が思ってくれている確信が信に持てたので、
「このタイミングだ」とプロポーズに踏み切ったのでしょう。


信が里典の小屋に羌礼を伴わず、早朝を選んで羌瘣だけ連れ出したのは
最初からプロポーズすることが前提だったからであるはずです。

「(小屋を)お前に見せたかった」(207ページ)と言った後、
信が何か考えているような沈黙の描写がありました。
プロポーズのタイミングについては事前に漠然と
漂と暮らした小屋の紹介の後とは決めていたかもしてませんが、
ここでは唐突感があると思ってためらっていたのかもと思いました。

直前の韓非子との問答編では変顔含め表情豊かだった(笑)信が、
この時は終始目が釣り上がっており(いつもか笑)
若干緊張で強張った表情だったと見えなくもなかったです。


信は、婚約へと一歩進めるならば、「中華統一後」はむしろ
少し?ゆとりを持たせた期間と言う意味合いで使っただけで、
実際の結婚そのものの時期へのこだわりはそれほどないのかもしれません。


信としては、羌瘣はプロポーズの「結婚そのものの時期」を理由に、
きっと「そんな先のことは約束できない」と言うだろうから、
その後で時期に関する妥協案に誘導していく。

その場で期限が変わるにしろ、
里に行く約束のように分からない期限になるにしろ、
婚約することを前提に、きっと前向きに話し合えるはず。

そんなふうに
「断られてもいい」ではなく「断ってくる」を最初から見込んだ
このプロポーズの言葉だったのではないでしょうか。


だから信は実は「嫌じゃない」(70巻212ページ)と言われてしまい、
もしかすると逆に困っているのでは?(苦笑)。
なんか言われた時の信の顔が「え、そう来る?」
と驚いているようにみえます笑。


まとめ:フラグ解消時期の予測


一部、尾平結婚式の城戸村編が、信と羌瘣の結婚に
直接結びつくのではと言う考察が飛び交ったことがありました。

後出しジャンケン的な意見で恐縮ですが、
私自身は城戸村編が2人の結婚に直接結びつくとは思ってませんでした。

と言うのは、2人が結ばれるイベントは、
絶対に今ある大きな2人のフラグを回収した後だと思っているからです。

ま、城戸村編は、そのフラグ(のどちらか)を回収する回かなー、
との期待はしていました。
でもこのプロポーズがそれに匹敵するイベントでしたので
これはこれですごく嬉しい流れだったんですけどね。


なおその大きな2つのフラグとは、
・羌瘣が忘れたことになっている、禁術による2つのいいことのもう1つ
・信が覚えていないことになっている、間の世界での記憶

この2つはもしかしてしっかりリンクしていて、
一緒に回収されるのではないかな?、と想像、というか妄想です(笑)。

特に後者は、現在みんな忘れているとは思うのですが、
もしかすると無かったことになっているかもしれませんが、
信は、羌瘣が禁術から目覚めた後、

「何か夢にお前が出てきた気もするんだが・・・」
(58巻158ページ)

と言っていて、
つまり信は、

死んでいた間に夢を見ていた自覚はあって、
その中で、内容は忘れたものの、羌瘣がいたかもしれない自覚もある

と言う、ものすごく微妙な状態に実はおるわけです。

しかも、次のページ(58巻159ページ)で信は
「大したことはしていない」と言う羌瘣を、
見つめながら何か呟いている
んですよ。

これがフラグでないわけはない(笑)、と思っている次第です。

この2つのフラグの内容は、以下の考察で想定を書きましたので
よろしければこちらも読んでみてください。

そして実際、今回のフラグは、皆さんの予想とほぼ同じ、
結婚は中華統一後ではなく、時期が早まると想定しています。
具体的な時期についても、直上リンクの考察の最後まとめで
想定書いてますのでよろしければそれも読んでやってください。


↑の考察まとめ項でも書きましたが、
2人の仲進展は羌瘣がトリガーであるとの想定です。
羌瘣が何らかのイベントで、時期を早める決心をするのでしょう。


上記リンクの考察でも書きましたが、
私はそのイベントは、45巻おまけ漫画「お守り」の2人のやりとりが、
その伏線になると妄想しています。

「俺はすぐ忘れるから、お前が覚えていろ」(45巻217ページ)

このフレーズ、再びおそらく出てくるはずです。
その時に羌瘣が、そのイベントを起こすことでしょう。


きっとこのイベント、本当にそんなに遠くないと願ってます。
妄想まみれになりつつも、この考察を締めたいと思います。

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