見出し画像

♯20 育休中のお金の不安を解消するには...?

こんにちは、甘夏です。

この記事では、産休突入後にFP学習を始めたわたしが直面した育休中のお金の不安について、どのように解消していったかについて綴っています。

産休・育休中の不安といえば・・・

会社員で毎月固定の収入+賞与を得ているわたしからすると、まず不安に思ったのは収入面でした。
なにが不安なのか、言語化してみます。
・産休手当・育休手当がもらえるのは知っているけど、一体いくらくらいもらえて、育休前と比べてどのくらいの金額になるんだろう?
・きっと生活はしているだろうけど、自分自身に自由に使えるお金はないのかな
・夫婦2人の子どもを出産・育てるために、わたしが産休・育休を取得しているだけなのに自分個人の貯金だけが減っていくのは不公平では・・・?
これ、会社員で産休・育休を取得される方は同じように思われる方が多いのではないでしょうか。

出産育児一時金・出産手当金・育児給付金

こちらの記事でも書きましたが、健康保険や雇用保険から各種の手当金・給付金を受け取ることができます。
まずは収入面から計算してみます。

①出産育児一時金  一律50万円(健康保険)
*産科医療補償制度に加入していない施設で出産した場合は48万8,000円
多くの方はこの一時金はそのまま出産費用に回ることになると思います。
2023年4月から42万円→50万円に給付額が増額になりましたが、
それでも生活の足しになるほど余剰が出ることは少ないと思います。

②出産手当金(健康保険)
給付期間:出産予定日以前42日前~子の誕生日以降56日目までの範囲で休業した期間
これはFP試験でも出るのですが、FPほんださんのyoutubeにより
「シーツ(=産前42日)にごろん(=産後56日)」と覚えました(笑)
・1日あたりの給付金額:支給開始日以前の12か月間の標準報酬月額÷30日×2/3(≒67%)
例えば、標準報酬月額が30万円・出産予定日2024/1/1・実際の出産日が2024/1/5の場合
給付期間:2023/11/21~2024/2/26(98日間)
給付金額/日:30万円÷30日間×2/3=約6.6千円
給付金額:約6.6千円×98日間=約65.3万円

③育児休業給付金(雇用保険)
・給付期間:②の産後休業終了翌日~子の1歳の誕生日前日までの範囲で休業した期間
*ここではわかりやすく、子の1歳の誕生日前日まで休業したとする
・給付金額A(産後休業終了翌日~180日まで)=2024/2/27~8/24:30万円÷30日間×2/3×180日間=120万円
・給付金額B(181日目~子の1歳の誕生日前日まで)=2024/8/25~12/31:30万円÷30日間×1/2×128日間=64万円
A+B=184万円

①は実質出産費用に消えるとして、②+③の合計で約250万円となります。

社会保険料免除/非課税所得

計算すべき金額としては、各種手当金・給付金だけでなく、免除される社会保険料もあります。
詳細な計算はこちらも別記事に書いていますが(リンクは上にあります)
今回の標準報酬月額30万円を例に挙げると、40歳未満の場合の1か月の社会保険料は約4.4万円です。
産休・育休中はこの社会保険料の支払いが免除されます。

また、会社員であれば毎月の給与から天引きで徴収されている所得税についても、この期間に受け取れる手当金・給付金は非課税所得になるので所得税はかかりません。
例えば標準報酬月額が30万円で、年収がサラリーマンの平均年収461万円の場合、年間の所得税額は約11万円、ざっくり月間にすると約1万円とします。この所得税の支払いもありません。
(年収461万円の場合の所得税額計算については以下記事で書いています)

ただし、住民税は前年の所得に対して支払金額が決まるものなので、産休・育休中も支払いが必要となります。
普段は会社の給与から天引きで徴収されている(特別徴収)と思いますが、
多くの場合は産休・育休中は自分で納税通知書をもって納税をすることになります。(普通徴収)
会社によっては産休前と変わらず、代わりに納税してくれる会社もあるようですがその場合もあくまで代理で納税してくれている会社に対して、前後の給与から天引きや別途支払いが必要となります。

給与収入との手取り金額比較

ここまで、産休・育休中の収入面と免除面について計算をしてみました。
では実際に給与収入と比較するとどうなるか・・・
これは実際産休に入ったタイミングや、会社員収入のうちの賞与割合などによっても大きく異なってくると思います。

わたしは以下の手順で計算・比較をしました。
①前年1年間の手取り収入(所得税・住民税・社会保険料差引済み)を確認
②上記の産休・育休中に受け取れる給付金・手当金を計算(※出産一時金は除く)
③前年の収入から想定される1年間の住民税を計算

①と②-③を計算し比較すると、わたしの場合は手取り金額で約半分の見込みになることが判明しました。

産休・育休中は標準報酬月額の50%~67%が支給される上に、所得税は非課税、また社会保険料が免除されているので、
例えば前年の給与収入がサラリーマンの平均年収461万円で標準報酬月額が30万円の場合を月額の手取りで比較すると•••
【給与収入の場合】
収入30万円-所得税約1万円-住民税約1.6万円-社会保険料4.4万円=約23万円
【産休・育休手当金の場合】
A:手当金  (67%)の場合:収入約20万円 -住民税約1.6万円=約18.4万円 
B:手当金(50%)の場合:収入15万円 - 住民税約1.6万円=約13.4万円  
Aを7割・Bを3割として按分して月の収入に換算すると約17万円→給与収入の約7割

こうして手取金額を比較すると、産休・育休手当金は給与収入の約7割になるのですが、上記でわたしの収入見込みが約半分になった、という計算との大きな差は、産休・育休手当金の計算の元となる「標準報酬月額」の算定には賞与が含まれない、という点です。
(※年4回以上賞与が支給される場合は定期収入とみなされるため、賞与も標準報酬月額に含まれます。)
わたしの場合は勤めている会社が賞与の支給割合が高かったこともあって、産休に入る直前は賞与部分が年収の4割程度を占めていました。このような経緯があったためわたしの場合は、働いていた時の収入と産休・育休中の手当では収入が半減することが見込まれました

ここまでのあらゆる計算は、ほとんどの内容をこちらのサイトで簡単にかなり正確に計算することができます。

家計費の負担割合を夫へ相談

年収が半分になると、わたしが家計に入れていた金額を負担しようとすると
自分個人の貯金を切り崩さないと成り立たない、そして自分自身に自由に使えるお金は全然ないことが明確
になりました。
また、上記で計算した産休・育休中の手取り収入(手当-住民税)を12か月で割ると、月々に使える金額もざっくりですが見える化することができました。

ここで夫に対して「収入が半分になる分、家計に入れる金額も半分にさせてほしい。」と相談をしました。
そして、自営業者の夫はその時の仕事の状況によって収入も変動があるので「もし今余裕があるのであればわたしの負担減になった部分を追加で負担してほしい。」と相談をしました。
理系で合理主義の夫には感情面で話すのではなく、上記をすべて数字を含めて見える化し、話の持って行き方も何度も考えた上での話合いで、理解してもらうことができました。
(もともとこちらの話をよく聞いてくれる人なので、そこには感謝です。)
これによって家計に入れる総額は変わらず、わたしだけの懐が痛むという事態も避けることができました。

また、これは別の記事で書こうと思っているのですが、元々結婚当初は家計に入れる金額をお互い同額にし、その代わりに家事分担もほぼ半分ずつになるようにしていました。
それが今回、産休・育休に入ることで私の収入は半減し、夫に金銭的負担を増やしてもらうことになりましたが、その代わりというわけではありませんが、当然休業中のわたしの育児・家事負担割合が圧倒的に多かったため、このあたりは夫にも納得感があったのでは?と思います。

シュミレーションと実際の収支は・・・?

上記のシュミレーション・夫への相談はすべて出産前に行いました。
そして実際に育休明けの復帰したタイミングで、すべての手当や支払った住民税を計算すると、想定よりも約20万円の余剰金が発生しました。
このうれしい誤算は何故起きたのか?
ポイントは3つあります。
1.すべて少し余裕をもってシュミレーションをしていた
2.出産予定日から実際の出産まで10日かかったことによって手当金の支給日数が伸びた
3.子の1歳の誕生日翌日の復帰ではなく、保育園入園のタイミングでの復帰だったため、育休手当の給付が約1か月伸びた

当然すべて自分でコントロールできるわけではないのですが、1で余裕を持ってのシュミレーションをしていたからこそ、結果として少し余剰が生まれればラッキーくらいの感じで想定していたことが吉だったなと思います。
この20万円は家族みんなでやりくりを頑張った(夫に負担を増やしもらった)ご褒美として、復帰前に家族3人で沖縄旅行に行き、その資金に充てました。

それぞれのご家庭の状況によって、育休中の金銭的負担についても全く事情が異なると思いますし、一つのお財布で家計管理をされているご家庭であれば夫婦間の負担の割合は問題ではないと思います。ただ、その場合でも家庭としてどのくらいの収入減が見込まれるのか、見通しをつけると漠然とした不安は解消できると思います。

わたしの場合は元々がマネーリテラシーゼロ、そして高マネーリテラシーかつ合理主義の夫に対してお金の相談をする自信はなかったのですが、このような形でシュミレーションをして状況を数字によって見える化することで、納得のいく(わたしにとって、ですが)話し合いをすることができました。
また、後半は想定していた収支よりも余剰金が出れば、みんなで頑張ったご褒美として「家族旅行」に行きたいという目標があったので、お金の不安を持った育休というよりはゲーム感覚でやりくりを楽しむことができました。

いかがでしたでしょうか。
ここまでお読みいただいた方はお気づきかと思いますが、わたしはかなりお金に執着心があるのだと思います。
だからこそ見通しをつけて、不安を少しでも解消し、お金のやりくりに対してモチベーション高く取り組むことができているのだとも思います。
この記事がどなたかの参考になれば幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?