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映画『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』 特に予定のない日曜の午後におすすめ

眺めのいい部屋に暮らして40年になる夫婦アレックスとルース。だが、アレックスの足腰が弱り、階段をあがるのが難しくなったことから、部屋を売ることを決意する。

「10年ひと昔」というのだから、40年という歳月は随分と社会のルールや世相を変えてしまう。しかしながら、表面的な変化があっても、その深いところではあまり変わってないのではないか?とも思う。

『最悪のことを思いながら、最善のことを祈る』というのが、主人公アレックスのモットー。共感できる生き方。

その彼が家を売る決意をしてから数日間で忘れていたものに気づくという物語。

モーガン・フリーマンとダイアン・キートンの夫妻が素敵。二人が出会った頃は、黒人と白人が結婚する事が州によっては認められていなかった時代。その逆風をどう乗り越えてきたかを、思い起こせばその答えが現れる。

I have good news and bad news.

誰の心にだって、悪いニュースの方が残りやすく臆病になっていく。しかしながら、40年の間には沢山のグッドニュースもあった。そして、いまも。だって、彼はまだ画家の卵だった頃に最良の選択をしたんだもの。

『良い眺めは、若者のためにあるものだ』

それは確かだけれど、まだまだ自分たちにも未来があることに気づいたアレックスは、瞳に輝きを取り戻した。

サミュエル・ウルマン曰く『年を重ねただけで人は老いない理想を失うとき初めて老いる』

本当に大切なものを思い出させてくれたのが、いつも隣にいるパートナーだなんて最高にハッピーな映画。ルースは幸せの青い鳥。

彼にはまだ真っ白なキャンバスが残ってる。


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