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サイトラを練習しても同時通訳ができるようにならない理由


皆さんは
サイトトランスレーションって
聞いたことがありますか?


「あ、知ってる、同時通訳の練習でやった!」
「順番通りに読むために学生に教えている。」
という方も方もいるでしょう。


サイトトランスレーション、
訳してサイトラはどんな練習かというと…


印刷されたテキストにスラッシュを入れながら
頭から順番通りにどんどん訳します。
同時通訳を意識して、
後戻りナシ、○分●秒以内で!と
厳しい条件をつけることもあります。



さて皆さん、サイトラの
手ごたえはいかがでしたか?



というのも…


実は先日、通訳学校に入学したけれど
伸び悩んでいるという
帰国子女の大学院生から
相談を受けました。


サイトラを繰り返しても
同時通訳ができるように
ならないと言うのです。



彼女は一度練習しただけで
この方法は自分に合ってる、合ってない、
好きだ、嫌いだと
幼いエゴで文句を言う子では
ありません。


楽器の経験もあり、
反復練習の大切さは
身に染みています。



なのに、なぜでしょう?



実は、ふり返ってみると
私はサイトラをやったので
同時通訳ができるようになったという
気がしないのです。


確かに、順番ひっくり返し訳の癖が
強かった人には目からウロコの
練習法かもしれません。




確かに、私の周りにも
サイトラで余分な癖が取れて
同時通訳が少しできるようになった
人はいます。


でも、それだけで
十分上手になった人は
思い浮かびません。



ということは
サイトラが本当に同通に
最善の練習方法か
怪しくなってきました…



サイトラに問題があるとしたら
なんでしょウ?



私は、視覚の使い方だと
思っています。



サイトラをする時、皆さんの目は
何をしていますか?



テキストをじーっと見ていませんか。


慌てながら、ああでもないこうでもないと
「てにをは」を試しながら
テキストから目を離さないでしょう?



これ、視覚が外的刺激で
いっぱいいっぱいです。




テキストの内容を
ありありと想像している
バヤイじゃなかったのでは??


つまり、内的視覚がオフです。


残念ながら、通訳に肝心な
アタマ映画館は本日休館でした。



逐次通訳、同時通訳、
はたまた翻訳までも、
まず無くてはならないのは
内的視覚です。



内的視覚を活かすには
外的視覚にかかりきりになっていては
いけません。


おまけに順番通りに訳して、
スピードまで維持しようとする。



いろんなことをまとめて
いっぺんにやろうとし過ぎです。



こまかくステップを分ければ
ひとつずつできるように
なっていくのに、もったいない!!




なので、私の通訳トレーニングでは
従来型のサイトラは
やめろとは言いませんが、
推奨もしません。



もっと別の方法でアプローチしています。



その方法とは、練習のはじめの段階では
放送通訳用のスクリプトを
あわてずじっくり作るのです。



なんだー、スクリプトか、と
思われたかもしれません。



でも、いわゆる英文和訳の添削とは
まるで違います。


なぜなら、あくまで通訳という
「時間の流れのなかの音声表現」を
軸にしているからです。


根拠アリ・妥協ナシの
添削(私からの問い)が動画で
入りまくります。



それで、一言一句ゆるがせにせず、
話者のアタマの中の景色が
ハッキリと見えるようになるんです。



だんだんとスクリプトは書き出さなくても
頭の中に浮かぶようになっていきます。



そして、逐次通訳は
聞き心地よく正確無比、
そして翻訳も同時通訳も
そろって上手になります。



通訳養成の困りごとは、
教える側が通訳のプロセスを
深くとらえていないことが
原因のことが少なくありません。





通訳のプロセスを
細かく分けて俯瞰すれば
いろんなアイデアが
出てくるはずです。



そのためには、
感覚や学びのセオリーが
とっても心強い味方です。


ただ、このごろは
やれ脳科学だ、心理学だと
座学だけで資格を出す講座の中には
眉唾なモノもあります。
くれぐれもご注意を

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