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私立探偵ホームズ、光の問題を考える0

私立探偵ホームズ、光の問題を考える0 林海童

1905年の夏のこと。ロンドンの有名な医師ジョン・H・ワトソンに電報が届いた。その電報は「ボクノ推理ハ正シカッタヨウダネ。時間ヤ空間ノ尺度ガサマザマニ変化スルナンテ、何ント不思議デ興味深イコトダロウ!」得意気な文面に苦笑いし、ワトソンは半年前に訪れた主のことを思い起こしていた。「ホームズ、君の並外れた推理力には、やはりいささかの衰えもなかったんだ」電報の送り主はあのシャーロック・ホームズだった。ホームズといえば19世紀末から20世紀初頭にロンドンで活躍した、天才的な観察眼と推理力をもった私立探偵である。
1905年の2月、イングランド南部サセックス州の丘陵地帯に建つ瀟洒な別荘をワトソンは訪問していた。この別荘は26年年間の探偵業の仕事を終えたホームズが購入したものだ。ロンドンのベーカー街221Bのアパートを引き払い、サセックス台地の小さな農場に移り住んだのは1903年の晩秋だった。その時ホームズは49歳になっていた。
「君が引退後に養蜂業に取り組むと聞いてびっくりしたよ」
「昔ロンドンで悪を監視したように、働き蜂のさ。昼は農園で働き、夜は思索と読書三昧。全くもって快適な生活だ」
ワトソンは部屋の書棚を見回した。
「おや、天文学の本があるね。”たとえ地球が月の周囲を回転していても、そんなことで僕の生活や仕事に何の変化も起こりはしない”とうそぶいていたのに」
「あの発言は、若気の至りさ。しかしロンドンとは違い刺激のない田舎にいると、いろんなことに興味がでてくるものだ」
「なるほど、そういうものか」
「するといろんなことがわかってきた、現在の科学理論について面白いことがわかってきた。ふしぎな自然現象がじつにおおくあるらしい」
「驚きだ、人間の叡智は自然を征服したわけじゃないんだ」
「僕は科学者ではないけど、冬の夜長に暖炉の前であれこれ思索にふけっているわけ。いま僕のあたまを占めているのは、光の問題なんだ」
「光についての問題、また奇妙なことに興味をもったんだね」
「頭の体操みたいなもの、僕の手掛けた事件のようにね。この問題聞いてくれるかい?」
「もちろんだ、聞かせてくれよ」
「ではワトソン君、そもそも光というものの正体を知ってますか?」
「光とは、電気的な波の一種だと聞いたことがある」
「その正体はなかなかわからなかったが。光の正体は小さな粒子の集合である説と特殊な波であるという説が対立している」
「その答えは、いつ出たんだ」
「つい最近のことだよ、今から半世紀前の1861年、イギリス人のマクスウエル博士が光の正体は電磁波という波であると証明したんだ。だが困ったことがある。光の”媒質”が見つからない」
「光の媒質?それって何?」とワトソンは聞いた。
「波を伝えるものが媒質だ、音の正体は音波という波。その音波の媒質は一般的に空気だ」

続く・・・・・

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