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ローテーションの意味

「ローテーション」を取り入れている企業があります。

「配置転換」とか「左遷」という消極的な意味ではなく、経験を積ませるという積極的な意味で。

例えば、銀行で内勤に配属された社員を外回りをする営業部門で何年か経験させる。
あるいは、生産会社の購買担当者を協力会社で経験させるという社外とのローテーションもあるでしょう。

このローテーションにはどんな意味があるのでしょう。
「経験を積ませるため」ではありますが、そこにどういう意味があるのか。
それを組織はもちろん、本人が認識していなければ、せっかくの制度が活かされません。
ただ「経験を積んだ」と思っているだけでは何の意味もありません。

最も大切、かつ、重要な意味は「それぞれの部門から相手の部門がどう見えるか」を認識し、それを元の職場での業務に活かすことではないでしょうか?

購買担当者がローテーションで協力会社に行ったとします。
協力会社の立場から自分が所属する購買部門がどう見えるのか。
購買担当者の態度が横柄だったり、抑圧的だったりで不愉快な思いをしたとすれば、元の職場に戻ったときに、その気持ちを忘れずに、今後自分がどういう態度で協力会社に接するべきかを考えることが必要です。
あるいは、購買部門の納期の要求に協力会社が応えることができず、ヤキモキしていたとすれば、協力会社に対してどのように発注すれば対応しやすくなるのかを協力会社の立場で考える。
例えば、正式発注の前に、ある程度の見込み数量を提示することを制度化するという改善案を考えることができるかもしれません。

ローテーションを命じた側もその意見を積極的に取り入れる姿勢が必要です。
単に個人の経験で済ませてしまっては何の意味もありません。

どのような業務も恒久的なものはありません。
絶えず変化する時代や状況に応じて自らも改善を続けてゆかなければ取り残されて、組織の発展の妨げになってしまいます。

ローテーションを命じる側も命じられる側も、両者がその意味を把握してその組織の変化に活かすことが大切です。

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