映画感想『十二単を着た悪魔』原作 内館牧子 監督 黒木瞳 伊藤健太郎 三吉彩花 伊藤沙莉

おはようございます!
アマゾンプライムにて視聴しました
ネタバレするかもしれませんが、ストーリーを詳細に追うわけではありません
個人の感想や連想のメモです
この考え方が絶対に正しいと押し付ける趣旨ではありませんことをご理解いただけますと助かります




「プラダを着た悪魔」2006という映画の題名と似ているな?と、一瞬思いましたが、この作品は未視聴なので、コメントは控えますね…(-_-;)


原作も未読です
アマゾンプライムでお勧めされて
パッと鑑賞して

けっこう感動しました


設定が興味深いです

源氏物語の世界に
就職試験に連敗中のフリーター青年が紛れ込む

という
お話ですが

一般的な源氏物語では悪役?の弘徽殿の女御のほうに
紛れ込む形です

アルバイト先が
源氏物語をテーマにした
製薬会社のPRイベントだったようで
製薬会社の試供品の頭痛薬?や
スプレー式の湿布?や
源氏物語のあらすじを美しく絵物語で紹介するパンフレットをもらってかえります


家へ戻ると
おりしも弟が京都大学医学部に合格したとかで
お祝いの晩餐をしようという会話を
父母と弟が食卓を囲んで盛り上がっている真っ最中

自分はさえないフリーター
玄関先まで聞こえてくる
たのしそうな
父母弟の会話についていけない気持ちになり

リビングに上がってこない兄に気づいた弟を振り切って
夜の街に飛び出します


すると
時空が曲がって?


平安時代のような服装の
女たちに
「もののけ?」

さわがれ

護衛らしい男たちにとらえられてしまうのですが


どうやらそこは

源氏物語の世界

弘徽殿の女御さまが
病にくるしんでおられるという


弘徽殿の女御ってだれ?


そのレベルの理解度の
主人公青年は

さっきもらったばかりの
製薬会社のパンフレットを
観て

源氏物語の
主人公の光源氏の母上をいじめたとされる

一番偉い女御だときづきます

女御には皇子がいてこの子が長男
光源氏は異母弟

源氏物語のストーリー通り
帝や世間は弟の光源氏ばかりをほめそやし
長男はぱっとしないと決めつけています


女御の頭痛に
製薬会社の試供品を内服させたところ
著効して

主人公は
陰陽師だと思い込まれます

そして
本名 雷(らい)
をもとに

とっさに 雷明(らいめい)(たぶん安倍晴明をもじっているからこの字でいいかしら?)


なのり

弘徽殿の女御にも
周囲のおつきの人々に
大変信頼されて
お部屋も与えられ

なにかと
たよりにされます


製薬会社でもらった
源氏物語の
あらすじもありますから

先々の出来事も見通せて
うらないもできる
ということになります



さて、

もともとの源氏物語と
ちがうことは


弘徽殿の女御側から見たストーリーであることと

弘徽殿の女御の皇子は
実は
利発で性格もよく
素晴らしい皇子であったということ


主人公は
ひそかに
自分と弟の立ち位置となぞらえて
感情移入してしまいます


弘徽殿の女御は
いじわるというわけではなく

きっぷがよく
おとこまさりの政治的バランスをもち

帝が藤壺の女御を
弘徽殿の女御よりも位の高い皇后にするときにも
自分の皇子が東宮になれるのならと
じっと我慢するところも

そうか

そういう駆け引きがあったのか

学びがありました


主人公は
結婚相手も紹介されて
幸せな新婚生活を送るのですが

出産のときに
妻子ともになくなってしまうという
悲運に見舞われたり


いろいろ物思うことあるようす



紆余曲折経て

現世にもどり


物語世界で人生経験を積んだ主人公は

「おとこならのうりょくをかたちにしてみせろ!」

弘徽殿の女御から叱咤激励されたことを思い出し
自分の経験した不思議な源氏物語世界を
小説にしようと
書き始める…


というような展開でした


なじみ深い源氏物語をテーマにしながら
弘徽殿の女御側からみるという斬新な切り口
そして
優秀な兄弟を持った平凡な人間の葛藤と成長を描いた
みごたえのある作品でした!



いつもおつきあいいただきありがとうございます<(_ _)>(*^-^*)



ではまた!


まきのしょうこ





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