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いきなり『名前呼ばれず』!

入学式の季節だ。
昨夕散歩の途中に自宅前で記念写真を撮る家族。
尋ねると『お兄ちゃん』は高校入学、『妹』は中学入学。
どうやら朝から一日がかりだったようだ。
目出度い。
そういえば今から76年前の私の入学式。父と共に出かけた。
渋谷小学校北分校。
『式』らしきものがあったのかどうかも記憶にない。
分校には『講堂』も『体育館』もない。
一年生から3年生まで『一学級』ずつ、つまり教室は3つしかない。
そして『職員室』。
一年生は20人前後だった。
教室で早速『出席』確認。ところが全部点呼し終わっても私の名前が呼ばれない。
父が担任の先生にその旨を伝えると先生は特段ビックリもせず名簿に書き足してくれた。
私は戦時中父の実家に間借りしていてその後転居したのだが今でいう『住所変更』がなされていず『疎開』のままになっていたのであろう。したがって本来は『渋谷小学校本校』に名簿が入ったままだったのだ。
昭和22年。
まだ戦後の混乱の中そんなことは『よくあること』だったに違いない。
だが入学初日から『はば』にされた心細さは今に至るまで鮮明に記憶している。
ともあれ『新入生諸君』の『前途洋々』足らんことを期待してやまない。

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