クリーン&ジャーク

理学療法士歴20年以上になります。 良い理学療法士を目指しています。 脳卒中の理学療法…

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理学療法士歴20年以上になります。 良い理学療法士を目指しています。 脳卒中の理学療法が間違いだらけで、少しでも良い方向に行けばと思っています。

最近の記事

9. ⑤支持性向上のため、患側下肢への荷重練習を行うこと →ダメな理由

完全にダメと言うわけでは無いのですが、回復期のリハではあえて荷重訓練する人はレベルが相当高い人なので、ほとんどいません。 ほとんどの人が、やってはいけないので、荷重訓練はダメと普段は言っています。 荷重訓練をする目的って、要は麻痺側の筋力が弱いから支える筋力を鍛えようってことですよね。その支える力を歩行に活かそうとしてますよね。 でも、歩行ってどうでしょうか。じっくり支えながら歩くでしょうか。 交互に足が出ることで、歩いているのではないでしょうか。例えば「右足が着いた

    • 8.答える合わせ ④まずは立位になり歩かせる →ダメな理由

      答え 効率的な体の使い方が可能か、臥位から歩行までの動作を評価する。評価するポイントは、重力と慣性を使った動き、姿勢反射がどの動作で出ているか、の2点です。 脳卒中片麻痺の患者を急性期から長下肢装具を使って立位になり、2人がかりで歩かせると言うようなリハがテレビで放送されることもありました。 中には効果がある人もいるかもしれませんが、効率の悪い歩行になったり、筋緊張を高める患者がほとんどです。 脳卒中片麻痺の患者は、回復の状況に応じて、その体が環境に適応する時間が必要な

      • 7. 答え合わせ ③階段を降る時は患側下肢から下ろす →ダメ理由

        答え 脳卒中患者が階段を降る時は    非麻痺側下肢から降ります。 特に「高い段(20cm以上)」や「背の低い方」では効果大で。それに非麻痺側から降りるのを覚えると、一足一段で交互に階段を降りることが容易になります。 臨床軽減がある方なら、高い段、背の低い方で麻痺側下肢から段を降りた際に下肢が内転し、階段を降るのが苦手な方を見たことがあると思います。 これは骨盤での代償が難しくなったために起こります。 それを解決するのが、非麻痺側下肢から降りる方法です。 学生の時に

        • 6.答え ②移乗は健側「非麻痺側)から行うことを先に教える → ダメな理由

          答え 麻痺側回りの移乗から教えます。 脳卒中に罹患した患者への移乗動作は、教科書的には非麻痺側回りからの方法を教えると書かれています。 何が悪いのでしょうか。 他にも理由があるのですが、力学的視点のみで説明します。 通常私たちは左右差が少ないので、立ち上がりなどで右と左の力を同時に出すと左右の均衡が取れていて釣り合います。そのため、立ち上がる際に左右どちらかにバランスを崩すと言うことはありません。 脳卒中になって左上下肢が麻痺したとします。 仮に、左下肢の筋力2、右

        9. ⑤支持性向上のため、患側下肢への荷重練習を行うこと →ダメな理由

          5.答え合わせ ①歩行は杖、患側下肢、健側下肢の順番だ

          答えを書きます。 脳卒中の歩行パターンは、 ①健側下肢 ②杖、患側下肢 の2動作です。 正確には、重心移動が先にきます。 セオリーと違うのでは?と、思った方に質問です。ほとんどの理学療法士が行っているパターンの杖、患側下肢、健側下肢の順の根拠はなんですか? 「教科書に書いていたから」 と答えるのではないでしょうか? それは根拠じゃないですよね。 これまでのセオリーである、杖、患、健に足りないのは力学的視点です。 患側下肢を先に出すと言うことは、慣性が全く無いとこ

          5.答え合わせ ①歩行は杖、患側下肢、健側下肢の順番だ

          4.動作のコツ(力源)

          動き方のコツについて コツの中でも力源について書きます。 動作を行う際の力源は ①筋力 ②重力 ③慣性 この3つがあります。 そして理学療法士がとにかく好物なのが①筋力 ですが、脳卒中の動作獲得で1番要らないのは①筋力なんです。これを捨てることで違う世界が見えてきます。 なぜかと言うと、動作が出来ない理由は非麻痺側にあるからです。脳卒中になると、麻痺した半身を抱えた非麻痺側が出現します。それによって非麻痺側を上手く使うことができなくなるからです。非麻痺側を上手く使う

          4.動作のコツ(力源)

          3.新しい体

          脳卒中になっても、非麻痺側はこれまでの経験をもとに動こうとします。これではまともに動けなくなるか、異常な筋緊張を生み出します。 プッシャーシンドロームは代表的です。そこまでは行かなくて非麻痺側下肢への体重移動が不十分な患者を多数見かけます。 そこで新しい体にあった動作を学習することでスムーズな動作が獲得できます。 プッシャーシンドロームを例に挙げます。 座位になった時に麻痺側側に倒れてしまいます。 左右の力学だけに絞って説明します。 これは麻痺側、非麻痺側の左右から押し

          2.脳卒中片麻痺者の捉え方

          謎解きに入る前に脳卒中片麻痺者をどう捉えるのかについてを書きます。 一言で言うと 「新しい体を手に入れた人」 と捉えることが重要です。 まわりくどい言い方をすると(左不全片麻痺を例として) 「左手足が麻痺した体を手に入れた右手足の人」 よく分からないですよね…(笑) 「新しい体を手に入れた人」という考え方を説明すると、病気になり障害が残った時点で、その方は生まれ変わったと捉えて下さい。 こう捉えると「以前の動きを取り戻す」ことはナンセンスだ」との発想になり、治

          2.脳卒中片麻痺者の捉え方

          1.脳卒中の理学療法は間違いだらけ

          脳卒中の理学療法は間違いだらけなんです。 ①歩行は杖、患側下肢、健側下肢の順番だ ②移乗は健側から行うことを先に教える ③階段を降る時は患側下肢から下ろす ④まずは立位を取って歩かせる ⑤支持性向上のため、患側下肢への荷重練習を行う ⑥坐位や立位は正中位保持の練習をする ⑦立ち上がりは正中位を保持しながら行う ⑧杖の長さは教科書通りにしている ⑨患側の筋力を鍛えるのはナンセスだと知っているが、やっている理学療法は筋力を鍛えている。(股関節の支持性を高める練習

          1.脳卒中の理学療法は間違いだらけ